番組を卒業して4年以上たった今も、現役時代と変わらぬ人気を誇るだいすけお兄さんこと、横山だいすけさん。子ども向け人気番組『おかあさんといっしょ』の劇場版・最新作となる『映画 おかあさんといっしょ ヘンテコ世界からの脱出!』に横山さんが再登場し、全国の親子に会いに来てくれる! でも本作での役に、少しだけビックリしちゃうかも!?
横山だいすけさん「“子どもも親もそのままでいい”というのがテーマ」
「映画のタイトルにもその言葉が入っていますが、僕が演じるのは、ヘンテコな世界を代表するようなキャラクター。『おかあさんといっしょ』は常に楽しく温かい作品ですが、そこにパンチのある要素を入れたいな、と張り切って参加しました! 衣装さん、ヘアメイクさんと打ち合わせするうち、“コレしかないでしょう”と、どんどんヘンテコ要素が加わって(笑)。みんなで楽しんで作り上げました」
鳥のくちばしみたいにとがった長い前髪に、色とりどりの衣装に身を包んだ横山さんがノリノリでキメる“ヘンテコポーズ”をはじめ、妙にクセになるキャラクターだ。
「振り付けの先生も、“ポーズはお尻のプリッと感を強調しましょう”と(笑)、“ナ~イス、ヘンテコ”ポーズができました。観てくれる子どもたちも最初はあぜんとするかもしれませんが、いつの間にかこのポーズをやっているかも(笑)」
一見、奇抜な要素にも、実は、深いメッセージが込められている。
「多様性がフォーカスされる時代になりましたが、いざ自分の子どものこととなると、大人は“ああしなさい、こうしなさい”とレールを敷きがち。もちろんそれも愛情や責任の表れですが、子どもの選択肢を狭めてしまうことがある、と気づかせてくれるシーンがあって。親御さんが自分を見直すきっかけにもなるかもしれません」
子どもが楽しめる作品であると同時に、いくつかの大人向けの要素に、「胸が熱くなって涙してしまった」と語る。
「いつも笑顔で元気なお兄さん、お姉さんたちが、実は胸の内に不安を抱えていて、そんな心境を明かしたりするのは、物語の中であっても今回が初めてじゃないかな。そこに“子どもも大人も親も、そのままでいい”というメッセージを感じました。現役時代にうまくいかなかったことや、僕がバトンを渡したお兄さん、お姉さんが一生懸命やっていた姿を思い出したら涙が止まらなくて」
横山さんが自信を覗かせる本作は、音楽もこれまで以上に感じ入り、胸にしみるものがあるそうだ。
「今回はどの曲も、作品に沿った深い使われ方をしている。ゆうぞうお兄さんから引き継いだ『ぼくときみ』を、僕がバトンを渡したゆういちろうお兄さんと、今回2人で歌うんです。とても意味あるシーンで流れるので、メッセージもより深く感じられる。音楽の使い方にも、今を生きる家族へのエールとともに、この時代をみんなで乗り越えていこう、という製作陣の熱い思いと深い愛を感じました」
卒業後も“燃え尽き症候群”をみじんも感じさせず、精力的に活動する横山さん。まさにパワフル!
「子どもたちに音楽や歌を届けることが自分の人生の使命だと、最近あらためて感じて。だから、好きなものを作り続けて届けていこうと、昨年YouTubeで『横山だいすけチャンネル』を開設しました。自分から行動を起こすことに、大きな充実感を覚えています」
よこやま・だいすけ●1983年5月29日、千葉県生まれ。大学卒業後、劇団四季に入団。’08年より『おかあさんといっしょ』第11代歌のお兄さんを歴代最長9年間務める。ミュージカル作品『だいすけお兄さんの世界迷作劇場』や朗読劇『ラストダンスは私に』などに出演。
『映画 おかあさんといっしょ ヘンテコ世界からの脱出!』
ゆういちろうお兄さん、あつこお姉さん、誠お兄さん、杏月お姉さんがケンカをし、しずく星からやってきたチョロミーのモバイルワープでバラバラに飛ばされてしまう。ワープした先は、何が起こるかわからないヘンテコ世界で……。だいすけお兄さん、よしお兄さん、小池徹平さんもゲストで登場。9月10日よりシネ・リーブル池袋、イオンシネマほかにて全国公開。
撮影/岸本 絢 取材・文/折田千鶴子
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