取材で見てきた「貯め上手」な家庭の共通点は?
リモートワークが続き、仕事で外出することが減りました。そのため、着る服がどんどんカジュアル化し、クローゼットの中身も変わってきたところです。
「よそ行き」の服はしばらく着る機会がないかも…と考え、その視点で整理・処分を始めています。そこで退場と決めた服やバッグ・靴をどう処分するのがいいか、ずっと頭を悩ませていました。
「貯め上手」な家庭を取材してきた経験から言うと、モノが少なくてスッキリ片付いている家が多いもの。モノはお金が姿を変えた対象だから、たくさんモノがある家はそれだけ消費をしている証拠だからです。
さらにモノが多すぎると適正に管理できず、ストックがあっても気づかずに同じものを買ってしまうというムダ買いが起きてしまいます。
洋服も同じで、ぎゅうぎゅうのクローゼットに押し込んだまま、買ったことを忘れて似たタイプの服をまた買ってしまった――そんな覚えがある人は多いのでは。
「しなくてもよかった消費」を防ぐためにも、クローゼットはなるべくスッキリさせておきたいもの。特に、生活スタイルが変わって、もう着ないなと感じる服が多いなら、思い切って手放すことを考えたいですね。
リサイクルショップでは、わずか1着1円のことも
不用な服の処分法としては、①フリマアプリで売る ②リサイクルショップに持ち込む ③受け付けている団体などに寄付する、などがあります。
自分の場合、①は相手とのやり取りにかける時間が作れないため、②のショップにまとめて持ち込むことにしました。しかし、そこで厳しい現実が。
過去の取材を通じてリサイクルショップの知識はあったのですが、とにかく洋服は消費サイクルが早く、ハイブランドの服でない限り、1~2年前のものでないとほとんど値が付きません。
タグが付いたままの服を持って行っても1着100円~150円程度。もっと古いものでは、なんと1円まで。引き取ってもらえるだけありがたいレベルで、「埋蔵金ゲット!」というわけには行きませんでした。ちゃんとお金に変えたいなら、フリマアプリでコツコツ売る方がおすすめめでしょう。
そんな苦い経験を経て、今度は古着として寄付することを考えました。支援活動をしているNPO法人等に送ると、古着が買い取り業者に渡り、その代金が活動資金になるという仕組みです。
それでも、「少しでも小遣いになるといいな」と考えていた時より、「なるべく状態がいいものをたくさん送ろう」という気持ちになるのが不思議。買ったまま一度も着ていない服でも、なぜか惜しくないのです。誰かの役に立つならと、すんなり手放せるのが意外でした。
ただし、服を送る送料は寄付するこちらの負担となるのが原則のため、送料を抑える方法も考えたいもの。
宅配便(ヤマト運輸)とゆうパック(日本郵便)で比較しましたが、宅配便は箱のサイズと重量で料金が決まるのに対し、ゆうパックは25kgまでなら重量は関係なく箱のサイズだけ。
また、以前に書いた通り、ゆうパックの送料は切手で支払うことも可能。洋服やバッグをたくさん詰めて重量が気になったため、今回はゆうパックを選びました(宅配便は直営店・ゆうパックは郵便局に持ち込む、アプリを使うなどで割引になる制度がありますが、今回は集荷依頼のため利用せず)。
古着の寄付をしたのは初めてですが、お店に売って100円もらった時より、送料を払って送り出した時のほうが、清々しい気持ちになれました。
お金は有限だからこそ自分が心地いいと感じる使い方をしたいもの。これからも定期的に寄付をしたいと思います。
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。
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