昨年、大手メーカーからコオロギ入りのお菓子が発売され、大きな話題に。そしてここ最近は、あちらこちらでコオロギ入りの商品のニュースを目にするようになりました。
昆虫食の虫の中でも、育てやすく環境負荷が少ないコオロギは、今、世界的に注目されている食材の一つです。
しかし、まだまだ私たちの日常には馴染みが薄い昆虫食。「一体コオロギってどんなもの?」「味は美味しいの?」「何故コオロギを…?」と感じている方も多いのではないでしょうか?
コオロギがパンキットになって登場しました!
興味はあるけれど、きっかけがなくて…そんな昆虫食ビギナーのために、私たちの食生活にお馴染みの「パスコ」から登場したのが「コオロギの食育パンキット」。
もともと「パスコ」は、高崎経済大学発のベンチャー企業「FUTURENAUT(フューチャーノート)」と協業で立ち上げた「Korogi Cafe(コオロギカフェ)」にて、「コオロギのバウムクーヘン」など、人気の昆虫食の商品を展開していました。
さらにこの夏、「もっと幅広い世代の方に未来の食の可能性について知って欲しい」という想いから、子供から大人まで楽しめる「コオロギの食育パンキット」が発売に!
コオロギを粉末状にしたコオロギパウダー入りのパンを、一から自分で作ることができるこのキット。今の時期、自由研究の題材にもぴったり! と、早速我が家もでも試してみることにしました。
コオロギの食育パンキットとは?
オーブンさえあれば、誰でも簡単に取り組めるキット。早速注文し、届いた内容がこちらです。
そしてこれが噂の食用コオロギパウダー…!
早速パウダーを手のひらに。見た目はココアの粉末の様。香ばしく、焼いたクッキーの様な匂いがします。エビやカニにも似たコクのある香りも感じられ、嫌なニオイや生臭さは感じられません。
生のままでも食べられるとのことで、試してみると、クッキーの様な、甲殻類の様な香ばしい味わい。
0.1gのパウダーで一匹分のコオロギに相当する量なのだそうですが、見た目も手触りも「昆虫」という感じはしません。(ちなみに子供はパウダーが気に入り、おかわりをしていました。)
そして、使い方も簡単。大まかな手順としては材料にこのコオロギパウダーを混ぜ、通常のパン作りと同じく、仕込み、発酵、成形を経て焼くだけ。特別な材料も必要ありません。
2日間で完成!親子で楽しめるコオロギパン作り
早速おやすみの日を利用して、パン作りに挑戦しました!
1日目 仕込み・発酵
材料を混ぜる段階でコオロギパウダーを混ぜ、捏ねてタネを作ります。今回は、コオロギパウダー10g。なんとコオロギ100匹分にも相当する量がこの中に…。
この時点で生地はうっすら茶色になりますが、ニオイなどに大きな変化はありません。その後、発酵のため一晩寝かせます。
2日目 成形
発酵したタネを成形していきます。
子供なら、絶対大好きな成形作業。仲良し作業の合間に、何でコオロギを食べるのか?を話しながら進めました。
焼成
出来上がり! すごく香りがいいです! かかった時間は我が家の場合寝かす時間を除けば1時間半程度。家のパンストックも充実する上、自由研究も進むなんて、とてもありがたい…。
早速食べてみました!
焼き上がりはかなり香ばしい感じ。
生地に、コオロギパウダー10gを混ぜた場合、リーフレットに沿えば、パン一つで約12匹分のコオロギが含まれることになります。実際に食べてみると、生臭さや、苦さなどはなく、どちらかと言えば後味にエビやナッツを焼いた香ばしい感触が残る程度。子供たちも焼き立てにバターを乗せて喜んで食べていました。
パウダーのメリットは、コオロギのもつ、高いタンパク質と、食物繊維などの豊富な栄養素が簡単に摂取できること。そして、特有の香ばしさと旨味で、料理に風味を加えてくれること。特にパンの様な「焼く料理」との相性は抜群だそうです。
ちなみにコオロギパウダーは入れる量によっても味や見た目が変わるので、好みの味に調整することも可能。2回分入っているので、量を変えて味の変化を楽しむこともできますよ!
その他にもフューチャーノートのコオロギレシピグランプリサイトには、パウダーを使ったレシピが多数掲載されています。個人的には、味噌汁や焼きそばなどの塩気の多いものも入れても美味しかった!
是非親子でいろいろなレシピに挑戦して楽しんでくださいね。
昆虫食とは何なのか?今、何故昆虫なのか?
今、何故昆虫食が世界から注目されるのか。その答えは、増え続ける世界の人口問題にありました。
2050年には97億人にも上ると予想される人口増。世界中で食糧不足が起こるのではないかと心配されています。
食糧生産には多くの土地と水が必要。限りある地球の大地で生産できる量には限界があります。その中でも、特にタンパク源である肉や魚の飼育には大量の餌や水が必要。既存のやり方では解決策が見出せないのが現状です。
こうした問題を解決するための食材のひとつとして、今、昆虫食は注目されているのです。
中でもコオロギは、成長が早く、少量の餌や水で生産できる上、雑食性。食品工場から出る食品ロスさえも餌にし、フンを肥料として畑で使うこともできるため、循環型で環境に優しい未来の食品になりうるのでは? と期待されています。
海外ではすでにコオロギパンがあった!
開発を担当された敷島製パン株式会社 開発本部 新規チャネル開発推進グループマネージャー 栗田木綿子さんにこのキットの開発について伺いました。
「コオロギカフェの開発のきっかけは、数年前フィンランドでコオロギパンが発売されたというニュースを知ったことからです。環境負荷をはじめ、食のサスティナビリティを日常的に考えている国があることに感銘を受けました。実際にフィンランドの企業も訪れ、フューチャーノートの協力を得ながら『コオロギカフェ』シリーズを誕生させました。
発売当初は、もっとネガティブな意見も出るのではないかと心配していました。しかし結果は想像以上に大好評。『コオロギカフェ』シリーズは初回、2回目ともあっという間に売り切れてしまったのです。
ただ、購入いただいたおよそ半数の方は、もともと昆虫食を食べたことがある、興味のある方。
今後はもっと色々な世代の方に広く知っていただきたいと思い、『コオロギの食育パンキット』を開発しました。家族の食卓で食の未来について考えるきっかけになればと考えています」(栗田さん)
目指すべきサスティナブルな社会とは
始まったばかりの夏休み。パン作りをしながら、公式サイトからダウンロードしたワークシートにも取り組みました。
ただ作るだけでなく問題に気付き、発見できるのもこのキットの魅力。低学年向けと高学年向けがあり、様々な角度からコオロギパンや食料問題について考えることができます。
親である私たち自身も、まだまだ学び途中のSDGs。「食」の様に、まずは身近なところから家族で学び、取り組んでいくことが大切なのだと気づきました。
8月31日(火)までの期間は、公式ホームページ上でワークシートを使った自由研究のコンテストも開催! この夏、是非お子様と一緒にチャレンジしてみてくださいね。
●コオロギの食育パンキット
https://www.pascoshop.com/Page/LP/korogi/shokuiku.html
●コオロギパン自由研究コンテスト
https://www.pascoshop.com/Page/LP/korogi/contest.html
●敷島製パン株式会社
「パンで社会に貢献する」という理念のもと事業を展開。長い伝統に培われた技術力と、新しい価値づくりへのチャレンジ精神で数々のロングセラー商品を生み、「超熟」シリーズをはじめとする食事用パンや菓子類を製造・販売。国産小麦粉を使用したパンづくりで、日本の食糧自給率向上へ貢献する取り組みも続けている。
また、未来の食糧不足に備え、持続的な食糧の安定供給を目指しSDGsの貢献に向けた取り組みも推進。2020年より地球に優しい昆虫食に着目し、フューチャーノートと協業し、「コオロギカフェ」シリーズを立ち上げる。
https://www.pasconet.co.jp
●FUTURENAUT
高崎経済大学発のベンチャー企業。最新の研究およびエビデンスに基づいたフードサービスを提供し、食料問題や環境問題の解決に貢献する新しい食文化の想像を目指す。
昆虫食の開発・販売・輸入や食育コンテンツの開発・販売を手掛け、モダンに・おしゃれに・そして美味しく昆虫食品に親しめる提案をしている。
https://futurenaut.co.jp
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高木綾子 Ayako Takagi
ライター/LEEキャラクター
1981年生まれ。百貨店バイヤー、ヴィンテージショップなどファッション業界を10年経験。その後、LEEキャラクターになったことをきっかけに同世代の女性に役立つ情報を伝える仕事に興味を持ち、ライターの道へ。夫の仕事の関係で2020年より東京から香川へ移住し、ファッションや子育てのほか、四国地方についても執筆。2児の女の子ママ。