いきなりの“断食”はハードルが高く感じることも。「これでもOK」な抜け道が多いのも「16時間断食」のいいところ。これならできそうだと思えるはず!
教えてくれたのは
医学博士 青木 厚さん
あおき内科 さいたま糖尿病クリニック院長。40歳のとき舌がんを患ったことから食事療法を実践。その食事法は著書『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム)に。
Q.週末だけやってみるのもありですか?
「体重減少など見た目にわかる変化を実感するには、毎日継続することが必要ですが、断食を週1日でも行えば胃腸の休息にはなり、オートファジーも活発化します。週末だけの16時間断食でも体質・不調改善の効果は期待できますよ」(青木 厚さん)。
週末だけでも、逆に平日だけでも、まずは自分ができる形で始めてみて。だんだんと空腹に慣れてくれば、また何かしらの効果が実感できれば、ほかの日にも空腹時間を作りたくなってくるはず。
Q.14時間くらいになってもいいですか?
「オートファジーを活発に働かせるには、16時間以上の断食が望ましいですが、12時間くらいたつと体内の脂肪が分解されるケトン体代謝が主になってきます(【「16時間断食」が起こす3つの奇跡】ダイエット、“オートファジー”…やり方を伝授参照)。
ケトン体代謝に切り替わっているということは、体が飢餓状態にあってオートファジーも活発に働き始めているということ。空腹に慣れれば少しずつ断食時間を延ばしていけるので、最初は12時間でも14時間でも、自分が頑張れそうな時間から始めてみて」(青木 厚さん)
Q.どうしても空腹を我慢できなかったらどうすればいいですか?
断食を実行するのに大きな壁となるのが空腹に耐えること。ところが「16時間断食」の場合は食べてもいいものが! 「素焼きで味つけのないナッツやチーズ、無糖ヨーグルト、生野菜など血糖値を上げないもので、200kcalまでであれば断食時間中に食べても構いません。特にナッツは不飽和脂肪酸やビタミン、ミネラルも豊富なのでおすすめですよ」(青木 厚さん)。続けるうちに“空腹力”が鍛えられて、空腹の状態が心地よく感じられるようにも。
Q.8時間の間ならケーキを食べてもいいですか?
従来はダイエットの天敵とされているケーキなどの甘いものも、食べてもいい8時間の間ならOK! それが16時間断食の画期的なところ。「お酒も構いません。私も試しに甘いものを食べたり、糖質たっぷりの食事をしたりして人体実験をしたことが(笑)。食べてから16時間たって体内のケトン体量を計測すると、ちゃんとケトン体代謝に変わっていましたよ。ケトン体は市販の測定器で測れるので、興味のある方はどうぞ」(青木 厚さん)
空腹が続いてケトン体代謝になると、体は脂肪だけでなく筋肉もエネルギーに変えようとします。筋肉が減ってしまうと基礎代謝量の減少も気になるところ。「そこで“16時間断食”を行うときは、軽い筋トレもセットで習慣にすることを推奨しています。特別なものではなく、腹筋やスクワット、階段の上り下りなど生活の中でできるものを取り入れて」(青木 厚さん)
【特集】ウワサの「16時間断食」でやせる! 体が整う! 若返る!?
詳しい内容は2021年LEE8月号(7/7発売)に掲載中です。
イラストレーション/平尾直子 取材・原文/古川はる香
※妊娠中の方、持病のある方、健康に不安のある方は、かかりつけ医にご相談ください。
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