『「みずがめ座時代」の太陽的生き方 過去の扉を閉めて、“私”をバージョンアップする方法』出版記念座談会/Sayaの【読む星占い/星がたり】
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Saya
2021.07.07
今回は「星がたり」番外編
更新日の今日はちょうど七夕ですが、みなさまにはいかがお過ごしですか。
さて、今日の「星がたり」はまたまた番外編。6月に発売した最新刊、『「みずがめ座時代」の太陽的生き方 過去の扉を閉めて、“私”をバージョンアップする方法』の発売を記念して、 版元の大和出版の編集者、OYさんとLEE web編集長のHT子さんと私とで座談会を開催したので、その模様をお伝えします。
なぜなら、この本は、『LEE web』から昨年生まれた『星を味方につける生き方、暮らし方〜不安な時代に翻弄されずに私を生きる〜』を読んだ編集者のOYさんが「太陽を生きて、もっと自由になりましょう!」という巻末のメッセージに共感してくれたことで生まれたから。
私も『LEE』の本を一冊やってみて、「そうだよね、結婚しても、役割だけでなく、太陽という私を生きたいって気持ち、私だけじゃなくて、みんなあるよね」と再確認。「次は太陽を生きる本が書きたいなあ」と思っていたところだったので、本のコンセプトは初めから明快。トントン拍子で出版に漕ぎつけたわけです。
LEEweb編集長のHT子さんは既婚で子どもふたり、大和出版のOYさんはシングル、私は既婚で子なしと全員、属性は違いますが、今よりも男尊女卑が根強く残る時代に好きな仕事や自分らしい生き方を模索してきたのは同じ。この歳になってみて、「太陽を生きてきてよかった」と思っているのも同じです。
HT子さんとOYさんは同い年。私は一学年下ですが、全員アラフィフ。LEE世代よりはだいぶ上ですが、いろいろ経験してきたお姉さん世代として、「太陽を生きる」ことについて、改めて語り合ったら、妹世代のみなさんにも参考になるのではとオンラインではありますが、ふたりを引き合わせたのでした。本と雑誌の編集者、違うジャンルであっても手を取り合うのも「みずがめ座の時代」的でもあります。
自己啓発ジャンルの編集者でも、
「太陽を生きる」メッセージは新鮮だった
HT子:今日は「星がたり」にご登場、ありがとうございます!
OY:こちらこそ、お招き、ありがとうございます。
Saya:早速ですが、OYさんが集英社さんの本の中の「太陽を生きる」というフレーズに惹かれたのはどうしてだったんですか。
OY:弊社の自己啓発の本でも「月の浄化」や「女性性のアップ」、「引き寄せ」を言う本は多かったんです。私も実際作ってきました。月はクールダウンするには確かに必要ですが、今まで「太陽」の本はなかったので、とても新鮮で、グッと来ました。また引き寄せを願うだけで動けない女性も多いので、「太陽」というパワーワードで、みんなが動けるようになったらいいなと思ったんです。
もちろん弊社でも、長年、女性の精神的自立の大切さは訴えてきたんですが、太陽だとわかりやすくなるのもよかった点です。HT子さんは、今回の弊社の本はいかがでしたか。
HT子:太陽を生きるってどういうことなのか、すんなり入ってきて、とてもよかったです。
「太陽を生きる」には属性は関係ない
Saya:今回、シングルの方を想定して書いたところもあるんですけど、結婚している方には関係ないってならないかというのが心配で。HT子さんは、どんな印象を持ちましたか。
HT子:え? 私が結婚している代表!? 馬車馬のように働いてきたので、私でいいかわかりませんが、結婚していようがいまいが、この本は関係ないと思います。それに『LEE』も最近は、シングルの読者が多いんです。私、2008年からLEEにいるんですけど、当時は専業主婦がメイン。パートをする人はいても、フルタイムの人は読んでいなかった。でも、今や働いている人が当たり前ですし。
Saya:「愛する人にめぐりあう」という章があるのでね。これ、最初は読者を限定しすぎないかなと思ったんですけど、でも、人間ひとりでは生きていけないから。結婚という形に自分を無理に当てはめる必要はひとつもないけど、これから親も歳を取っていく。大人がパートナーを探すことを恥ずかしがらないでほしいし、歳を取ったからって諦める必要もないよって伝えたかったんですよね。
年齢では諦めない。できる方法を探そう!
Saya:実は、「年齢のせいで諦めない」って、パートナーシップに限らないんです。私はいつもそう。たとえば、着物を着たいと思ったとき、お金がかかるから諦めようという人もいると思うけど、私はそこで、なんとか安く手に入る方法を考えるんです。するといろいろシンクロニシティが起こって、よいものに安くめぐりあえたりします。
HT子:そうそう、本の中でも、「私なんて歳だからできないし」ってみんなが言いそうなところをSayaさんが思いっきり返そうとしていて。好きなことしていたら可能性あるからって。
Saya:四の五の言わずに動きなさい、みたいな。
HT子:今ってみんな失敗したらどうしようばかり考えていて、失敗しないようにしようとしない。でも、Sayaさんはできない理由を探さない。
Saya:はい、本当にそうなんです。やりたいことは諦めない。興味ないことはさっさと手放すんですけど。
「太陽を生きる」は、「私、私」じゃない
Saya:私たち三人は、男性社会の中でも好きな仕事をできてきたけれど、そうではない人の気持ちを傷つけないようにOYさんがすごく心配してくれたのが印象的でしたね。
OY:比べないつもりでも比べたり、マウンティングしないつもりでもマウントしたりしちゃうことってあると思うんですよ。「うらやましい、できない、関係ない」って思われないようにしてくださいって、それはすごくお願いしました。
私が印象的だったのは、太陽を生きるって「私、私」じゃないんだよ、とSayaさんが書いてくださったこと。「自分を主役にして生きる」って言うと、ほかの人はどうでもいいって言いがちなんだけど、相手のことを思いなさいっていうのがしっくり来ました。
どんな人が相手を思いながら、太陽を生きているのかなと思うと身近にひとりいて。小学生低学年のときにお父さんが倒れてしまって。救急車が駆けつけたとき、本当は自分が乗りたいのに、おばあちゃんにとってのお父さんは息子なんだからと譲ってあげたんですって。その子はいつもそうなので、彼女の周りにはいつも人が集まってきて、いつも幸せなんですよね。
Saya:でも、彼女は自分自身も生きているんですね。
OY:そう、自分でちゃんと自分の人生を決められるんですけど、周囲への愛もあるんですよね。
Saya:歳を取るほどに「私だけ」の人は運が悪くなっていきますよね。40代中盤が分岐点かな。それはもう見事なほどです。
30代は中盤まで、
あちら側でもこちら側でもつらい!?
OY:HT子さんは、ご自身は「太陽を生きてこられた」と思われますか。私は人のことを忘れちゃうくせがあって、気をつけなきゃと思いますけど。
HT子:弊社の『星を味方につける生き方、暮らし方』に2025年までの5年分の占いがあって、過去のことも書いてあるんです。私、しし座なんですけど、「2008年まで男性化して働いていた」と。
30代は子どもも小さかったから、どの写真を見ても疲れた顔をしていて、本当に暗黒期だった。それが2007年、「これじゃいけない、子育てはしてはいても、自分をなくして男性化して働いているだけだな」と気づいて。仕事の仕方を変えたいと思って、2008年に『LEE』に来たんです。女性として生きることが仕事に直結する場を与えていただけたので、太陽を生きられるようになってきたのはその頃ですね。
Saya:それまでは役割として女性をやっていたんですね。
私たちの30代前半って、角田光代さんの『対岸の彼女』や酒井順子さんの『負け犬の遠吠え』がベストセラーになっていて。30代の結婚しない女性がようやく増えてきたという時代背景もあり、結婚するかしないかが人生の一大事だった時代です。でも、私は結婚だけで女性たちが違う岸辺にいるかのように、男性社会によって勝手に分けられているのは当時から不満で。子どもを産む性と働く性に女性が区別されているところがあったけど、そんな男性目線の視点に乗っかって、女性どうしでマウント合戦しても、女性が損するだけだと思っていました。今もまだ、なくなってはいないですよね。
私も過ぎてから気づいたんですけど、30代ってハッピーも大きいけど、半ば過ぎまではどっちもつらいんですよ。まだ若くて可能性がいろいろあるからでもあるけど、シングルなら自由で楽しくても、どこか孤独で。結婚していたら、女の子扱いはされなくなり、役割が押し寄せてくる。
HT子:我が子がいて、一番ハッピーなはずの時期なのに、社会を呪って過ごすようなところがあるんですよね。すべて叶えていると思われていたかもしれないけど、本当は自分の中はからっぽで、何も手にしていなかった。
Saya:苗字も含め、20代は普通にあったはずの「私」を奪われる感覚があったりしてね。結婚していない人は自分だけ前に進めていない、取り残された感覚もあるし。私は入籍したのが44だから、30代シングルの孤独もよくわかるし、『LEE』の取材もたくさんしたから、既婚者の気持ちもわかるんです。
「太陽を生きる」は本質であり、
これからの時代にこそふさわしい
HT子:でもね、『「みずがめ座時代」の太陽的生き方』は、みんなが自分ごととして読める本だなあと思ったんですよ。この十数年、37、38までの私の「恨みつらみ」を下の世代である読者には味合わせないようにと思って『LEE』を作ってきたんですけど、いろいろやってきたことって「太陽を生きるための提案だったんだ!」って。去年、Sayaさんの本を作って本当に思ったから。50にしてやっと本質が見えてきたなあって。
Saya:私も、私は太陽を生きたほうがいいと思うけど、『LEE』の読者は私よりもっとおしとやかで、可愛くて、素直なのかもしれないとも思っていたから、「太陽を生きる」ことを押し付けたら悪いなというのもあって。でも、集英社の本を作って、登場いただいた浜島直子さんも後藤由紀子さんも理衣さんも、太陽を生きたい人たちだったから、読者のみんなもきっとそうなんだなって思えたんです。
振り返れば、『LEE』は時代に合わせて、いろいろ変わってはいるけど、いつも女性が“私”を生きることを考えてきた雑誌だったし、それはほかに連載している『ELLE』や『ヨガジャーナル』もそうだなと。みずがめ座に土星が入って、ユニセックスな誌面づくりが言われることも増えたけど、日本社会の現実はまだそこまで男女平等になっていない。女性が女性のために雑誌や本を作る大切さは、新しい時代でも忘れたくないですね。これからも、外には出ないみんなの気持ちを拾っていきたいです。
HT子:Sayaさんは、星占いを書き始める以前から、『LEE』のライターもやってくださって。読者のみんながモヤモヤを抱えながらも折り合いをつけて、日々がんばっていることをきちんと理解して、星占いも書いてくださるから、本当にありがたいです。
何歳からでも太陽は生きられる
今できないからと自分を責めないで
Saya:最後に、『LEE』の読者のみなさんに伝えたいのは、「太陽を今、生きられない私はダメなんだわ」と思わないでほしいんです。
こういう本を書いたのは、今、苦しいのは、もしかしたら、「役割だけになって、太陽という私を生きていない」せいかもしれないと気づいてほしいだけ。今は、周囲を見渡して、ほかにやる人がいない。役割を引き受けるしかないなら、そこに集中していいと思う。でも、「太陽を生きる」ことは、「お金を稼ぐ」とか「成功する」とかじゃないから、何歳からでもできる。自分の内側とつながって、そこで自己決定の感覚を持って生きることなんですね。だから、それまで、自分とつながり続けてほしい、諦めないでほしいって思っています。
HT子:OYさん、編集者として、『LEE』読者へのメッセージはありますか。
OY:『「みずがめ座時代」の太陽的生き方』は、Sayaさんが私たちの背中を押してくれているのが魅力となっている本です。まず一歩、扉を開けようと言ってくれている。Sayaさんと重なってしまいますが、「いくつになってもできるし、変わりたいと思った瞬間から変わっていける」ことがみなさんに伝わったらいいなと思っています。
一同:今日はありがとうございました!
(次回は、8月7日に更新)
cookies/and Bake text/Saya
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Saya Saya
アストロロジー・ライター
1971年生まれ。おとめ座。現在は、京都で夫とふたり暮らし。雑誌連載のほか、オンライン講座や、ホロスコープ・リーディングのセッションを行う。著書に「星を味方につける生き方、暮らし方」(集英社)など多数。
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