意中の男性との恋愛成就に役立つものとして、世の女性たちの間に一般常識のごとく浸透した“モテテク”。巷に溢れる恋愛指南本では、男性を落とし、トリコにできるという、ありとあらゆるテクニックが紹介され、たくさんの愛され女子や小悪魔が生み出されました。
「産後の暮らしの些細な変化」シリーズ、今回は、そんな独身の恋愛戦国時代を経て、結婚、出産という新たなステージに踏み出し、ママとなった女性たちを直撃。心境の変化や、モテテクが役立ったと感じるシチュエーションについて伺いました。
ふと気付くと「モテテク? 何だっけそれ」状態に
独身時代は、「もはや意識せずともナチュラルにできるようになり、習慣レベルに昇華していた」という人も多かったモテテク。しかし産後、授乳や夜泣きの面倒など、日々必死に未経験の事柄に対応するうち、モテという意識がどんどん遠のいていった……という人が多数存在しました。
まずは、産後「何それ?」状態となったモテテクの一例からご紹介します。
<産前は頑張ってトライしたけど、産後どうでもよくなったモテテク例>
・「クロスの法則」…左耳のピアスを右手でいじる、といった具合に、体をクロスさせると身のこなしが美しく見える、というモテテク。
「クロスで確かに雰囲気美人になれたが、産後はそのような余裕はない。両手で子供を抱っこしつつ、足でお尻拭きをとる、といった感じで、クロスどころではないです」
・「上目遣い」…男性をうるんだ瞳で下から見つめることで、かわいい女性、かよわい女性という印象になる、というモテテク。
「ここだけの話、独身時代の必殺技は上目遣いでしたが、現在は小さな赤子に上目遣いされる側の人間に。泣きながら見上げられては、母性本能をくすぐられています」
<産後、役立っているモテテク1位「聞き役、太鼓持ち」アゲ能力>
お次は本題。日々の育児シチュエーションにおいて、ふと「活かされているかも?(笑)」と思い出すモテテクについて。もっとも多くあがったのは、男性とトークする際は聞き役に徹し、とにかく相手をほめてほめてほめまくる!! といった、王道の話のレシーバーテク。
・「食の細い3歳娘の太鼓持ちに徹する日々を送ってきました。離乳食時代は、ごはんを一口でも食べれば『すご~い!』、2歳でうどんをフォークでさせば『おねえちゃんみたいね! すごいね』。『うわ~、こんなにたくさん食べられるなんて、ママびっくりしてるよ!』といった具合にとにかく大げさにベタぼめ。娘の食べようという気持ちを少しでも盛り上げるようにしています。こんなアゲトーク、以前どこかで……と思ったら、独身時代に彼氏の自慢話を聞く時に似たことやっていました……」
・「とにかく聞き役に。子供の発する言葉を聞き逃さない。1歳の娘が何か発すれば、その先を察する。母親として当然のこととは思うのですが、そういえば恋愛時代にも夫に対してやっていたなぁとふとなつかしく思い出したり(笑)。最近は育児でさらにその能力が磨かれていると感じます」
<産後、役立っているモテテク2位「とりわけ上手、手料理がおいしい」料理能力>
2番目に多くあがっていたのは、これまた鉄板のモテテク。「とりわけが上手」「料理が上手」など、お料理系アピールです。
・「独身時代は『あまりに王道すぎて、わざとらしくて逆に敬遠されるかも?』と少々心配でもあった料理のとりわけ。それでも合コンなどの場では自分で食べる暇もないくらい、とりわけに徹し、それなりにウケもよかった。
産後、離乳食、幼児食が始まると、とりわけや食事の面倒に追われ、親が食べる余裕などない、という日々。とりわけ=面倒という気持ちを独身時代に払拭できていてよかったかも(笑)」
・「気になる男性が、家庭的な女性が好みと言っていたので、料理好きをアピール。その相手とは付き合うことはなかったけど、単なるアピールに終わらせず、追求。産後の今、育児の現場で料理の腕が確実に役立っている。特に3回食プラス大人の食事を用意しなくてはならない離乳食後期や、幼稚園でお弁当が始まってからの時期には、料理好きじゃなかったら地獄だったろうな……と思いましたね」
かつて習得したモテテク。産後、モテを求める気持ちが失せてしまったとしても、無駄ではなかったと思う瞬間、結構多そうですね。
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高見澤恵美 Emi Takamizawa
LEEwebエディター・ライター
1978年、埼玉県生まれ。女性誌を中心に女性の性質や人間関係の悩みに迫り、有名無名千人超を取材。関心あるキーワードは「育児」「健康」「DIY」「観劇」など。家族は夫と4歳の息子。