宝塚歌劇団の花組トップスターとして絶大な人気を誇った明日海さん。退団後の1年半は、ドラマや舞台に出演。多彩な表現で観る人を魅了し、男役から女優へドラマティックな転身を果たした。朝の連続テレビ小説『おちょやん』の高峰ルリ子役では、心を揺さぶる演技や美しい所作で一気にお茶の間の“気になる存在”に。

明日海りおさん「暮らしのコツを学んで、生活力がアップしそうな予感！」

「オンエア以降、仕事でお会いするスタッフの方や、お話ししたことのなかった宝塚の先輩に『見てるよ』と声をかけていただくようになって。私自身も朝8時の放送で楽しむのが日課になりました」

そんな彼女の次なる“初挑戦”はHuluのオリジナル作品でドキュメント・バラエティ。暮らしにフォーカスした番組『明日海りおのアトリエ』だ。

「テーマは食やインテリアなど、家で楽しめるもの。時には専門家の先生に日常で役立つテクニックをレクチャーしていただき、おにぎりを握ったり、おいしいコーヒーのいれ方を学んだりと毎回さまざまなことにチャレンジしています。うまくいくときもあれば失敗するときもありますが、『おちょやん』に出てたルリ子さんってこんな人なんだ！と、お芝居をしていないときの私も知ってもらえたら」

ふんわりとした笑顔に、丁寧で穏やかな語り口。舞台や撮影で見せる凛々しい表情とのギャップもまた彼女の魅力だ。番組ではインテリアやお花を自らセレクトし、その美的センスも遺憾なく発揮。

「モダンな部屋に憧れるけれど、どこか都会的になりきれなくて。ハワイのマリンテイストを取り入れつつも、ほっこりした優しい色合いを中心に選びました。役者の仕事では気を張ってトゲトゲしがちなので、落ち着けるソフトな色を周りに置きたくなるんです。花も生活に欠かせないもの。自宅では一昨日宝塚の下級生からもらったピンクの花に癒されてます」

もともと「生活への関心は高くて」と語る明日海さん。根底にあるのは仕事へのストイックな姿勢。

「役者は体が一番の仕事道具。舞台の上で最高のコンディションでいられるよう、心が喜ぶことをしよう！と、おいしいごはんを食べたりと日々気を使ってきました。自炊の定番は好物の麺類。洗い物も少なくてラクだし、食べやすいので。中華麺、うどん、ラーメン、パスタ、冷麺、蕎麦……どの麺も好きです。レシピは見ないで自分の感覚で作ることが多いですが、味つけのマンネリ化が悩み。雑誌のレシピにヒントをもらいたい！」

生活力に点数をつけるなら？

「宝塚時代は忙しくて大雑把でしたが、去年ステイホームが多かった時期は100点に近かったはず。毎日料理も掃除もしていたし、スポンジやお風呂場用洗剤をあれこれ試したりして、家事レベルが急上昇！　今はまた忙しくなって、20点くらいですかね（笑）。だからこそ番組で暮らしのコツを教えてもらえるのがうれしい。生活力がアップしそうな予感があります」

欲しい家電、家具を聞くと、「ドラえもん」との名（迷）回答が！

「ロボット掃除機が家電なら、ドラえもんも同じ分類かな、と（笑）。家具ならベッド。マットレスは一晩寝ないと寝心地がわからないから簡単には買えなくて。枕は5個あって、滞在先にも持参してベッドに合う枕を選んで寝ます。肩が凝ると呼吸が浅くなって歌いづらくなるので。ベストな状態でいるため睡眠にはこだわりたいですね」

あすみ・りお●1985年6月26日、静岡県生まれ。2003年、宝塚歌劇団入団。’14年、花組トップスター就任。’19年11月に退団。退団後の主な出演作に、連続テレビ小説『おちょやん』、ドラマ『青のSP』、『コントが始まる』、ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』、『エリザベートTAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』など。

Hulu オリジナル『明日海りおのアトリエ』

©HJ ホールディングス

宝塚のトップ・オブ・トップと呼ばれた伝説の人、明日海さん。退団後、女優として活躍する彼女の＂初の冠番組＂がオンライン動画配信サービスHuluで開始！　インテリアや食など、日常を心地よく過ごすためのヒントを明日海さん自らが学び、実践。思わずマネしたくなる素敵テクが登場する。2021年5月22日（土）〜。毎週土曜に新エピソード配信（全8回）。

撮影／イマキイレカオリ　ヘア＆メイク／山下景子（コール）　スタイリスト／大沼こずえ（eleven.）　取材・文／櫻木えみ