新しい生活様式にともなって、デジタル機器に触れる時間が長くなり、気がつけば目の疲れが取れなくなっている……という人も多いのでは？

それは「眼精疲労」という立派な病気！

症状は目だけでなく、全身や心にも及ぶことも。放置せず、ケアや緩和に努めて。

この記事は2021年3月7日発売LEE4月号の再掲載です。

目の奥が痛い、頭痛がする…
在宅時間の増加で忍び寄る「大人の眼精疲労」

LEEメンバー434人にアンケート
PC、スマホ、タブレット…どのぐらい使ってる？

忍び寄る大人の眼精疲労のキケンな症状！

Ｑ この一年でPCやスマホ時間は増えましたか？

増えた・・・８割
変わらないor減った・・・２割

「スマホを手にする回数が増え、一度開くと30分とかあっという間」「PC、スマホ各2時間ずつ増えた」など、スマホやPCを見る時間が増えた人が8割も。
平均値は2時間増ですが、中には「6時間以上」という人も！

Ｑ 寝る前の１時間以内にスマホを使いますか？

使う・・・８割
使わない・・・２割

8割の人が使っている様子。内訳は「その日のニュースやSNSをチェック」「ネットショッピング」「海外ドラマや映画などの娯楽」とさまざま。
「ベッドにスマホを持ち込んで、寝落ちするまで使う」という人もチラホラ。

読者の疲れ目エピソード

●自粛期間中にパソコンやタブレットを使って絵を描く趣味が増えました。集中すると何時間も画面を凝視。画面から目を離すと視界がぼやけたり……肩こりと背中の痛みもあります。（にんにんさん）

●ドライアイになり、市販の目薬が手放せなくなりました。眼科で出された点眼薬を使うことも。熟睡できなくて夜中に何度も目覚めるし、よく肩が痛くなり、今では痛いのが当たり前になってしまっている。（さやかさん）

●趣味のダンスができなくなって運動する機会がなく、ずっと家でスマホかテレビ。姿勢も悪くなり視力もダウン。頭痛・肩こりが慢性化。（ピッピさん）

●視力が1.0→0.3まで激落ち。（まるこさん）

目の疲れ、放っておくとどうなる？
たかが疲れ目と侮るべからず！目の不調が全身＆心の不調へ

目の疲れについて教えてくれたのは…
医学博士 森岡清史先生

吉祥寺森岡眼科（東京・武蔵野市）院長。10年前から国内でも数少ない「眼精疲労外来」を開設し、眼精疲労の専門医として治療にあたる。企業と共同で目を労わるアイテムの開発を行うなど、幅広く活動。

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目が乾く、なんだかピントが合いづらい……こうした目の疲労は誰もが経験しているだけに「ただの疲れ目」とスルーしてしまいがち。

「これらはきちんと寝て1～2日で解消する程度のものなら『疲れ目』という症状ですが、疲労が蓄積して取れなくなっているようなら、それはもう『眼精疲労』という目の病気です。
眼精疲労になると目だけでなく、肩こりや頭痛や吐き気、ストレスや自律神経の乱れによる集中力の低下やうつなど、深刻な症状に発展することも」（医学博士 森岡清史先生）

目の疲れが引き起こす心身への影響は？

● 頭痛、肩こり
● 背中や腰の痛み
● 胃痛
● 吐き気
● おなかの不調
● 不眠
● イライラ
● 集中力の低下
● 倦怠感
● 軽いうつ状態など

「目を使うことは避けられないので、ケアをしつつ一定ライン以上に悪化しないようにしたいもの。特効薬はありませんが、だからこそ日常的な予防と緩和を意識してほしいと思います」（医学博士 森岡清史先生）

まんが、イラストレーション／とやまちさと　取材・原文／遊佐信子
この記事は2021年3月7日発売LEE4月号『オンライン時代の目が危ない』の再掲載です。