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FASHION

好きなものと似合うものについて/福田麻琴

  • 福田麻琴

2021.03.13

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好きなものと似合うもの

そんなの関係ないと思っていました。
私は好きなものを着るし、ずっと黒だってかまわないと。
誰に気を使う必要があるのか……
ファッションはもっと自由でいいはず!
そう、その通りです。

なのに……なぜこんなにも優しく見られたいのか!上品に見られたいのか!

私め!自分に嘘をついていたなっ!!!(笑)

好きなものと似合うものは違う、とよく言いますがそれは本当にそう思います。
どんなにフリフリのピンクが好きでもハンサムなお顔立ちにはよりセットアップのスーツが似合うことでしょう。
キリッとした襟のマニッシュなシャツが似合うことでしょう。

だけど好きならそれでいい

ファッションはそういうのを全部ひっくるめて自由でいいと思うんです。
それが楽しさでもあると思うので。

でももし、あの人にこんな風に思われたい。
そう思ったなら、そこもファッションの出番だと思うのです。

それって新しい自分との出会いじゃないでしょうか。

誰か第三者の意見によって新しい自分に出会える、それってなかなか楽しい経験だと思います。
もしかしてスタイリストの仕事の真髄ってここにあるのかも!?
なんて大それたことを思いながらも、結局自分のことははっきり決められない自分がいたりするんですけどね。

人任せにしてみるのも手!

そこで私はたまに人任せにすることにしています(笑)

なんて言うと無責任な感じがしますが、もはや確立されつつある自分の好みとは全く違う角度から誰かに「それ似合いますよ!」って言って欲しくなるのです。

それって今まで自分が手に取ったことのないようなデザインだったり色だったりするのですが、今その人には私に似合って見えているってことです。
商売上の言葉かもしれませんが(笑)

最近白をオススメされることが多くなりました

今季のアソースメレ
効果絶大!パッと顔まわりが明るくなります。

 

そして自分もすんなりそれを受け入れています。

だって白のイメージは清純、清潔、純粋、透明、軽さ、新しさ……などなど。
今、もっとも私が欲しているものです(笑)

 


左)コート。去年のUNIQLO U。いつもならカーキや黒を選んでいたデザインです。カジュアルなパンツスタイルが多いので優しさプラス!
右)オーラリーのニットは何色か持っているマイ定番ですが買い足したのは真っ白!ちょっとドキドキしますがキレイめロンTとして活躍してくれそう。
LOEFFのニットカーディガンはざっくりした編み地が特徴です。オフホワイトですが甘くない。さすがLOEFF!

 

今までなんでも“とりあえず黒派“でした。
黒は、ユニセックスでシックでプラスもマイナスもせずにその人の個性やキャラクターがでる色だと思うので。
今でも一番持っている服や靴やbagの色は黒だと思います。
とにかく落ち着く。

黒が苦手でも、近しいネイビーがしっくりくる人も多いのではないでしょうか。
黒を選ぶ時、私はちょっとカッコ良くなりたい、カッコ良く見られたい願望が強かったように思います。
働く女性として、私はできるってことを見せたかったのかもしれません。
だから戦闘服はいつも黒。

そんな中、白を受け入れる自分はきっと母としての自分。

いや母も戦っていますが、柔らかく優しいイメージを心のどこかで欲しているのかも。
そんなイメージには程遠いのですが、母の私はカッコ良い私より求められているものがある気がするのです。

それでも懲りずに黒を選ぶこともありますが、白の効果は絶大です。

 


左)最近顔まわりはとくに白を選びがちです。このへんやっぱり私ったらちょっと優しく見られようとしてますね(笑)
意外と合わせやすいオフホワイトのキャップはKIJIMA TAKAYUKI。キャスケットはHERMES。
右)全く同じ2足を黒でも持っています(笑)最近は春を意識してかベージュの色味のほうが登場回数が多いです。
ヌードカラーのマルジェラのタビブーツと何気に昔から好きなVANS。こちらはオールドスクールという形ですが、オーセンティックが一番持っているかも。

 

やっぱり身につけていると、雰囲気が優しくなったとか、上品コスプレ!?と言われたりします。
好きなものとは違っても、新しい自分に出会いたい。
今はそんなマインドです。

改めてファッションって楽しいです!

 


福田麻琴 Makoto Fukuda

スタイリスト

1978年生まれ。パリ留学に裏打ちされたフレンチテイストに、今どきの抜け感を加えたベーシックスタイルが得意。LEEマルシェでのコラボ企画も大人気。1児の母。

この記事へのコメント( 3 )

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