勢いのある関西弁と華やかなルックスで、あれよあれよという間にバラエティ番組に欠かせない存在となったファーストサマーウイカさん。その卓越したトーク力、バラエティスキルはどこで磨かれたのでしょう。聞けば高校卒業後は女優として数年間、地元大阪の劇団で活動。その後、上京して受けたのがアイドルグループ「BiS」の新メンバーオーディションだったそう。
ファーストサマーウイカさん
「鋭い勘の裏にあるのは、自分を生かすための分析力」
「おもしろそう!と受けてみたらまさかの合格で。私、勘が当たるほうで“やってみよう”と勢いで飛び込むと道が開けるんです。オーディションも“アイドル目指してないから”とか“私にアイドルなんて無理”とは思わず突き動かされるように受けに行きました。もちろん常にすべてうまくいくわけではないですが、そこは素人が10mの距離からフリースローをするのと同じで、成功しないのが当たり前という感覚。シュートが決まったらラッキーくらいの気持ちで、うまくできる自信がなくても、あまり詳しいジャンルではなくても、とりあえず踏み込む精神で。そうして乗り込んだ船がいろんなところに連れていってくれて今につながってるんですよね」
自らの直感で道を切り開いて進んでいくタイプかと思えば、そこには裏づけがあるようで。自身を「少年漫画でいうと主人公タイプではなく、主人公と運命をともにする仲間のひとりタイプ」と分析。
「その場でどうしたら自分が生きるかを分析する能力には長けてると思います。例えばアイドル時代、みんなが高い声で歌うなら自分は低い声で歌うとか、劇団でふんわり系の女性が多いなら、自分は男勝りなキャラになるとか。何かずば抜けた才能やスキルがないからこそ、自然と分析力や自己プロデュース力が培われてきたのかもしれません。ただ、主人公キャラにかなわないと思ったときに、土俵を下りる選択は私の中になかったので、かなりの負けず嫌いでもあるとは思います(笑)」
アイドルグループ在籍中に受けたバラエティ番組のオーディションが好評だったことからバラエティ番組でブレイク。最近は再び女優としても声がかかるように。
「遠回りに見えるかもしれませんが、今までの経験が重なったことで今にたどり着けた。ひとつでも経験が足りていなかったら成立していないと思うんです」
4月には『KERA CROSS』第三弾の『カメレオンズ・リップ』で女優活動の原点ともいえる舞台に出演。
「KERAさんも河原雅彦さんも小劇場出身の私からすれば雲の上の方たちです。そのおふたりとご一緒できる機会をいただけたのは夢のようですね。新たに学ぶことも多いでしょうし、ステップアップできる楽しみもあります。もちろん緊張感もありますが」
ウイカさんが緊張に打ち勝つコツはやはり持ち前の分析力!
「ただ“緊張してる!”で終わらせず、どこから来る緊張なのかを分析しますね。“失敗が怖いから”、なら失敗したときの保険を用意しますし、“偉い人の前だから”、なら、その条件でも自分のいいところを出せるポイントを探してみるとか。これまでの経験から傾向と対策を見つけていくのが、緊張を解きほぐすには一番です!」
1990年、大阪府出身。2013年にアイドルグループ「BiS」の新メンバーに加入。「BiS」解散後は音楽グループ「BILLIE IDLE®」を結成し’19年まで活動。現在はバラエティ、ドラマ等、多ジャンルで活躍中。阿部真央作詞作曲のソロデビューシングル『カメレオン』がデジタル配信中。
KERA CROSS第三弾『カメレオンズ・リップ』
劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)の過去作を、才気あふれる演出家たちが手がける『KERA CROSS』シリーズ。今回は2004年に上演されたヨーロッパの古びた邸宅を舞台にした作品を河原雅彦が演出。松下洸平、生駒里奈をはじめ旬なキャストが集結する。●4月2~4日 シアター1010(北千住) 4月14~26日 シアタークリエ(日比谷) チケット発売中 問い合わせ=☎03・5485・2252(キューブ) 福島、大阪、愛知ほか地方公演も
撮影/yoshimi ヘア&メイク/山本絵里子 スタイリスト/近藤伊代 取材・文/古川はる香
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。