12星座別、4つのエレメント「火・土・風・水」/Sayaの【読む星占い/星がたり】
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Saya
2021.01.07 更新日:2021.12.01
あけましておめでとうございます。コロナの再流行の中、これを読んでいる方の中にはお正月どころではなかった方もいるだろうと思うと複雑なのですが……。今年の運勢については、「2021年星が教える人生の優先順位の付け方」という特集を本日発売のLEE2月号でしていただきました。よかったら、書店などで手にとってみてくださいね。
「火・土・風・水」の総復習
さて、前回の星がたりでは世を賑わしている「風の時代」について書きましたが、今回は、そもそも、「火・土・風・水って何なの? 」というお話をしたいと思います。これまでも折に触れてお話ししてきたことではあるので、今回は総復習とお考えくださいね。
「火・土・風・水」とは占星術で使う12星座を4つのグループに分けたもので、エレメントと呼ばれます。おひつじ座、しし座、いて座が火のエレメント、おうし座、おとめ座、やぎ座が土のエレメント、ふたご座、てんびん座、みずがめ座が風のエレメント、かに座、さそり座、うお座が水のエレメントです。「風の星座」と言っても、「風のエレメントの星座」と言っても同じことを指しています。
心理占星術などでは火は直観、土は感覚、風は思考、水は感情を表すとされています。実は、今回のお題を思いついたきっかけは、担当のHT子さんから、火の直観と土の感覚の違いがわからないと質問されたため。確かに、私も占星術を勉強し始めた20年前は混乱したのを思い出します。
土の感覚は「五感の世界」
対して火の星座は直観=「ひらめき」で動く
土の感覚は、目で見る、手で触る、舌で味わう、匂いを嗅ぐ、耳で聴くという五感の世界です。一方、火の直観とはインスピレーション、ひらめきであり、内側から湧き出てくる種類のもの。頭の声とは違い、ささやき声のように、私たちを正しい方向へと導こうとします。
つまり、直観的な火の星座は、内側のひらめきで動くことができますが、感覚的な土の星座は、五感を通じ、外界から得る情報に頼る傾向があるということ。火の星座は、自分のアイデアを実行に移すだけで満足ですし、もっと言うと、アイデアを考えているだけでワクワクして終わりなんてことも。一方、土の星座は、経験やエビデンスがないと動きづらいですし、成功や報酬が約束されていないと安心できないタイプもいます。
土の星座であるおとめ座の女性が「(女性の)人生とは自分の生きてきた人生をもう一度、繰り返すことだと思う」と不思議な台詞をつぶやいたことがありました。「どういうこと? 」と確認すると、20代半ばで寿退社。女の子を出産して、パートタイムでは働きながらも子育て中心できた彼女にとっては、保育園、小学校、中学校、高校、大学と成長する娘の人生を通じ、自分の過去を繰り返しているように思えたようです。確かに、塾に通わせたり、受験をさせたり……立場が変わるだけで、既視感があったのかもしれません。土の星座は、すでに完成したものに頼り、安心する傾向があるので、そう思うくらい保守的な生き方を選択するんだろうなと思ったことでした。
風の星座は「思考」「意識」を表す
次に、思考や意識を表す風の星座です。外交的な男性星座で、時代のトレンドや情報をすばやく取り込み、思考や論理を組み立てるのが上手ですが、それらにもとづいて、頭でジャッジする面も。また、風の星座は、自分を客観的に見ることができます。クールな印象があるのもそのため。火の星座のような熱さ、土の星座の確実さはないものの、集団の中での立ち位置もすばやく把握し、コミュニケーションをしっかりとって、他者と関わることができます。こうした風の要素、情報、思考などが連携し、深まっていくと、その人なりの精神や哲学、言葉にまで昇華されていくでしょう。
水の星座は「感情」豊か
最後の感情を表す水の星座は、女性星座。感情が豊かで、人の気持ちに敏感なため、他者への思いやりにあふれています。土の星座のように相手を所有物かのようにコントロールすることはないですが、依存的で他者に寄りかかるところも。普段は穏やかですが、好きな人には命がけだし、嫌いな人はとことん嫌い。裏切りは許せないといった激しい面ももち合わせています。水の星座は、時にドロドロの昼ドラマのような濃厚な感情表現をすることもあるのです。
4つのエレメントのバランスがその人の個性を形づくる
実際には誰でも、生まれたときの星の配置図、ホロスコープで、おもなものだけでも10の星と星座をもっているので、「火、土、風、水」のバランスがある程度とれていることが多いものです(私の場合は、土に4つ、風に3つ、火に2つ、水に1つあります)。中には過剰なエレメントや欠けているエレメントがあって、そのバランスの凹凸がその人の個性をわかりやすく作り出します。
先日、死刑判決が出たある事件の被告の生年月日がわかって見てみたのですが、個人的なパーソナリティを表す5つの星がふたご座とてんびん座という風の星座に集中していました。これは、なかなか珍しいこと。水の情念でも、土の所有欲でもなく、ただ当座のお金が欲しい、ちょっとセックスがしたいという場当たり的な理由で、なんとなくやってしまったようにも見える犯行には空気やそのときどきの気分に左右され、流されやすい風の星座のネガティヴな面が出てしまったようにも感じます。
いえ、彼自身がきちんと大人になって、自分の中に的確な判断という風の性質を育てていれば、そんなふうに左右されることはないはずなのです。でも、非常に子どもっぽく、未熟であったこと、パーソナリティに偏りがあったことで、ほかに頼れるものがなく、残念な結果になったのだと思います。
大切なのは、自分なりの哲学を内側にもつこと
先月のみずがめ座での木星(拡大と保護の星)と土星(現実化とルールの星)のグレートコンジャンクション(同じ度数で出会うこと)で、風の時代に入ったとも言われていますが、これは意識の切り替えです。風の時代になったからと言って、風の星座の人以外、活躍の場が用意されていないわけではないし、むしろ、今は風、風と言っているのですが、人はないものねだりをするもの。そのうち土の時代を懐かしむようになるかもしれません。
たとえば、夫婦別姓の問題。男系を中心にした家系に女性がお嫁に来て、子を産み、家系を存続させるという縦のつらなりは、いかにもやぎ座的。それを家族だと思っている上の世代からすると、家族の姓は当たり前に同じものであり、夫婦別姓の意味はきっとわからないのです。一方、夫婦それぞれが対等な立場で、個人としてパートナーシップを結び、姓もそれぞれがもつという夫婦別姓は、みずがめ座的な発想。風の時代が進むとともに、今後は、後者を支持する人が多くなっていくでしょう。ただ、そうなってみると、ファンタジーとなったやぎ座的な家族観を理想とするような人も多くなっていくと思うんですね。
いつの時代も、私たちの心は、そんなふうに「火・土・風・水」のバランスを取りながら動いていきます。風の時代へのスイッチが入った今、これまでのように安定した人生がすべてという価値観は変わっていくはずですが、次の時代が楽園というわけでもない。土の閉塞感がなくなり、血縁やセックスに縛られず、自由に、生きやすくなってみると孤独を感じるかもしれません。どの時代にもいい面、悪い面があるのです。
大切なのは、あまり時代の空気に左右されないこと。自分なりの哲学、自分なりの明晰な意識という「風」の要素を内側にもち、指針とすることが大事なのではないかなあと思います。
(次回は、2月7日に更新)
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Saya Saya
アストロロジー・ライター
1971年生まれ。おとめ座。現在は、京都で夫とふたり暮らし。雑誌連載のほか、オンライン講座や、ホロスコープ・リーディングのセッションを行う。著書に「星を味方につける生き方、暮らし方」(集英社)など多数。
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