「うちに来てごはん食べたいって言ってくれる人が周りに多くてうれしい限りです。だからこれからもおいしいものを作り続けたい」と笑顔で話す栗原はるみさん。
普段の暮らしを大切にする大先輩から、前向きな日常と料理を楽しむ工夫をいろいろ教えてもらいました。
自由な発想の家庭料理とライフスタイルの提案が幅広い年齢層に支持され、TV、書籍等で活躍を続ける料理家。パーソナルマガジン『haru_mi』を中心に著者発行部数3000万部を超え、一部は海外でも発行されて人気。栗原はるみさんの日々の様子はインスタグラム(@harumi_gram)でみられます。
私は2年くらい前からインスタを始めました。
家のキッチン、リビング、庭と範囲を決めて私の日常を写真に撮り、毎朝文章を書き添えてアップしています。次第にフォローしてくれる人が増え、寄せられたコメントを読むと私のほうが励まされ、元気をもらう毎日です。
ステイホーム期間は、冷蔵庫にあるもので簡単に作れるおかずや保存食、おやつなどを中心に紹介すると、テレワーク中の気分転換に作ってくれた人も多くて大きな反響がありました。
うちの庭に咲くアジサイやバラ、ハーブ、サルスベリの花なども高いところや木陰など、私自身忙しいときは見落としていましたが、インスタを始めたことがきっかけで庭の隅々までよく見るようになりました。
音楽は私の暮らしになくてはならないものです。気になったアーティストや曲名はすぐに調べて、気に入った曲はスマホに入れていつでもどこでも聴いています。
夫の影響もあって若い頃から洋楽を聴く機会が多く、中でもエルトン・ジョンやクイーン、アバ、ウエストライフはずっと大好き。佐野元春さんの曲も最近よく聴いています。
私が好きな100曲を選んでみたいと思ったのは、楽しかったときに聴いた曲、時には悲しいときに聴いた曲、人生のいろいろな場面で聴いてきた曲のベスト100をまとめ、子どもたちに伝えることで「母が好きだった音楽」をいつか聴いてほしいと思ったからです。私が現役を終える頃には100曲を選び終えて渡したいと思っています。
リビング正面のオープン棚は、うちに来た人の目がいちばん注がれる場所です。私は以前から収納にテーマを決め、例えば冬は鍋をよく使うので、いつもは奥にしまいがちな土鍋や琺瑯の厚手鍋などを集めて並べます。
お正月は塗り物とガラス器を取り合わせたり、春が近づくと花の器をまとめたり。並べ方もぎちぎちは美しくないので間隔をあけます。
あるとき片づけをしながら掃除をしていて、何も置いていない空間を見たらとてもすっきり、きれいに思えました。空間があると新しいものが入る余地も生まれます。何も決めないよさもあることに気づき、しばらくこの空間を保ちながらこれからどんなふうに楽しんでいこうか、考えています。
家で過ごす時間が増えてから、私は新しい料理やお菓子の試作に精を出し、タレや調味料、白菜漬け、たくあんづくりにも夢中です。
柑橘の中で特に私が大好きな柚子を使い、柚子こしょうも手作りしてみました。種を除いた青唐辛子を刻んですり鉢でつぶし、青柚子か黄柚子の皮をすりおろして混ぜ、塩で調味し、味をなじませます。この柚子こしょうは何につけてもおいしくて、私は白身魚の刺し身を食べるときにポン酢しょうゆにちょっと入れて、たっぷりの青ねぎの小口切りと一緒に食べるのが好きです。もちろん鍋ものやうどんに添えてもよく合います。
今はなんでも思い立ったらどんなに小さなことでもすぐにやってみることを心がけています。
撮影/竹内章雄 スタイリスト/福泉響子 取材・文/秋山静江
『栗原はるみさん 暮らしを楽しむ工夫、教えてください!』は、2021年LEE1月号(12/7発売)に掲載中です。
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