「コロナウィルス」を描いた絵本『せかいがかぜをひいたから』。現役医師がママ目線で園児のためにわかりやすくメッセージ
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上紙夏花
2020.10.18 更新日:2021.06.12
子どもから「コロナウィルスってなあに?」「どうしたらいいの?」と聞かれたら?
まだまだ新型コロナウィルスの終息が見えてきません。未就学児であっても、検温やアルコール消毒、マスクの着用などの新しい生活様式に慣れてきているように見受けられます。楽しみにしていた遠足が中止になったり、大きな声を出すことを制限されたり……。どうしてこんなに窮屈な思いをしなくてはいけないのかと思う反面、なんとなくは子どもたちもこの事態を理解してはいるのでしょう。いくら大人であっても、具体的にいまどういう状況にあるのかを幼い子どもにもわかるようにはっきりと説明するのは難しいように思います。誰もが終わりが見えないこの状況を、どうしたらいいのか困惑しているのですから、無理もありません。
そんな中で、筆者の友人であるファッションエディターの小脇美里さんが、ある一冊の絵本を送ってくれました。子どもたちにとって身近な存在である絵本に、新型コロナウィルスについてのことがわかりやすく描かれているので、紹介したいと思います!
きっかけは保育園のクラスLINEグループに送信されたイラスト
自粛が続いていた5月頃、小脇美里さんの息子さんが通う保育園のクラスLINEグループに、あるイラストが送られてきたそうです。同じクラスのママである医師の高橋しづこさんが描いたものでした。「子どもたちにコロナウィルスって何か?をわかりやすく伝えられたらと思って、説明のイラストを作ったのでよかったらご覧ください!」と。
それを見た小脇さんが、「もっとたくさんの子どもたちに広めたい!」と編集者としてこの絵本を制作することになったのです。作者の高橋さんは、もともとイラストが得意で、絵本を手作りしてたほど。高橋さんは、ママとして子どもに伝えたいこと、そして、日々医療従事者として直面している困難や使命感をもこの絵本に盛り込みました。医師ならではの新型コロナウィルスについての正しいメッセージと、温かみのある高橋さんのそのイラストは、目を背けたくなるようなこの状況を、必要以上に怖がらせることなく、伝えてくれる力があります。
この絵本に込められたメッセージ、「自分を大事にすること」「思いやりをわすれないこと」というのは、なにも今回のことに限ったことではなく、一生涯大切にしてほしいこと。自粛生活の中での制作は大変なご苦労があったと思います。これからの時代を作る子どもたちに向けて、何があっても強く生きる、助け合うのだという、ママたちの想いが突き動かしたプロジェクトだと感じました。
TBS江藤愛アナウンサーが読み聞かせも!
TBS公式YouTubeチャンネル『YouTuboo』では、この絵本の読み聞かせ動画を見ることができます。朗読は『ひるおび』でおなじみのアナウンサー江藤愛さんが担当。そして音楽はドラマ『コウノドリ』のピアノ演奏で知られるピアニストの清塚信也さんがオリジナル楽曲を制作されたそうです。演出は、同じくTBSの『逃げるは恥だが役に立つ』や『大恋愛』を監督した金子文紀さん。なんとも豪華ですね!
絵本を編集した小脇美里さんは語ります。「コロナウィルスはきっと完全になくなることは、すぐにはないと思うので。これからも付き合っていかなくてはいけないんだろうなと個人的には思っています。だからこそ、いろいろな不自由を強いられている子どもたちに少しでもわかりやすく、そして少しでもやさしい気持ち・思いやりをもつことを伝えられたらうれしいなと。
子どもたちだけではなく、全ての人が〝自分を大切にすること〟を忘れずにいてほしい。そんな想いを込めて制作に携わらせていただきました」
ちなみにこの本の売り上げは制作費を除いた全てを、日本赤十字社活動資金に寄付されます。
やさしい気持ちを忘れかけたとき、自分を労うことが難しくなったとき、大人のひとにも読んでもらいたい絵本です。まだまだ大変な状況は続きますが、ひとりひとりの小さな心がけから、より良い世界を作っていきましょう!
TBS公式YouTubeチャンネル『YouTuboo』⇒『せかいがかぜをひいたから』朗読:江藤愛アナウンサー
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上紙夏花 Natsuka Uegami
ライター/ビューティープランナー
1977年、大阪府生まれ。吉本新喜劇の女優を経て、ライターに。現在は化粧品の商品開発やPRを手掛けるほか、ベビーマッサージ講師としても活動している。夫・息子9歳、3歳