共働きから仕事を継続しても、専業主婦から仕事を探しても、大変なシングルマザーの暮らし。
実際に離婚を経験した読者に、どんな問題にぶつかったのか、お金や仕事、現在の生活など、リアルな話を聞きました。
この記事は2020年7月7日発売LEE8月号の再掲載です。アンケート実施:2020年3月11~18日まで。LEEweb会員455人が回答
離婚経験者のリアルな声
離婚をする前にお金は貯めましたか?
回答者の6人に1人は、実際に離婚を経験していた今回のアンケート。半数以上は、十分な貯金なしで離婚。
「夫の不倫がわかり、すぐに家を出て1カ月以内で離婚」など、一刻も早く離婚したいケースも多く、やはり常日頃からの準備は必要なのかも。
離婚するにあたって、いくらぐらいお金を貯めましたか?
「共働きの夫婦別の財布で、自分の収入をコツコツと貯めていた」という人は500万円以上の貯金。一方で、50万円未満も多く、貯金できる人とできない人は二極化の傾向に。
自身の仕事や働き方、子どもがいる人はこれからの教育費や影響など、気になる点は山積み。反対に、「離婚はお金と子どもの問題がクリアできれば難なくできる」との声も。
シングルマザーとなって 01
自治体の無料法律相談で離婚のアドバイスを。安定した職も支えに
LEEメンバー りんかんさん
●36歳 ●子ども3歳 ●会社員
● ● ● ●
りんかんさんは、夫と価値観や金銭感覚が合わず離婚を決意。離婚を考えてすぐに、情報収集を始めたそう。
「離婚について書かれている本を買って勉強した後に、自治体で無料の法律相談があると知り、会社の有給を使って足を運び相談。財産分与についてのことを中心に、本で学んだことを自分に置き換えた場合に、発生する不利な点などについてアドバイスをもらいました。
離婚費用の節約にもなるので、本と法律相談で得た知識をもとに、元夫と話し合いを。養育費などは、裁判所が出している養育費算定表に基づいてそれぞれの年収から割り出し、離婚協議書を作成して約束しました。
お互いある程度は納得できる形での協議離婚。正しい情報や知識を持つことは大事だなと感じています」
結婚、出産を経ても正社員としてメーカーに勤務していたこともあり、経済的な不安も少なかったと言います。
「会社はテレワークや有休も取得しやすく、希望すれば時短も。仕事を辞めようと思ったことはないのですが、離婚を考えたときに、やはり続けていてよかったと痛感。
家計も、婚姻時も夫から生活費だけを受け取っていたので、今は養育費になっただけで変わらずに生活ができています。
唯一、心配だったのは子どもの将来の費用。共働きに比べると教育費などにかけられるお金が減るかなと危惧したのですが、元夫は計画性がなく、婚姻時も子どもの学資保険や子どものための貯蓄は主に私の収入からしていました。
そう考えると、これからも先を見据えて備えることで乗り越えられるかなと思っています」
シングルマザーとなって 02
専業主婦からの離婚。8年間のブランクは大きく、なかなか職が決まらず
LEEメンバー 和さん
●42歳 ●子ども8歳、5歳 ●社労士事務所勤務
● ● ● ●
約1年前、夫のギャンブル依存と借金が発覚し、離婚をしたという和さん。
第1子妊娠中に仕事を辞めてから、約8年間専業主婦だったということで、離婚を考え始めてからパートで社会復帰の準備を。
「独身時代は派遣で働き、職に困ったことはなかったのですぐに仕事が見つかるかと思いきや、ブランクがあること、保育園に預ける子どもがいることでなかなか決まりませんでした。
この時期は精神的に参り、子どもに当たってしまったことも……。派遣と並行してハローワークで相談したところ、母子家庭担当の女性がとても熱心に相談に乗ってくれました。
週末を子どもと過ごすために、土日休みの事務職を希望していましたが、40歳を過ぎて事務職の募集が少ない中、たまたま今の職場の求人を見つけて応募。資格は取らず、未経験ですが正社員で採用してもらえました。
何も知らず派遣で探していましたが、ハローワークを通じて母子家庭の母親を採用するとその会社に助成金が出ることもあり、そのためかハローワークにはシングルマザーの求人も多いのだそうです。
パートから正社員に移行できる会社を教えてもらったりと、ハローワークにはとても助けられました」
現在は子どもと3人で、実家近くの県営住宅で生活しているそう。
「収入は手取りで13万円と少ないのですが、児童扶養手当、離婚後に支払いが決まった養育費、母子家庭の医療助成、就学奨励金などがあり生活には困りません。
ただ、今後給与が増えることで児童扶養手当が減る可能性や、私が働けなくなってしまったらどうするのかなど不安は尽きないのが現状です」
●シングルマザーの相談先はこちらのページでも紹介中!
離婚でシングルマザーになったら?知っておきたい【お金の落とし穴・相談窓口】
イラストレーション/朝倉千夏 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
この記事は2020年5月7日発売LEE6・7月合併号『知っておいて損はなし!離婚の経済学』の再掲載です。
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