長雨や豪雨災害で野菜が軒並み高騰
野菜が高いですね。
農林水産省が週一回行っている食品価格動向調査の「野菜」を見てみると、その異様さがわかります。8月3日~8月5日の調査結果(全国平均)の値では、調査対象となるキャベツ、ねぎ、レタス、ばれいしょ、たまねぎ、きゅうり、トマト、なすの8品目すべてが昨年より上がっています。
特に、レタス(217%)、ばれいしょ(168%)、キャベツ(155%)、なす(146%)、きゅうり(141%)の値上り率にはびっくり(%は昨年比)。7月までの長雨や豪雨災害の影響が大きいのではと思いますが、とにかくスーパーに行くと途方に暮れてしまいます。新型コロナの影響で外食が減り、三食手作りが増えている状況で、この野菜高騰は家計直撃の大ダメージに。
食費を節約したいと考えた時に、まず思いつくのは冷凍野菜で代用することです。冷凍ものなら気候変動で価格が急騰することはありません。そこで、どんなものがどのくらいの価格で売られているか調べてみました。チェックしてきたのは、コンビニとスーパー、業務用スーパーの冷凍野菜です。
どこでも共通して売られていたのはホウレンソウ、ブロッコリーなどのカット野菜。コンビニではホウレンソウ一袋(150~160g)が153~156円ほど。イオンのネットスーパーサイトで見ると、200g入りが198円。グラム当たりの金額で見れば、コンビニとスーパーで大きな差はないようです。逆に、業務用スーパーの価格は500g入りで178~198円と、かなり安め。さすがは業務用大袋と感じましたが、どうも理由があるようです。
それは、産地の違い。先に書いたコンビニとイオンの冷凍ホウレンソウは、実は国産のもの同士で比較した数字でした。業務用には国産品がなく、中国産のみ。ちなみに、イオンの商品には中国産ホウレンソウの冷凍パックもあり、そちらは200gで98円。国産ホウレンソウが198円ですから100円の差があります。国産か輸入野菜かで、ずいぶん値段が変わるのですね。
カット済みの冷凍ミックス野菜セットもお手頃
多種類の野菜が必要な時には、ミックス野菜セットを利用した方が安上がりでしょう。
イオンには赤・黄・緑のピーマンをスライスしたセットや洋風野菜セット(ブロッコリー、カリフラワー、ニンジン、インゲン)が。セブン‐イレブンの「グリル野菜ミックス」は、ナス・ズッキーニ・赤ピーマン・黄ピーマン・紫玉ねぎ入り(計130g)と、いかにも料理が華やかになりそうなミックス野菜セットが。
業務用スーパーでは、中華炒め用のミックス(インゲン、ニンジン、タケノコ、キクラゲ入り)や和野菜ミックス(サトイモ、ゴボウ、タケノコ、ニンジン、レンコン入り)などもあり、すでにカットしてあるので時短にもなりますね。価格は一袋158~198円程度が多く、使う量に応じてコンビニ・スーパー・業務用で買い分けるといいでしょう。ただし、やはり冷凍カット野菜は国産品より外国産が多いのは事実。産地にこだわる人は購入前にパッケージの表示を確かめて。
新鮮な野菜を躊躇なく買えるのが一番ですが、こうした冷凍ものも活用して食費のかさむ時期を乗り切りたいものです。
※記事中の価格は税込み。コンビニは冷凍カット野菜の扱いがない店舗も多いので注意を
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。