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LIFE

藤本こずみ

虫苦手ママ、虫好き息子と未知の世界へ【夏休みの過ごし方】

  • 藤本こずみ

2020.07.28

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暑い夏がやってきましたね。毎朝、目覚めるとセミの大合唱が聞こえてくる、今日この頃。わが家の5歳の息子は、今、虫に夢中です。

私自身は、昔から虫が大の苦手でした。子どもの頃は虫に遭遇すると一目散に逃げていたし、学生時代は生物の教科書をビクビクしながらめくっていたほど。上京して一人暮らしを始めるにあたっての大きな不安も、虫退治だったんです。

それが、どうでしょう。今、わが家のベランダには、チョウ、バッタ、カマキリ、セミなどの虫たちが出たり入ったり。コーナーに置いてある虫カゴでは、カブトムシのつがいも仲良く暮らしています。まさか、自分にこんな未来が待っていたなんて!

幼稚園の先生の言葉がきっかけに

虫への恐怖心を少しでも克服できたら、と思うようになったのは、息子が幼稚園に通い始めた頃でした。入園直後、代表の先生からの「子どもたちは、四季を感じるのが上手です。いつもの道で大人が見過ごしがちな花や虫も、すぐに見つけて教えてくれます。子どもたちと手をつないで歩く、登降園の時間を大切にしてください」というようなお話が、とても印象的だったんです。また、初めての担任の先生からは「私は動物や虫が大好きです。子どもたちと一緒に、たくさんの生き物に触れる体験をしていきたいと思っています」と自己紹介が。

先生方の言葉に納得&感心すると同時に、わが身を反省。子どもがこれから興味を持つかもしれないものを、「嫌い!」「気持ち悪い!」と切り捨てるのはよくないなぁ、と考えるきっかけになりました。人生、“好きなもの”がいっぱいあるほうが、きっと楽しいですもんね。

とはいえ、苦手な虫を急に好きになることもできません。そこで、メインの“虫担当”は夫に任せた上で、私自身も、息子が虫を見つけた時には“触らないけれど一緒に見る”“「イヤー!来ないでー!」ではなく「すごいね、おもしろいね」と反応する”ことなどから始めてみました。もちろん、どうしても無理な場面では、「ママはちょっと怖いかも~!」と言いながら後ずさりしたことも(笑)。

子どもが興味を持つ対象にも、ステップがあるのでしょうか。息子の場合は、3歳の時はダンゴムシ、4歳の時はセミの抜け殻をコレクション。5歳になった今は、あらゆる虫を見たい、触りたい、捕まえたい! と、立派な虫好き男子に成長しました。そして、息子が段階を踏んでくれたおかげか、私も“ダンゴムシならツンツンできる”“セミの抜け殻なら取ってあげられる”と、一歩一歩レベルアップ(?)。この間は、息子につられて素手でバッタを捕まえようと集中している自分に気づき、我ながらびっくりしました。

知らなかった虫の世界を覗いてみると

こうして、少しずつではありますが、虫と関わるようになってみると、いろいろな発見があるものでーー。一番忘れられないのは、羽化の瞬間。一昨年の夏、幼稚園からの帰り道で、羽化したばかりのセミを見つけたんです。しかも2匹!

殻から出てゆっくりと羽根を伸ばしているセミの身体は、透き通った青緑色で、とても神秘的。息子もじっと見守っていました。

また、今年は、実家の庭で見つけた3匹の青虫が、そろってさなぎになり、羽化に成功! さなぎから出てきたアゲハ蝶は、虫カゴから出してもなかなか飛び立たず、息子のパジャマの胸にぴたりとひっついていました。

それを愛おしそうに眺めていた息子は、

「ちょうちょさん、〇〇(息子)の“心”にとまってくれたね!」。

数日後に3匹のアゲハ蝶がベランダの近くを舞っているのを見つけると、

「ここで生まれたちょうちょさんたちが、元気だよ~って遊びに来てくれたんじゃない⁉」。

今しか聞けない名言だなぁと、思わず心にメモしてしまいました(笑)。

今では、頻繁に幼稚園や公園から虫を連れて帰ってくるようになった息子。基本的には“すぐに放すこと”と約束しており、それまで一緒に過ごす時間を楽しんでいるようです。観察したり話しかけたり、絵を描いたり図鑑で調べたり。動画やDVDを見ることも増え、香川照之さんの番組『昆虫すごいぜ!』には、親子でハマってしまいました。

そして、今年の夏は、お友達の家で生まれたカブトムシのつがいを譲ってもらい、ついに初めての飼育に挑戦中! 息子は、毎日張り切って、エサやりや水分補給などのお世話をしています。姿が見えないな、と思ったら、虫カゴの前へ行き、2匹を愛おしそうに眺めたり手のひらに乗せたりしていることも。最初はこわごわ遠目に見ていた私も、息子の可愛がりぶりに影響されて、時々こっそりお世話の手助けをしているのはここだけの話(笑)。元気に長生きしてくれたら、わが家でも卵を産んでくれるかな⁉

息子がいなければ知ることのなかった虫の世界。アラフォーにして初めて覗いてみると、かなり刺激的です。正直、私はまだドキッ!ビクッ!とすることも多いのですが、息子(と、その影響を受けている1歳娘も!)の好奇心が広がっていく様子を見ていると、大事なことを教えてもらっているのだなぁと感じます。

もし、私と同じような虫苦手&でも克服したいママさんがいたなら……まずは“ちょっと離れた場所から見守る”ところから始めてみてはいかがでしょうか? 旅行や遠出が難しそうな今年の夏休み、身近なところに子どもたちの楽しみが1つでも見つかるといいですよね。

藤本こずみ Kozumi Fujimoto

ライター

1979年、兵庫県生まれ。雑誌やWEBで、インタビュー、ライフスタイル、占いなどの記事を執筆。趣味は、テレビドラマ鑑賞&リラクゼーションスポット巡り。夫、長男、長女との4人暮らし。兵庫・東京の二拠点生活に挑戦中。

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