当サイトでは当社の提携先等がお客様のニーズ等について調査・分析したり、お客様にお勧めの広告を表示する目的で Cookie を使用する場合があります。詳しくはこちら

LIFE

藤本こずみ

オンラインで子供と教わる京都の伝統工芸「小嶋商店」のミニ提灯『ちび丸』作り

  • 藤本こずみ

2020.08.30

この記事をクリップする

毎年、夏休みやその周辺の連休には、三世代で京都を訪れていたわが家。

今年はそういうわけにもいかないな……と恋しく思っていたところ、オンラインで京都の伝統工芸に触れられるプランがあるという情報をキャッチ!

早速、5歳の息子と体験してみることにしました。

京提灯専門店・小嶋商店の職人さんたちがオリジナルキットを開発

今回ご紹介するのは、江戸寛政年間から続く京提灯専門店・小嶋商店の職人さんに教わる、ミニ提灯『ちび丸』作り。

もともと小嶋商店の工房で行っていた『ちび丸』作りは、国内外の観光客や修学旅行生に人気の体験メニューだったそう。

コロナ禍により体験の申し込みをキャンセルせざるを得ない状況になる中、職人さんたちが、「創業以来、受け継いできた歴史や文化をひとりでも多くの人に伝えたい」「おうち時間を少しでも豊かなものにしてほしい」という思いでオリジナルキットを開発。

自宅にいながら京提灯作りを体験できるプランが誕生したというわけなんです。

事前に、テレビ番組『京都知新』(MBS・関西地区にて日曜6:15~)で過去に放送された、小嶋商店の紹介回をチェックしてみたところ、そこには、約200年続く伝統を大切にしながらも、未来に向けて新しい取り組みに積極的に挑戦されている職人さんたちの姿が。

そんなベースの物語を知ることで、さらに『ちび丸』作りが楽しみになりました。

“おうち工房”で5歳の息子と『ちび丸』作りに挑戦!

オリジナルキットは、シックで洗練された印象のボックスに入って到着。中を開けると、提灯型、置き台部品、和紙、ろうそく型LED照明、水糊、綿棒、注意書が、コンパクトにまとまっていました。このほか、自宅にある霧吹き、ハサミ、ドライヤー、タオルを用意します。

注意書にはQRコードが記載されていて、それを読み込めば、小嶋商店による作り方動画が見られるように。いよいよ『ちび丸』作りのスタートです!

①台を組み立て型をセットする

まずは、置き台を組み立て、そこに提灯型をセットします。

オンラインでの『ちび丸』作りのカギとなったのは、この型だったそう。

本来、提灯作りには木型が不可欠で、対面での体験では工房の木型を使用。

それに代わる、軽くて無駄のないデザインで、返送の必要のない使い切りのものを求めてたどり着いたのが、ダンボールを組み立てて作る型だったといいます。

実際に組み立ててみると、とても簡単。5歳の息子にもすぐにできました。これで自宅が“おうち工房”に!

②竹に糊をつけ和紙を貼っていく

続いて、提灯型に一面ずつ、糊をつけ和紙を貼っていきます。

糊は綿棒を使って竹にたっぷり塗り、型についたら拭き取っておくのがポイント。

和紙は、色のものと柄のものを2枚重ね、霧吹きでしっかり湿らせてから、上下を余らせるように貼っていきます。

両サイドに余った和紙はちぎり、同様の作業を4面分繰り返すと、提灯型が和紙で覆われた状態に。

この和紙を貼っていくところが全体の要といえる工程だと思うのですが、わが家では、

私「あっ、濡らしすぎちゃった⁉」

息子「どうしよう、早く貼らないと~!」

私「大丈夫だから、ゆっくりやってみよう!」

息子「ええーっ、破れちゃう~!」

と、なぜか親子で焦ってしまって大騒ぎに(苦笑)。

自分たちのペースで、何度も動画を停止&再生できたことに助けられました。こういうところもオンラインレッスンの良さかもしれませんよね。

結局、余った和紙を手でちぎる作業は、一部私にバトンタッチとなりましたが、なんとか難関をクリア。

③提灯を乾燥させて形を整える

全面に貼った和紙を、ドライヤーで乾燥。完全に乾いたら、型を外して提灯の中から取り出します。

最後に、上下にはみ出している和紙をハサミで切り揃え、縁に糊をつけて内側に折り込むと……。

手のひらサイズの可愛い『ちび丸』が完成!

待ちに待った点灯の瞬間。息子が、ワクワクしながら付属のLEDライトにかぶせてスイッチオン。ろうそくの火のように揺れる灯りに、「うわぁ、きれい!」と歓声を上げていました。

途中でドキドキしたものの、大部分を息子が作り上げた、わが家の『ちび丸』。所要時間は小一時間でした。

日常の風景に“本物”が加わると、ちょっとうれしい

『ちび丸』は、息子の大のお気に入りに。完成当日の夜は、「ちび丸と一緒に寝る!」と寝室まで連れていくほど。灯りに誘われてやってきた1歳の妹に、「優しく触るんだよ~」と言い聞かせる場面も。わが家の寝室で、子どもたちのベッド周りが一番の癒しコーナーになりました(笑)。

翌日からも、わざと暗くした部屋で『ちび丸』を灯して夫を出迎えたり、家のあちこちに『ちび丸』を飾ってみたり。私もこっそり和室の床の間に置いてみました(笑)。ほんのり柔らかな灯りと丸くて小さなフォルムがどんな空間にも溶け込むので、いろいろな場所で試したくなるんです。たくさん作ってディスプレイしても、きっと素敵!

『ちび丸』は、小さいけれど本物の京提灯。こんな風に歴史と伝統のあるものが日常の風景に加わると、ちょっとうれしい。まさに、ぽっと火が灯ったように心が温かくなります。この、「ちょっとうれしい」という気持ちこそ、職人さんたちがおっしゃる“豊かな暮らし”につながるものかもしれませんよね。

 

私が体験したのは、動画を見ながら好きな時間に作るコースでしたが、5人以上なら職人さんたちに教わるオンラインレッスンコースにも申し込みが可能だそう。

気になる方は、ぜひHPをチェックしてみてくださいね。

 

小嶋商店HP

藤本こずみ Kozumi Fujimoto

ライター

1979年、兵庫県生まれ。雑誌やWEBで、インタビュー、ライフスタイル、占いなどの記事を執筆。趣味は、テレビドラマ鑑賞&リラクゼーションスポット巡り。夫、長男、長女との4人暮らし。兵庫・東京の二拠点生活に挑戦中。

LEE公式SNSをフォローする

閉じる

閉じる