渡り鳥を救うべく奮闘する
父と息子の冒険に驚嘆、感動!
『グランド・ジャーニー』
一連の“ネイチャー・ドキュメンタリー映画”人気の口火を切った『WATARIDORI』(’01年)で、監督に請われて撮影協力したのが本作のモデル、クリスチャン・ムレク氏。なんと’95年に“渡り鳥と一緒に空を飛ぶ”試みに成功し、かの傑作ドキュメンタリー誕生のきっかけを作ったのだから、驚嘆せずにいられない。そんな実話に、“家族の物語”を加えて脚色したのが、誰もが興奮し快哉を叫びたくなる本作だ。
一風変わった気象学者で鳥類保護活動家のクリスチャンは、南仏の町カマルグで鴈の研究をしながら、絶滅危惧種の渡り鳥を救うプロジェクトの承認を、自然史博物館の館長にかけ合っている。そんな彼の元に、都会で母とその恋人と暮らす14歳の息子トマが、夏休みの5週間やってくることに。ゲーム三昧のトマは、Wi-Fiもつながらない環境に不機嫌顔。だが暇を持て余し、ふ卵器を何気なく見つめていると、卵に亀裂が入る。駆けつけた父クリスチャンはトマに手製のローブを渡し、「鳥は初めて見たものを親だと思う」と説明。ローブを着て鳥姿になった2人の前で、次々と可愛い雛たちが殻を破って誕生する。
いつしかゲーム機を放り出し、甲斐甲斐しく世話を焼き始めるトマの後を、ヨチヨチついて歩くひな鳥たちの可愛いこと! 鳥を間に、ぎこちなかった父と息子の関係もどんどん縮まり、(渡り鳥にノルウェーからフランスへの“渡り”を教える)計画に着手すべく、超軽量飛行機で鳥を連れて飛ぶ訓練を開始する。なるほど、こんなふうに鳥たちは“親鳥”を信頼し、後をついて飛ぶのかと、フィクションに入り込むドキュメンタルな瞬間にドキドキ鼓動が逸る。もちろん無謀な試みには、予測のつかない問題が山積! それをどう父子がクリアしていくのか。
驚きの展開に手に汗握り、「嘘でしょ!?」と叫びながら熱くなり、私たちも鳥たちと大空を渡っていく興奮に包まれる。壮大な冒険の感動に震えながら、環境を守る大切さが、ひしひしと心に響き、さらに熱くなる。(新宿バルト9 ほかにて近日全国ロードショー予定)
恋に落ちるトキメキと
愛にあぐらをかきがちな私たちの物語
『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』
お互い一目惚れ、ウマが合い、大の仲よし夫婦となったラファエルとオリヴィア。ところが人気作家となり多忙な夫と、ピアノ講師の妻は少しずつすれ違っていく。そして大喧嘩した翌朝、目を覚ますと見知らぬ者同士に。ラファエルはしがない中学教師、オリヴィアは人気ピアニストになっていた!
立場逆転、いやそれ以上の試練に彼がどう立ち向かうか。息を詰め、愛を育み続ける難しさに共感! (新宿ピカデリーほかにて近日公開予定。全国順次公開)
※公開につきましては、各作品の公式サイトをご参照ください。
取材・原文/折田千鶴子
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