東京から沖縄に移住して、カルチャーショックを受けることもしばしば。そのひとつに“スーパーマーケット”があります。
もともとスーパーに行くのが好きで、旅先でもスーパーに立ち寄って「お、こんなものが売っているのね」と、その地域特有の品揃えをチェックして楽しんでいるのですが、特に沖縄のスーパーは驚きの連続でした。
びっくり1
温かい豆腐が売っている
まず、1番びっくりしたのが、熱々の豆腐が販売されていること。
よく行くスーパーでは、写真のような売場が設けられていて、豆腐屋さんから作りたての豆腐が決まった時間に届けられているんです。
沖縄には、島豆腐やゆし豆腐など、沖縄特有の豆腐が親しまれていることは知っていたものの、こんな売場まであるとは……! お目当ての豆腐屋さんの納品時間に合わせてスーパーに来る人もいるのだとか。おそるべし、沖縄の豆腐愛。
ツナの箱売り、謎の島野菜etc.
その他は主に……
●びっくり2 ツナ缶が箱売りしている
チャンプルーをはじめ、沖縄料理はツナの出番が非常に多く、スーパーでは箱で売られているほど。豆腐売場と同じくこの光景にはかなりびっくり。ちなみに、はごろもフーズ「シーチキン」の沖縄県の消費量は、全国平均のなんと約4倍にものぼるそう!
●びっくり3 初めて見る島野菜に戸惑う
カラシナ、ハンダマ、フーチバーなど、はじめて見る沖縄の伝統野菜=島野菜が、野菜売場の一等地にどーんと鎮座していることも。どんな味かも全く分からず、ついつい馴染みのあるほうれん草などに逃げる日々が続く……。
●びっくり4 ポークランチョンミート、通称ポークの品揃えが半端じゃない
沖縄県民のソウルフード的存在、ポーク缶も圧巻の品揃え。さまざまなメーカーのポークがあり、味もプレーン以外にガーリックやうす塩などが。コンビニでは、沖縄限定で卵入りのスパムおにぎりを扱っていることも多く、こちらは大食漢の夫のおやつとして活躍中(カロリーは恐ろしくて見ないふり)。
沖縄料理に挑戦!
さて、沖縄のスーパーについて色々話しているものの、沖縄特有の商品の購入は避けていました……。
なぜなら、慣れていない食材を使う=料理に時間がかかるから。
特に島野菜なんて、どんな味でどんな料理に使うのか、いちから調べる必要があるためかなり敬遠していました。
ところが、新型コロナウイルスの影響で、楽しみにしていた沖縄飲食店巡りができていないことや、家にいる時間が増え、料理に時間をかけられることから沖縄料理を作ってみることに!
沖縄らしい食材を初購入
さっそくスーパーで、私的“THE・沖縄”な食材を購入。
これらを使って、「フーチャンプルー」と「ゆし豆腐のアーサあんかけ」の2品を作っていきます! 作り方は、以前図書館で借りていたレシピ本を参考にしました。
<フーチャンプルー食材>
・カラシナ(その名の通り、少し辛みがある島野菜。シマナーとも呼ばれる)
・くるま麩(1本約30cmもの筒状の麩)
・ポーク
※写真にはないですが、卵とにんじんも使います!
<ゆし豆腐のアーサあんかけ>
・ゆし豆腐(豆乳ににがりを加えたおぼろ状の豆腐)
・アーサ(本土でいう“あおさ”)
ゆし豆腐は、ビニール袋にお汁ごとぱんぱんに入っているので、破けるのが怖くて赤子のように優しく抱きかかえて帰りました。ちなみにこのお汁ごと料理に使うのが一般的だそうです(あまりに勝手が分からず、レジの店員さんに聞いたところ優しく教えてくれました)。
沖縄定食の出来上がり! が、しかし……
さて、こちらが完成品! 今まで、沖縄料理はゴーヤチャンプルーとにんじんしりしりしか作ったことがなかった私ですが、見た目はまずまず。
さっそくカラシナ入りのフーチャンプルーを食べてみたところ、めちゃくちゃ美味しい! カラシナは想像よりも辛くなく、全体の味を上手に引き締めてくれました。今までこんな素晴らしい島野菜を素通りしていたのかと後悔するほど。
作り方も、水に戻して切ったくるま麩と、カラシナ、ポークランチョンミート、にんじん、卵を炒めて、塩こしょうで味付けするだけと、とっても簡単!
ポークのうま味のおかげで、塩こしょうだけでもコク深い味わいに。これは今後、我が家の沖縄生活に欠かせない料理となりそうです。
お次は、ゆし豆腐のアーサあんかけ。
こちらも作り方は簡単で、温かいかつおだしに水でもどしたアーサを加え、温めたゆし豆腐の上にかけるだけ。しかし、残念ながらあまり好みの味ではなく……。
というのも、アーサ=あおさということを調べずに作ってしまったのですが、そもそもあおさが苦手な私。当然おいしく食べられるわけもなく、申し訳なくあおさ好きの夫にまるごとたいらげてもらいました。このことを反省し、次からは分からない食材はきちんと調べてから買うことに。
ゆし豆腐そのものはとても美味しく、しょうゆを少し垂らして温奴にしたりお味噌汁にしたりと活躍中です。
沖縄のスーパーではまだまだ気になる食材が盛りだくさん。この機会に、沖縄料理のレパートリーをどんどん増やしていこうと思います!
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古川晶子 Shoko Furukawa
ライター
1989年、兵庫県生まれ。主にファッションやライフスタイルの編集・執筆を担当。結婚1ヶ月で夫が沖縄へと転勤。単身赴任生活1年を経て、自身も沖縄へ短期移住することに。趣味はお笑い鑑賞。