#stay homeが続く中、大型連休がスタートしました。旅行や帰省だけでなく、ちょっとしたおでかけも難しい状況下で、お子さんと一緒に何をして過ごそうかと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回はまず、親子で一緒に楽しむことができ、時間がある時こそオススメしたい「新聞紙テント作り」について、実際に子ども達と一緒に作った我が家の様子をお伝えします。
一方、盛り上がりを見せたテント作りがきっかけで、私と8歳長男それぞれのモヤモヤが爆発する事態に!
ワンオペ自粛生活に疲れ気味だった私達の失敗談を通して、長引くこの状況を親子で乗り切って行くためにどうすれば良いか、少し考えてみたいと思います。
思い立ったらすぐできる!完成度の高さも魅力の「新聞紙テント」
休校が始まった頃から、時折ネット上の記事やSNSで見かけていた「新聞紙テント」。新聞紙を棒状に丸めて組み合わせ、ブロックのように積み上げてテントを作っていくという工作で、面白そうだと気になっていました。
今回挑戦した直接的なきっかけは、子ども達の習い事の先生でした。子ども達が習っているアートクラスは現在休講していますが、おうちにあるものや身近なもので今すぐ始められる工作あそびのアイデアを不定期で配信してくれており、その第一回目が「新聞紙テント」でした。
材料は?作り方は?連休中におすすめな理由って?
必要な材料は新聞紙とセロテープだけ!あとは、飾りつけに使う色紙やモール、リボンやセロハンなどをお好みで。ネットなどで「新聞紙テント」と検索すると、作り方を説明してくれている記事や動画がたくさん出てきます。先生からの配信内容に加え、私も子ども達と一緒に動画も活用して作り方を研究しました。
まずは、新聞紙やチラシを角から斜めに丸めて行きます。この時、なるべく細くきつく巻き、それぞれの棒が同じ長さになるように作ることが成功のポイントです。(ちなみに我が家の場合、これが後から起こるトラブルの引き金に…)
最初はうまく棒が作れなかった子ども達ですが、慣れてくると意外にも黙々と作業を進めてくれました。仲は良いのですがとにかく喧嘩が多い兄妹で毎日大騒ぎなので、これは嬉しい誤算!私もかなりの量を作成しましたが、確かに綺麗に巻くことができると快感がありハマる気持ちもよくわかります(笑)。ハサミなど怪我に繋がる道具を使わない為ある程度目を離すことができるのも、親としてはありがたかったです。
途中で棒を使ってチャンバラごっこが始まったり、おやつやら休憩やらを挟んだりしていると、棒を作るだけであっという間に4時間くらいが経過!実質は2日かがりで作成しました。おうちで長い時間を過ごさざるを得ない今の時期にぴったりな工作ではないかと感じています。
次に3本の棒をテープやホチキスで止めて三角形を作ります。
テントの組み立て方は色々なやり方があるようですが、我が家はまずその三角形を繋げ、テントの”壁”となる部分を作成しました。
繋げた三角形でできた壁を立てて端と端を繋ぎ、テントの土台にします。
子ども達の手で作った棒は”巻き”が甘く強度が弱かったため、壁のように立てることにひと苦労。その上に三角形を重ねていきますが、ぐにゃぐにゃと崩れそうに…。私が紐などで固定しながら手伝い、なんとか兄妹が入れる状態になりました。
テントがまさかの崩壊!親子3人で暗澹とした状況に…
しかし…
もともとの棒の強度が弱かったため、妹の身体が当たったちょっとした衝撃でバランスが崩れ、そこからテントがつぶれてしまいました。ショックを受けた兄は妹に激怒、大声で言い合う盛大な喧嘩に発展。娘も悪気はなく、しかも珍しくすぐに謝り直そうと頑張っていましたが、一方で息子は前日から本当に一所懸命作成し、妹にも根気よく棒の作り方を教えてもいました。だからこそ息子が悲しむ気持ちもわかっていたはずなのですがヒートアップが止まらず、最終的には「壊れちゃったから全部捨てる!」と、ついにはテントを自分で壊し始めてしまいました。
本当は止めて欲しかったのだと思うし、本来ならば落ち着かせてからもう一度作り直そうと促すべきでした。ただ、その時は恥ずかしながら私も忍耐が限界に達しており、いつまでも怒りが収まらず自暴自棄になる息子の様子に辟易とし、「もう勝手にすれば」と突き放してしまいました。
半泣きで、みんなで苦労して作った新聞紙テントを壊す兄、それを見てまた泣く妹、全てが嫌になった私…”みんなで楽しく過ごしたいと思って始めたのに、どうしてこんなことになっちゃったんだろう”と、上手く対処でいない自分自身に嫌気がさし、そして暗澹とした気持ちで残骸を片付けていると、心底悲しくなり私まで泣けてきてしまいました。
今考えると、親子それぞれ疲れが溜まっていたタイミングだったのだと思います。
その日も午前中てんやわんやしながら仕事や家事、子ども達は宿題を終わらせ、近くの公園に行っていました。あまり人と関わることができないため大抵、私が子どもの相手をして鬼ごっこ等をすることになり、結構体力を消耗するため夕方になると疲れからイライラしがちな毎日です。
また我が家は3月1日から夫が仕事で海外に行ってしまい、休校と同時にワンオペ生活もスタート。平時とは違う中で日々様々な判断をひとりでしなければならないこと、なるべく外出自粛しなければならないにも関わらず、どこに行くにも兄妹ふたりを連れて行動しなければならずスーパーなどで気を使うことも増えるなど、これまでにないプレッシャーも感じていました。そういった私の余裕のなさや世の中の雰囲気は、様々な形で子ども達にも伝わっているはずです。
うまくいかない日々でも大丈夫!この時期は、自分にも相手にもちょっと”甘く”なってみても
それぞれ落ち着いた私たちが話したのは、当然のことですが「みんなで一所懸命作ったんだから、やっぱり壊さなきゃよかったね」ということ。ママも子どもたちもお互いちょっと疲れていたのかもしれないという話もした上で、もう一度、ちょっとずつ丁寧に作り直すことにしました。
医療従事者の方々を始めもっと大変な状況下で戦っている方はたくさんいらっしゃるし、周りや世界を見渡せば困難な事態に直面されている方も数え切れないほどいると思います。
でも一方で、いつ収束するかもわからず色々な不安を抱えながら、外出もままならず家の中に家族みんながずっといるという状況は、やっぱり大変なことも多いし心身疲れも溜まってくると思います。
毎日を乗り切って行くため色々と試行錯誤しているつもりですが、だからこそうまくいかない日があると落ち込んでしまうし、時にはなんで子ども達に伝わらないんだろうと腹が立ったり悲しくなったりもします。
「”子ども達が家にいる今だからこそできること”をしよう」と頑張ったり工夫したりすることはもちろん素晴らしいことですが、緊急事態が長丁場になっているからこそ、今回は本当に「無理をしない」ことも大切なのかもしれないと痛感しています。
そしてきっと子どもたちは子どもたちなりに、普段とは違う今の状況をやはり懸命に過ごしているのだと思います。
自分にも周りにもちょっと甘くすること、そして基本的なことですが、よく寝てきちんと食べて、疲れをちゃんと取るように心掛けることも本当に重要だと感じます。
大人でも、しんどい時は泣いたり怒ったり、時には感情を爆発させてしまうことがあっても(危険のない範囲内で…)良いのではないか。お互い失敗してしまうこともあるけれど、家族だからこそそれを受け止めあって、今だからこそちょっと大目に見合って、また気持ちを新たにやり直せばいいのではないかと思った出来事でした。
我が家は思わぬ事態に発展してしまいましたが(笑)、少ない材料でわりと簡単に大がかりなものを作ることができ、子ども達の創造性が発揮できる「新聞紙テント」、作業中は無心になれるという意味でもオススメです。
やることが見つからない日があったら、是非お子さんと一緒に挑戦してみてはいかがでしょうか?
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佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。