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FOOD

【NYで子育て】我が家の新定番、ガレット・デ・ロワ

  • 田辺幸恵

2020.01.31

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フレンス伝統の運試し

ニューヨークでは1月2日から学校も仕事もスタート。正月三が日気分も味わえず、ただ月が変わっただけのように慌ただしく「通常営業」に戻ります。

初詣に行けないかわりに、我が家にとって1月の新定番となりつつあるのが「ガレット・デ・ロワ」(Galette des Rois)です。日本でもかなり人気がでてきているようですが、みなさんは今年食べましたか?

ガレット・デ・ロワとは、1月6日の「公現祭」(聖書に登場する東方の三博士が幼かったキリストを礼拝し、贈り物をしたとされる日)に家族でパイを切り分けて食べる伝統行事。一般的には、アーモンドペーストが入ったパイを食べ、パイの中に入っている小さな陶器を見つけた人が「王様」「王女様」として、1年間幸せに過ごすことができます(その日だけ王様、王女様になれる、など諸説あるようです)。

陶器は「フェーブ」と呼ばれ、お店によって形や種類が違います。これを集めるのもフランス人にとって伝統のようです。

 

ニューヨークで食べるガレット・デ・ロワ

ニューヨークのフレンチベーカリーでは1月中はガレット・デ・ロワを置いているので、うちでは家族が揃う日に買うようにしています。

 

今年は2つ購入できました。

 

まずは、地元クイーンズ区にある名店のガレット・デ・ロワ。ここはパイ生地がすごく美味しくて、毎朝出来立てのクロワッサンやバゲットを求めて多くのお客さんで賑わっています。

地元の名店のガレット・デ・ロワ

買うと、ゴールドの王冠も一緒についてきます。サックサクのパイ生地であっという間に食べれちゃう。

店頭でも王冠付きのガレット・デ・ロワ

店頭でも王冠付き。9インチ(直径約23センチ)で28ドル。

 

去年は小さいサイズもあったのですが、今年は9インチ(約23センチ)のみ。どこにフェーブが隠れているか想像しながら、

 

「パイ生地が盛り上がってるところじゃない?」

 

「ちょっと色が濃くなってるところかもよー」

 

なんて言いながら、誰がどこを食べるか決めるのも楽しみの1つ。

我が家は3人なので9インチはちょっと大きいですが、食べる範囲を決めたら食べきらないとダメなのがルール。フェーブ目当てだけに大きく切り分けても、食べきらないといけません。(もちろん、食べきれない時は冷凍保存。おやつにしても、おめざにしても美味しいんです!)

 

で、今年は娘がゲット。祈りを捧げるような、女性のフェーブが出てきました。

こんな陶器がパイ1つに1個入っています。どんな陶器が出るかはお楽しみ。

 

2つ目は、マンハッタンにあるフレンチカフェのもの。ここは娘が通うフランス語教室の隣にあり、いつか頼んでみたいと思っていたところ。

サイズも大小あり、6インチ(約15センチ)の方をチョイス。フィリングもアーモンドペーストとアップルが選べ、今回はアップルをチョイス。

食べる範囲を決めたら、私が切り分けます。さあ、パイ入刀!と思ったら・・・。

 

サクッ、カチッ。なんか引っかかって切れない。

 

なんと、包丁を入れたとこが、まさにフェーブの場所!私が大当たり。フェーブ入りの部分は娘が食べましたが、大当たりの私こそ、2020年いいことありそうな予感です!

切って見たら、断面に陶器がチラッと見えていました!

お店によっては誤飲防止のため、フェーブは購入時に渡され食べるときに入れるというパイもありますが、私個人は「もしかして入ってるかも」とドキドキしながら食べるのが好きです。

 

ガレット・デ・ロワの出会いは年長さん

私がガレット・デ・ロワを知ったのは、娘が通っていたキンダガーデン(幼稚園年長)でフランス語を第2言語として選択したのがきっかけです。国連のインターナショナルスクール(United Nations International School、通称ユニス)のキンダガーテンだったのですが、この学校ではフランス語かスペイン語を選ぶことができました。

家では日本語オンリー。私も夫もフランス語に馴染みは全くありませんでしたが、なぜか当時娘は

「フレンチってフレンチフライでしょ」

と言い、何度意思を確認しても「フレンチを取りたい」とのことでフランス語を選択した経緯があります。選択言語の登録の際は、学校の事務の方に「あはは!毎回授業でフレンチフライは出ないわよ」なんて言われたものです。

学校の授業も、ただ言葉を教えるというより、文化を通じてフランスを好きになってほしいという先生の考えから、いろんな文化を体験させてもらいました。その1つがガレット・デ・ロワだったのです。ほかにも、シェフハットをつけて学校のキッチンでチョコレートクロワッサンを焼いたりクレープ作りをしたり、アートの授業と一緒にフランス出身の画家アンリ・マティスについて学んだりと、プログラムが豊かで本当に楽しそうな授業でした。

娘が5歳の時に通っていたキンダガーデンでのフランス語の授業で塗った絵。

この学校には経済的な理由でキンダガーテンの1年だけの在籍でしたが、娘はフランス語が大好きになり、ニューヨーク市の公立小学校に通う今も、週に1度フランス語のクラスを取っているのです。

キンダーガーテンでの経験から、言語の習得には文化的体験が重要だと感じたので、家でできることはしようと、ガレット・デ・ロワが1月の我が家の新定番になっているのです。

これまでに集まったフェーブはこちら。

この4年間で集まったフェーブ。右奥の女性と、右手前のお皿に乗ったケーキが今年出たもの。

 

1つ1つ違うフェーブとともに、家族の思い出も増えていっています。

 

田辺幸恵 Sachie Tanabe

ライター/ライフコーチ

1979年、北海道生まれ。スポーツ紙記者を経て2006年にアメリカへ。2011年にニューヨークで長女を出産。イヤイヤ期と仕事の両立に悩みコーチングを学び、NPO法人マザーズコーチジャパン認定講師に。趣味は地ビール探しとスポーツ観戦。夫と娘(8歳)の3人家族。

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