アクティブ男児たちがいるわが家にとって、コンサート、ましてやオーケストラなんて縁遠い存在だと思っていました。幼児向けのミニコンサートやカルテットなど、生演奏に触れる体験はありましたが、フルオーケストラともなると時間も長くなりますし、クラシックだと難しいし緊張しそう…と、ハードルは高くなる一方。いつか子どもたちも成長し、音楽や舞台をゆっくり楽しめる年齢になってきたら、生演奏の素晴らしさや迫力をぜひ少しずつ体験させてあげたいな…と、思っていたところディズニーのコンサートに出会いました。
ディズニーの曲をオーケストラが演奏するだけでなく、コンサートのスタイルそのものが多彩で、子どもから大人まで楽しめるジャンルが揃っているのです。オーケストラとヴォーカリストが共演するディズニー・オン・クラシックはじめ、映画をフルオーケストラで楽しむシネマ・コンサート、さらにはブラバンやジャズ、アカペラなどジャンルも多岐にわたり…なんと、全国で毎年100本以上(なんと2019年は180本以上も!)開催しているそう。そこで昨年末、サントリーホールで開催された『ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2019』へお招き頂きましたので、その時の様子をお伝えします。
リピーター率大のディズニー・オン・クラシックに初参戦!
ディズニー・オン・クラシックはなんと2002年から17年も続いている大人気コンサートで、全国で秋から年末にかけて年間約50公演も開催されています。とにかくリピーターが多く、プログラムに合わせたCDやライブ版のアルバムも発売されているので、人気の高さが伺えますね。
プログラムは2部制。第1部は東京ディズニーランド®の音楽やファンからのリクエストにお応えするオムニバス形式、休憩を挟んでからの第2部は、昨年、実写版が大ヒットした『アラジン』のアニメーション版を全編演奏…、と休憩をはさみ約2時間30分たっぷりの公演。残念ながら未就学児は入場できませんので、次男はお父さんと映画館へ。小学生になったら家族でデビューしたいと思います。
とにかく長男は『アラジン』が大好き。実写版は何度も見ていますし、その後もずっとサントラを聴いていたので終始ワクワク。それでもサントリーホールに着くと、案内の方がタキシード姿だったり、クロークでコートを預けたり…いつもと違うちょっぴり大人なサービスにドキドキしていた様子。
大ホールへ一歩入ると「わぁ!天井が高いねぇ」と小さな歓声が上がりました。木のぬくもりいっぱいの落ち着いた雰囲気と、ステージをぐるりと囲むスタイルが素敵です。さてさて、どんな音楽体験ができるのでしょう…?
フルオーケストラ×ヴォーカリストの世界観に引き込まれました!
オーケストラの生演奏って、迫力もちろんのこと、体の奥にまで心地よく響き渡ります。それにおなじみの曲でも目の前で演奏されると、普段聞こえていない楽器もどんどん聞こえてくるので超立体的。壮大さが違います!。そして何よりもヴォーカリストたちの多才なこと!歌って、踊って、演技して、ペンライトによる光の演出も相まって、一気に世界観に引き込まれました。
ナビゲーターの方からも途中、曲の説明があるので、長男の初めて出会う曲も楽しんで聞けていた様子。東京ディズニーランド®のショー『ワンマンズ・ドリームⅡ-ザ・マジック・リブズ・オン-』より「ワン・マンズ・ドリーム」や『メリーポピンズ リターンズ』より「メリー・ポピンズ リターンズ 序曲」、リクエストから選ばれた『トイストーリー』の「幻の旅」やもうすぐ実写版が公開される『ムーラン』の「闘志を燃やせ!」、『ファンタジア/2000』から交響詩「ローマの松」などなど、名曲ばかり9曲が繰り広げられました。
そして後半は待ちに待った『アラジン』です。あのエキゾチックなイントロ「アラビアン・ナイト」からスタートして、全30曲聞くことができました。アニメ版の画像や動画もスクリーンには流れていますが、目の前でヴォーカリストたちが役になりきって歌ってくれますし台詞も演技もあるので、まるでミュージカルを見ている気分に。アラジンが市場を逃げ回る「ひと足お先に」やジーニーの登場の「フレンド・ライク・ミー」はもう大盛り上がりの大合唱!
そして、「ホール・ニュー・ワールド」は言わずもがな、ロマンチックでしたね…!とにかくあっという間の2時間半、長男と一緒に夢の世界を楽しめました。「初めてのコンサートだったけど楽しめたよ。すごく音楽に迫力あったのでまた行きたい!」と長男の充足した表情が忘れられません。贅沢なひと時を過ごせました。
映画全編上映×オーケストラ生演奏=シネマ・コンサートが拡大中!
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のシネマ・コンサートも東京国際フォーラムで鑑賞しました。こちらは先ほどのディズニー・オン・クラシックと違って、オーケストラのバックの巨大スクリーンで映画が全編上映され、それに合わせてフルオーケストラが演奏するという、なんとも職人技溢れるコンサート。(こちらのシネマ・コンサートは3歳以上入場可能)
子どもたちも大好きなスター・ウォーズが、東京フィルハーモニー交響楽団による生演奏を聴きながら観られるなんて!現在上映中の最新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』公開前でしたので、少しお祭り気分を味わうため、なりきっていきました。こちらもどんな体験になるのやら。
あのオープニング・クロールが流れた瞬間、家族みんなで顔を見合わせて大喜び!鳥肌ものでした!それにしても映画音楽家のジョン・ウィリアムズさんの曲はなんて壮大で情景的なのでしょう。いつもなら意識していないBGMも、どんどん入ってくるので、映画館とはまた全く違った臨場感。演奏も気になるし、内容も気になるし、どうやって映像と合わせているんだろうとか、指揮者や奏者の動きも若干気になって脳内は常時フル回転。神経を張り巡らせていたのでしょう、大人は終わったあとは脱力感でいっぱいでした笑。
オーケストラコンサートとひと言で言っても、こんなにも楽しみ方が多様化しているなんて…驚きでした。子どもたちも好きな作品からそれぞれデビューできましたし、いつも見ていた映画やDVDもまた違った角度で楽しめるようになったのではないでしょうか。家族で一緒に感動を味わえる、とても良い体験となりました。小学生になったらオーケストラコンサートオススメですよ。(作品によって年齢対象が異なりますので、注意してご確認ください)
今回ご紹介した2つのコンサートはもう終演していますが、今後もたくさんのディズニーコンサートがありますのでHPでご確認を。中でもオススメなのが2月22日(土)23日(日)と横浜アリーナで行われます『美女と野獣』イン・コンサート。スペシャルゲストに作曲家であるアラン・メンケン氏と主人公ベルのオリジナルキャストであるペイジ・オハラさんが登場します。そしてベル役に上白石萌音さん、ルミエールに横山だいすけさん、ポット夫人役にクリスタル ケイさん…と、とって豪華なキャスト陣。これからオーケストラデビューしたいご家族はぜひチェックしてください!
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飯田りえ Rie Iida
ライター
1978年、兵庫県生まれ。女性誌&MOOK編集者を経て上京後、フリーランスに。雑誌・WEBなどで子育てや教育、食や旅などのテーマを中心に編執筆を手がける。「幼少期はとことん家族で遊ぶ!」を信条に、夫とボーイズ2人とアクティブに過ごす日々。