もはや国民病ともいわれるほど、何かしらのアレルギーを持っている人が増えている昨今。アレルギーの予防や緩和には、毎日の掃除・洗濯にちょっとしたコツが必要です。
住生活ジャーナリストの藤原千秋さん、環境アレルゲンinfo and care株式会社代表の白井秀治さんのお二人に、住まいのアレルゲンについてうかがいました!
アレルギーに詳しい2人に聞く!
換気・掃除・洗濯の三拍子で、住まいのアレルゲンを撃退

(左)藤原千秋さん
住生活ジャーナリスト。主に住まいや暮らしまわりについて取材、執筆。毎日の掃除洗濯からアレルギー対策まで守備範囲は多岐にわたる。3人の娘全員アレルギー持ちという悩みが。
(右)白井秀治さん
環境アレルゲンinfo and care株式会社代表。環境アレルゲンセンターセンター長。20年以上にわたり住まいのアレルゲンについて研究を続け、室内環境整備の啓蒙活動に尽力。
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藤原さん「うちは3人の娘が全員アレルギー持ちで、アレルギーと戦ってきて10年以上にもなります。わが家もしかりですが、昔よりもアレルギーの人って増えていますよね?」
白井さん「確かに増えています。最近は花粉症になる幼児も増え、割合とあわせて低年齢化もいわれています。私が専門的に研究しているダニに関しても、高温多湿の環境を好む性質から、夏場に増え、秋になってそのフンや死骸でアレルギーが強く出る場合もありましたが、今はそう限りません」
藤原さん「冬や春先でもダニアレルギーで悩む人が増えましたね。それはなぜですか?」
白井さん「現代の住まいは快適さを追求して、冬場も暖房や加湿器で暖かい温度や高い湿度が保たれています。それはダニにとっても『住みやすい環境』なんです」
藤原さん「本来は少ないはずの冬場でも、ダニが減らないんですね」
白井さん「また、かつての日本の家屋は隙間が多く、気密性が低かったこともあり、空気の入れ換わりが自然にありました。
ところが近年は住宅の気密性が上がり、自然な空気の入れ換わりが減った結果、ダニのフンや死骸などを含んだほこりがなかなか室内から出ていかなくなったのです。一度室内に入った花粉もなかなか出ていきません」
藤原さん「換気は大事なんですね。でも、花粉が入ってくるから窓は開けたくない、という人がこの時期は多そうですが」
白井さん「気持ちはわかりますが、やはり換気は大切。そのうえで、毎日の掃除・洗濯や住まいの工夫でアレルゲン(アレルギーの原因物質)を減らすことも並行させましょう。ダニに関しては、その量や死骸、フンを減らすとともに、生きているダニを寄せつけない対策も必要です」
藤原さん「現代の環境を考えると、今アレルギーがない人もいつ出てもおかしくない。予防的な意味でもアレルゲン対策の掃除・洗濯の実践をおすすめしたいですね」
住まいの4大アレルゲン
家の中のアレルギー物質が多い場所をCHECK!

住まいの4大アレルゲン1ダニ

目では見えないほど小さく、発生源は寝具やカーペットなど家の中。ダニそのものより、フンやその死骸がアレルギーを起こしやすい。
住まいの4大アレルゲン2花粉

この時期気をつけたいのはスギ花粉。主に空気の流れや人に付着して屋外から入ってくるので、出入口付近にたまりやすい。
住まいの4大アレルゲン3ペット

猫や犬、うさぎなどのフケや唾液、毛、分泌物(ホルモンなど)がアレルゲンに。室内で飼っているとよりアレルギー症状が出やすい。
住まいの4大アレルゲン4カビ

高温多湿の環境で増えやすく、エアコンや加湿された室内なら冬場でも繁殖。特に結露しやすい窓辺や押し入れの中などは要注意。
住まいのアレルゲンの中で、要注意なのがダニ!
家の中のアイテム別ダニ発生量

出典:白井秀治
住まいのアレルゲンの中で、一年を通して要注意なのがダニ。
毛足のある布製品や布に綿などを詰め込んだものに潜みやすいという特徴があり、寝具など触れる機会が多いものほどダニが多いことが判明!
撮影/齊藤晴香 イラストレーション/松元まり子 取材・原文/遊佐信子
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