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LIFE

津島千佳

日本初の泊まれる猫カフェで、不幸な猫を減らそう!

  • 津島千佳

2017.01.07

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2016年10月に東京・板橋区の住宅街にオープンした『CAT’S INN TOKYO(キャッツ イン トウキョウ)』は、ゲストハウス併設の猫カフェ。猫カフェに泊まれるだけでも新しいのに、ここに遊びに来ることが社会貢献になるとのこと。それってどういうこと? その理由を探りに猫に会いに行ってきました。

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路面店だからベビーカーでも入店しやすい

雑居ビルの中にある猫カフェだと子連れは入りにくいこともありますが、こちらは小さな子供連れでも入店しやすい路面店。窓が大きく、店内がよく見えるのも安心です。

窓には今いる猫のポスターが貼ってあります。

窓には今いる猫のポスターが貼ってあります。

店内入って右手が猫と遊べるスペース。

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大きなキャットタワーや、猫が走り回れて身を隠せる構造のキャットウォークがあるコンパクトな作り。

左手が、最大4人が泊まれるゲストハウススペースです(ベッドは3台)。

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猫の里親探しを目的にした猫カフェ

『泊まれる猫カフェ』のコンセプトは新しいけれど、どこが社会貢献になるのか。それは猫にあります。こちらは杉並区の動物保護団体と連携しており、すべて保護されてきた猫たちなのです。

取材時は総勢7匹がいました。

取材時は総勢7匹がいました。

ここの猫は常に里親を募集中。宿泊施設があるのも『里親研修』として猫との暮らしやお世話を体験し、猫についての講義を受けるため。大変さや楽しさを体感することで、実際に猫を飼う前の心構えができます。猫と長時間一緒にすごすことで相性をはかる簡単なトライアルも兼ねているのです。

通常の猫カフェだと滞在時間は数時間のうえ、猫は独立心が強いので、よっぽど人間に慣れた猫か、猫寄せができる人間でもない限り抱っこするのも難しい。その点、宿泊したら半日は一緒にいられるから少しは猫の正体もわかるし、接触もできるかもしれません。

取材時にいた7匹の猫のうち、小さな4匹は兄弟で元野良猫。母猫は避妊手術の後、元の場所へ。大きな3匹は避妊去勢せず複数の猫を室内で飼育して大繁殖してしまい、手に負えない状態になってしまった『多頭飼育崩壊』現場から引き取られたもの。

全頭避妊去勢手術をし、ワクチンや血液検査、駆虫、シャンプーも済んでいます。猫の身元を証明するマイクロチップも挿入されています。

店内に張り巡らされたキャットタワー。これは保護猫2匹の里親になってくれた建築士さんが作ってくれたのだとか。

店内に張り巡らされたキャットタワー。これは保護猫2匹の里親になってくれた建築士さんが作ってくれたのだとか。

里親になりたい場合、一般的な保護猫譲渡と同じ手順を踏みます。お店に里親希望の申込みをした後、スタッフが家庭を訪問していろいろとヒアリングし、猫との生活に必要なグッズなどを伝えます。家庭の受け入れ準備ができたら2〜3週間のトライアルを経て、その猫を家族として迎え入れるかどうかを家庭とお店の双方で判断するという流れ。

手続きを煩雑に感じるかもしれませんが、猫と人間の双方が幸せになるためには慎重なステップが必要。

取材時はオープンしてから約1カ月でしたが、早くも2匹がもらわれていったとのこと。

猫だけでなく、すべての不幸な動物をなくしたい

オーナーの藍智子さんがこのゲストハウスを開いた経緯もユニーク。

もともと編集者やライターとして活動をしていましたが、3.11で福島の原発避難地域に取り残された動物がたくさんいることを知り、保護活動を開始。しばらくすると、猫の飼い主からの保護依頼が増えたものの飼い主の避難先はペット禁止が多く、藍さんが里親探しもするように。

里親探しをしていると都内にペット共生可の物件が少ないことに気づき、ペットと暮らせる賃貸物件を取り扱う不動産業をスタート。不動産業を営むなかで猫カフェオーナーを探している物件と出合い、今に至るそう。

東京・神保町にある姉川書店内にある猫専門セレクトブックスペースの『神保町にゃんこ堂』が選んだ書籍もラインナップ。

東京・神保町にある姉川書店内にある猫専門セレクトブックスペースの『神保町にゃんこ堂』が選んだ書籍もラインナップ。

ざっと藍さんのこれまでを振り返りましたが、もちろんそんな簡単な話ではありません。

「猫の保護活動をしていくなかで、保健所で処分される猫や犬のことも詳しく知るようになりました。猫のゲストハウスを運営していますが、人間も含めて動物は全部平等だと思っています。それなのに人間のエゴで猫や犬に産ませているのに殺処分っておかしい。猫ブームで飼いたい人もいると思いますが、ペットショップやブリーダーではなく、保健所で引き取ったり、うちのお店にいるような保護猫の里親になるという方法もあることを知ってほしいです」(藍さん)

『SOTONEKO JAPAN』をはじめとする、猫グッズも販売中。

保護猫や社会貢献と聞くと難しそうな印象を受けますが、気軽に猫と触れ合いたいって時に遊びに行くだけでももちろんOK。

「子供の頃から猫と触れ合うとやさしい大人になれる気がします。うちの息子は一人っ子で私はシングルマザーでしたが、猫がいることで『寂しい思いをあまりせずにすんだ、猫に救われた』と言っています。

猫のことを知ってもらうための子供向けワークショップも開催していますので、ぜひ遊びに来てください」(藍さん)

私も猫不足を感じた時に、また遊びに行きます!

 

CAT’S INN TOKYO

住所:東京都板橋区宮本町52-2 CATSUDI 1F

営業時間:11:00〜19:00(最終受付時間は閉店30分前まで。営業時間が異なる日もあります。営業時間はブログで確認してください)

休業日:月曜(週によって変わることがあります)

利用料金:入会料¥500、30分¥500、セルフドリンク¥150〜

宿泊料金:1人1泊¥6000(税込)~、チェックアウト時に清掃代1部屋¥6,000

問い合わせ=050-5278-0663

http://ameblo.jp/cats-inn-tokyo/

https://www.facebook.com/CAT.INN.TOKYO/

https://www.airbnb.jp/rooms/13253505

※宿泊は女性専用。未就学児の宿泊はお問い合わせください。

津島千佳 Tica Tsushima

ライター

1981年香川県生まれ。主にファッションやライフスタイル、インタビュー分野で活動中。夫婦揃って8月1日生まれ。‘15年生まれの息子は空気を読まず8月2日に誕生。

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