「バイキン」とは何もの?
「バイキン」って「悪いもの」。私たちはごく幼い頃から知っていましたよね。
だから「バイキン」がついたものを食べないよう、「バイキン」が身体の中に不用意に入らないように。
それがいっぱいついているらしい手のひらは石けんでしっかり洗い、風邪のもとになるからとうがいをし、お口のなかにいるやつは虫歯の原因になるので歯磨きもし、日々お風呂に入り、まめに洗濯された清潔な服を着るのです。
ところでしかし、この「バイキン」とやらの正体。果たして何ものであるか? 子どもに尋ねられたとして、すらすらと答えることはできますか?
「えーと、キンって、いわゆる菌でしょ?」
「ではバイって何です?」
「???」
漢字で書くと、「バイキン」は「黴菌」。
黴はカビとも読みます。カビ+菌すなわちバイキンなのです。
「バイキン」の害
でも、すべての「カビ」や「菌」が一概に「悪いもの」「不潔なもの」というわけではありません。お味噌やお醤油、日本酒を作るときに使う「コウジカビ」だって黴ですし、ヨーグルトを作る「乳酸菌」、納豆を作る「納豆菌」だって菌なのですから。
とはいえ、カビアレルギーをもたらす黒カビ(クラドスポリウム)や、食中毒や肺炎、皮膚感染症をもたらす黄色ブドウ球菌や、膀胱炎や腎盂炎、下痢などをもたらす大腸菌などの菌を生活環境に「放置」することは、衛生上とても危険なことです。
ウイルスと違って「カビ」も「菌(細菌)」も、人体の外の環境でも増えます(人体内で増えることもあります)。カビよりはるかに原始的な菌は2倍…2倍と増えていきます。
大腸菌は、私たちの体温くらいの温かさのもとでは、だいたい20分に1回のペースで2倍になるそうです。つまり1時間で8倍。2時間で64倍。3時間で512倍。……24時間経てば1000億の100億倍にまで増える……と言われても、まあ何のことやらですよね。
とにかくは、この害を及ぼす細菌は、ゆめゆめ放置しない、増えるのを邪魔する、なるべく減らす、できれば殺す、などのアクションを取るのが、私たちの健康を守る上ではとても大切。
「バイキン」というワードはユーモラスな面がありますが、その実態はなかなかにシリアスなのです。
私たちにできる「バイキン」退治、「除菌」
そのような「バイキン」へのアクション、対策として、私たちにもっとも採りやすいのは「除菌」とよばれる行為です。
厳密な意味でのいわゆる「殺菌」「滅菌」という営みは、医療現場など以外では現実的でありません。「消毒」というのも、実は薬事的な言葉だったりします。
そういった点でいえば「除菌」というのは、若干ふんわりした意味合いをまとう言葉・作業かも知れません。ある対象物(物体、液体など)から、そこに含まれる細菌(微生物)の数を減らすことをいいますが、言葉の定義上そこに「カビ(の胞子)」は含まれません。
「除菌」と言われたら、細菌を除く(減らす)という意味なんだな、と理解してください。
「除菌」の方法
「除菌」にかかる薬剤や道具はいろいろあります。ある意味、清潔な流水(水道水)だって、除菌の道具になります。水道水自体が消毒済だからです。
とはいえ水道水がないところで、あるいは流水のようにふんだんに使えない状況で、総合的に菌を減らす…「除菌」をしたい時、除菌剤のたぐいが役に立ちます。
いわゆる消毒用エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩素系漂白剤などを主成分としたものがよく知られていますが、各々、往々にしてその除菌したい対象物に影響を与えてしまうリスクを負っています。変形や変色、脱色などといったことです。
除菌対象の素材に及ぼす影響、またその作業を行う際の安全性(手などの皮膚への影響)をなるべくなくすことと、適切に菌を減らすことというのは、なかなか両立しにくいもの。
ホントかなあ、そんなうまいことなかなか……って思いますよね。
変形変色、脱色などの恐れを極力減らした「除菌剤」Joan(ジョアン)
そういったところに打ち出された花王『Joan(ジョアン)』という新しい商品群は、「発酵乳酸」という、独特な主成分をもって除菌効果(ついでに抗菌)をもたらすものだといいます。ほんと?!
とはいえ使い心地は、文字通り新しい。いわゆる除菌剤っぽい刺激臭のないスプレー(むしろローズマリーの、いい匂い)も、皮膚刺激がほとんど無いふわふわシートも、「効いてそう」より、使って「気持ちいい」のほうに傾いています。その無害っぽさが「新しい」のです。
などとあんまりほめるとステマっぽくなるので難しいのですけど、この「新しさ」は体感してみてもいいのではないかというのが、こういった家事グッズを数千(!)単位で使い比べてきたオタクの意見。
残念ながらこの掌を拭いても、このテーブルを拭いても、菌が「ぎゃー」と死滅するのが目に見えるわけではありません。しかしこの気持ちよさの先に、かの「バイキン」たちとの確かな別離があるのであれば、試してみる価値があるのではないかと思うのです。
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