美しく、美味しい、クリスマスコレクション。
世界のトップショコラティエ、ニコラ・クロワゾーさんインタビュー
日本でも大人気の、トップショコラトリー「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」。冬にぴったりの、めくるめく夢の世界のようなクリスマスコレクション「セルクル ポレール」を紹介。そしてそれを作り上げたショコラティエ、ニコラ・クロワゾーさん。その技術に迫るインタビューをお届けします。
2000個の穴が織り成す、ロマンティックな冬景色
上写真の「ブール ノエル ラ ネージュ」は、このクリスマスのイメージシンボルといえる作品。M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)取得のシェフ・パティシエ・ショコラティエ、ニコラ・クロワゾーさんの手によって、わずか20個だけ制作されたもの。土台となっているのは大きな飾り玉チョコレート。そこには、向こうが透けてみえるほどの2,000個の穴が施されています。内側を覗いてみると、150個に及ぶ雪の結晶がひらひらと落ちてくる様子を、ホッキョクグマが物憂げに眺めている彫像が。コレクションタイトルでもある「セルクル ポレール=北極星」を表現した、まさしくチョコレートの芸術品です。
スペシャルなアートピースをあなたの手元にも。
残念ながら「ブール ノエル ラ ネージュ」は非売品ですが、同じ技術と材料で作られた小さいサイズの「フロコン エテルネル」はいかが? ダーク、ミルク、ホワイトチョコを、金箔やビロード風、光沢、サテン調に仕上げた11個の雪の結晶。それらを組み合わせたアートピースは、重層的な美しさだけでなく、味も保証付き。ノエルのプレゼントにしたら、最高の笑顔が生まれそう!
チョコレートの芸術家、
ニコラ・クロワゾー氏にインタビュー
_ショコラティエになった経緯は?
フランス菓子全般を学び、ケーキ職人になりましたが、いろいろ作っていくなかで、チョコレートに夢中になりました。流したり、型に入れたりという、変幻自在な素材そのものが魅力ですね。私は1996年にメゾンの一員に加わり、2012年にシェフとなりました。23年間、チョコレートをつくっています。
_クリスマスはやはり特別な想いが込められているのではないでしょうか
そうですね。作品のなかでも、とくにクリスマスは作り上げるまでに時間を要します。数年、時には5年かかることもありますよ。アイディアやイメージを膨らませ、熟成し、豊かにして、完成させていくのです。
_2019年はどのようなイメージだったのでしょうか
最初に閃いたのは、雪の舞うスノードームでした。雪がハラハラと落ちていく、時の動きをチョコレートで表現してみたいと考えたのです。そこで、流れる結晶をちりばめて、それを眺めているホッキョクグマをつくりました。穴は2000個にも及びます。すべて手作業なので、ひとつを完成させるのに一週間かかってしまうんですよ。
_クロワゾーさんのチョコレートには、この穴あけ技術が多く使われていますね
これは私の、そしてラ・メゾン・デュ・ショコラの、シグネチャー(署名)のようなものですね。いろいろと方法や道具を模索し、技術を完成させました。ドリルをつかって開けるのですが、長時間の作業になりますし、強い集中力も必要です。
_色、サイズの異なる結晶が重なりあっています
ダーク、ホワイト、ミルク・・・と味を変えただけでなく、異なる仕上げを施したので、食感の違いも楽しんでもらえます。そして食べ終わる頃には、美味しいサプライズがあるんです。底の部分に、キャラメリゼしたアーモンドを忍ばせているんです。きっと楽しんでもらえるはずです。
_アドベントカレンダーも素敵です
アドベントカレンダーは、やはりクリスマスには欠かせないものですよね。毎年買ってくださるお客様も多いんですよ。メインビジュアルにもつかっているホッキョクグマのイラストレーションは、信頼を寄せるフランス人イラストレーター、ボリス・ザイオンに描き下ろしてもらったもの。彼は動物を表現するのがとても上手なので、依頼したんです。中には、子供から大人まで楽しめる、秋に発表した新作のタブレットが入っているんですよ。
_今までのタブレットと、どう違うのでしょうか。
今までもタブレット(板チョコレート)はありましたが、もっと違う切り口で作ってみたいと思いました。新しいタブレットは6種類。二層にしたり、大ぶりなトッピングを載せたりと、食感の違いや素材の組み合わせを楽しめるよう工夫しました。今までのタブレットは型に入れて作っていたのですが、このシリーズは大きくシート状に作ったものをカットすることで、横から見た時に切り口がとても美しい。そこにもこだわりました。
_長い歴史のラ・メゾン・デュ・ショコラですが、常に新しいものを作ることも求められますね
そうですね。創始者ロベール・ランクスが、ラ・メゾン・デュ・ショコラを創立したのは、1977年のことです。そこから受け継がれてきたコード(=伝統)を守りながら、現代的なニュアンスを追加していくんです。タブレットの場合は、ロゴや紙の質感などはこれまでと同様に、一方で色をビビッドにしたり、名前を少しユニークなものにしたりと工夫を凝らしました。
昔からいるファンの期待を裏切らないクオリティ。そこに、遊び心や冒険をプラスする。ラ・メゾン・デュ・ショコラのクリエーションの数々は、気さくで親しみのあるクロワゾーさんの人柄とともに、これからも魅了することでしょう。初春には、バレンタインコレクションの紹介とともに、インタビュー後編もお届け予定です。そちらもお楽しみに!
<ラ・メゾン・デュ・ショコラについて>
1977年創業のショコラ専門店。2012年からシェフ・パティシエ・ショコラティエに創始者ロベール・ランクスの右腕として長年活躍してきたM.O.F.職人ニコラ・クロワゾーが就任し、クリエイティブでアーティスティックなショコラを追求し続けています。ラ・メゾン・デュ・ショコラのチョコレートは、すべて熟練の職人によってパリのアトリエで手作りされています。個々のチョコレートのテーマに合わせて選び抜いた最高品質のカカオを使用。チョコレート自身が持つ個性と特徴が存分に引き出された絶妙のバランスに生み出されます。最初のひと口から口の中で溶ける最後の瞬間まで完璧な味わいと独創的なバランスが楽しめるクリエイション、それがラ・メゾン・デュ・ショコラが誇る伝統と技術の結晶です。
ラ・メゾン・デュ・ショコラ
https://www.lamaisonduchocolat.co.jp
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峰典子 Noriko Mine
ライター/コピーライター
1984年、神奈川県生まれ。映画や音楽レビュー、企業のブランディングなどを手がける。子どもとの休日は、書店か映画館のインドアコースが定番。フードユニットrakkoとしての活動も。夫、5歳の息子との3人家族。