いしいしんじさんの短編集「マリアさま」。次々と繰り出される小さくて不思議な世界は、親子の対話と想像力を膨らませる時間にピッタリ! 他3編
2019.11.11

一話10ページ前後の「小さな物語」に親子で会話が弾みそうな一冊
『マリアさま』いしいしんじ ¥1500/リトルモア

「少し不思議な読み物に触れたい」という気分のときにおすすめなのが、いしいしんじさんの小説だ。いしいさんは1994年にデビュー。以来、現実とファンタジーが入り混じったような物語を、コツコツと書いては世の中に発表し続けている作家である。
そんないしいさんの約3年ぶりの小説は、10ページほどの短いお話が、27個詰まった短編集。どのお話も完全に独立した「小さな世界」になっている。物語の主人公は人間とは限らない。時には公園という場所に居心地の悪さを感じる犬だったりする。また、孫が思い出したように語り出す祖父の人生の一部や、明治時代の俳人・正岡子規が、現代の東京ドームへ野球観戦へ行くなんて話もある。
こうして次々と繰り出される「小さくて不思議な世界」を読むうちに、自分もその物語の中に入っている気分になったり、語り手に寄り添い耳を傾ける一員になったような気持ちになることも。わずか10ページのお話を読むたびに、思いもよらない感覚を味わえるのが本著の大きな魅力。
長編や大作を読んでその世界観に浸るのも読書の醍醐味のひとつだけれども、本作のような「小さな物語」に触れ、そこで自分が何を感じたかを考えるのも、本を読む楽しさのひとつかもしれない。
27個ある物語は、基本的には大人の読者に向けて書かれたもの。けれども、そこまで難しい漢字は使われておらず、どちらかといえば、優しくて柔らかい言葉づかいの物語が多い。LEE読者が本著に触れるのならば、まずはすべてのお話を読んでみて、その中から気になったものを、子どもに読み聞かせしてあげてもいいかもしれない。実はいしいさんは、大人と子どもが共有できる作品に贈られる坪田譲治文学賞も受賞している。読み聞かせをしながら、「この物語、その先はどうなったと思う?」「自分が主人公だったら?」などと、親子の対話と想像力を膨らませる時間にもピッタリの一冊となりそう!
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取材・原文/石井絵里
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