“堀江純子のスタア☆劇場”
VOL.2:s**t kingz
アメリカ最大級のダンスコンテスト『BODY ROCK』で2010年・2011年と2年連続優勝し、世界のダンスシーンに一気にその名を鳴らしめたs**t kingz(シットキングス)。MTV、VMAJではマライア・キャリーのバックダンサーを務め、北米、ヨーロッパでもパフォーマンスを披露。もちろん日本でも数多くのアーティストの振付、演出をし、エンタメ業界、ダンスファンからは早くから注目を浴びてきたs**t kingz…シッキンは昨年もLEEwebに登場! 担当編集に「超スーパーダンスグループの彼らは、トーク力も抜群」と聞きつけて、私もぜひトークさせていただきたいと、スタア☆劇場第2回にお招きしました。
撮影時には、シャッター音ごとにポージングを変えてくる4人!! 事前打ち合わせも、撮影中に相談することもなく、ポーズの被りはなし。体勢や手さばきの変化はもちろんのこと、伸びるしゃがむと、高低差まで出してくる、なんつーグラビア写真プレイ。多くの撮影に立ち会ってきたけれど、こんな光景初めて!!と、驚かされるところから始まりました!
s**t kingz(シットキングス)●shoji、kazuki、NOPPO、Oguri の4人で構成される世界が注目するダンスパ フォーマンスユニット。
4人が出場したアメリカ最大のダンスコンテスト「BODY ROCK」では、2010年、2011年と連続優勝。世界各国からオファーが殺到し、これまで20カ国以上を訪問。その評判からマツコ・デラックスが「s**tkingzは私のアイドル」と公言し「辛口のマツコが絶賛!」という紹介のもと「行列のできる法律相談所」に出演。オリジナルの舞台公演は毎回大好評で、2018年秋の第4作目となる「The Library」では、全国7都市・全30公演 が行われ約25000人を動員。また、AAA、BoA、E-girls、Hey!Say!Jump、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、SHINee、SUPERJUNIOR、関ジャニ∞、東方神起、三浦大知など、多くのアーティストの振付を約200曲以上手がけている。
シャッター音鳴る度にポーズ変えてます
――このようなお見事すぎる写真プレイはいつから? これは毎度のことなんですか?(笑)
全員「プレイー(爆笑)」
NOPPO「いつのまにか始まってました」
kazuki「気付けばね(笑)」
Oguri「写真プレイすると、撮ってくださる方の反応がよくて。それが気持ちいいんですよ」
shoji「以前撮影して頂いたカメラマンさんに“シャッター音鳴るたびにポーズ変えてみてください”って言われて。それから、毎回やるようになった…かな?」
Oguri「カメラマンさんが、僕らがポーズを変えるたびに、お! おお!!って、声あげてくださるのがうれしくて」
――さすがでした。ポーズ被りなく、4人のバランスも良く、こんなところにまで阿吽の呼吸!!
Oguri「職人と呼んでください(笑)」
――これ、伝統芸になりますよ。
kazuki「結構長くやってきてますから(笑)」
shoji「じゃあ、ワークショップでも開きますか!」
今年のクリスマスはダンスの押し売り 『メリーオドリマX’mas』!
――ご紹介遅れましたが、ライターの堀江純子と申します。踊る男子が大好きです。
全員「ありがとうございまーす!」
kazuki「じゃあ一発踊っとこうか(笑)」
――やったー!って言いたいところですが、私が独り占めするわけにはいかないのでインタビューを(笑)。今年のクリスマスは、『メリーオドリマX’mas』でシッキン踊りまくるぞ!!って噂を聞きつけております。
NOPPO「そうです。踊ります!」
――最近の演目ではストーリー性のあるダンスが続いていましたが。今回は、「踊るぞ!」という決意で?
Oguri「お芝居はナシにして、真骨頂といいますか。ダンサーとしてあるべき姿で“踊るぞ!”って覚悟を決めました」
shoji「本当に、ストーリーの中でのダンスが続いていて。シーンごとにダンスを使って表現する…ということをやってきましたが、今年のクリスマスは、改めて勢いのあるs**t kingzと言いますか。思い切りカッコつけたもの、思い切り甘いもの…いろんなダンスを見せることができないかなと。そういうのをよくNOPPOが…ね」
NOPPO「ダンスの押し売り(笑)」
shoji「ただ、ダンスを見せつけられるだけでお客さんが、うわぁってならないように(笑)、s**t kingzが持ってるいろんなダンスを見せていきたいというのが、『メリーオドリマX’mas』。今年様々なフェスにも参加してライブから学んだことも含め、僕らの1年間の成長がダンスに集約されたものをお見せしたいと思ってます」
――s**t kingzみたいに上手くてカッコいいダンスなら、押し売り大歓迎なので、遠慮なく押し売っていただきたい。
kazuki「嬉しいです。そういう方が観に来てくださると(笑)」
shoji「“もういいって!”って言いながらもニヤニヤできると思います(笑)」
――世の中はちょうどX’masSALEの賑わい。あれもこれも欲張りたい時期です。むしろ、ひと足早いダンス福袋をいただくつもりで劇場に行きます。遠慮しないであれもこれも詰め込んでください。
kazuki「心強い!」
shoji「いいですね(笑)、ダンスの福袋。次からそう言います」
「今年イチの繊細さ感じてほしい」(Oguri)
――s**t kingzって描いてある福袋、s**t kingzサンタからの贈り物なら安心です(笑)。とは言え、せっかくなのでその内訳を知りたく…『メリーオドリマX’mas』に向けての個々のテーマ、目指すところを教えてください。
Oguri「じゃあ、私からいきますか。細かい表現だったり、繊細さだったり、雰囲気を作ることをいつも大事にしているので、今年イチの繊細さ感じてほしい……そういう気持ちで踊りたいですね」
――どんどんアダルティな魅力も増してきてますもんね。
Oguri「スン!ってしたいんです(笑)。その…スン!って感じに、こだわりを持ってるんです」
――スン!とした、大人なホーリーナイトになりそうですね。
Oguri「ホーリースン!をお届けします」
kazuki「ホーリースンって何が何だか(笑)」
shoji「意味わからない(笑)」
NOPPO「原型もわからない(笑)」
――このインタビュー読んだ人だけが、“これがホーリースンか”って気付くわけですよ。
Oguri「俺のホーリースン、探しにこいっ!!」
「大人の色気を思う存分出せるようなパフォーマンスを」(kazuki)
――kazukiさんはいかがですか?
kazuki「そうですね。ソロステージをやるって言っちゃってるんですけど、もう自分の中ではイメージ出来上がっていて。いつもセクシー、セクシー言っていただいてるので、そういうソロをやることも多いので。さらなるセクシーを……」
全員「ほー!!」
kazuki「ホーリーセクシーですか!?」
shoji「聖夜にみんなでセクシーの意味を考えよう(笑)」
――ダンスにセクシー必須です!
kazuki「大人の色気を思う存分出せるようなパフォーマンスができたらいいですね」
Oguri「でもKazukiの意外性もありそう」
kazuki「そうね。そうくるか感ね。まだ悩んでるけど、今予定していることがうまくいけば」
NOPPO「そうくるかセクシーね」
kazuki「ちょっとおもしろいことはしたいと思ってる」
「踊れる身体作ります」(NOPPO)
――NOPPOさんは?
NOPPO「俺はまだソロダンスについては漠然としか考えてなくて。まずは12月に向けて、踊れる身体を作ろうと」
kazuki「そっちの準備ね」
NOPPO「そう。おかげさまで追加公演も増えましたからね」
shoji「ありがとうございますー」
NOPPO「皆さんのおかげで」
Oguri「踊れる身体を見どころとして言ってるってことは、当日脱ぐ、ってことですか」
shoji「(割り込んで)脱ぎます!」
NOPPO「いやいやいやいや!!(笑)。脱がない! 見せる身体じゃなくて、動ける身体、筋肉を作りたいなと。あるんですよ、自分の納得がいく身体の状態って。そこを目指して走ったり、ジム行ったりしてますね。あとは自分なりのダンスをどう磨くか……すごい真面目な話になっちゃってる(笑)」
――ダンサーのボディって、見せ筋じゃなく使ってる筋肉だから素敵なんですよねー。リアリティがあって。
shoji「そうですね~。バレリーナの方とかそうですよね」
NOPPO「そうそう。この動きなんか素敵、なめらか…みたいな美学っていうのかな。鍛錬されてる動きを目指したいですね」
「“こんなs**t kingz見たことなかった!”っていう何かを残したい」(shoji)
――shojiさんは?
shoji「僕個人というよりは、s**t kingzとして“こんなs**t kingz見たことなかった!”っていう何かを残したい。今まで長く僕らを見てきてくれてきた方にも、“見たことないs**t kingz”があります」
――それは何かスペシャルを仕込む予定で?
shoji「仕込みに仕込みます(笑)」
Oguri「仕込みに仕込んで(笑)」
shoji「ホーリー仕込み、ですね」
全員「(爆笑)」
shoji「素敵な何かが仕込まれてます」
kazuki「下ごしらえがね(笑)」
――それが、ドカンと爆発する瞬間を期待しちゃう。
shoji「はい、あります! そのへんめっちゃ楽しみに来ていただけたら」
新しいダンスの観方を提案したい!
――大人になってダンスを始める人も子供たちも、今、日本のダンス人口は増える一方で。s**t kingzが見せるダンスの、無限の可能性はこれからより多くの人をとりこにすると思います。
shoji「お客さんを見ていても、ダンスが好きなんだなって思う瞬間が多々ありますね。こちらがダンスで誘い込むとお客さんがノリに来てくれるんですよ。今回、そういう客席とのキャッチボールを、もっともっとライブを通して見つけていきたいと思っています」
――声には出さないけれど、感性が動いで客席がいい意味でザワつく瞬間ってありますよね。
全員「うんうんうん(みな激しく頷く)」
Oguri「新しい、ダンスの観方を提案できたらいいですよね。音楽だとお客さんも手を上げて振るとか、アクションしやすいけど、ダンスだと鑑賞になりがちなんですよね。けどs**t kingzのライブは違う。新しい楽しみ方を見つけていきたい、」
――お客さんも汗かいて帰るぐらいの!
shoji「そうですよ。10年後20年後…“昔は座って見てるだけの時代があったらしいよ”って言われるぐらい。“ダンスを客席が立って見るの、シッキンが始めたんだって”とか。新しいスタイルをs**t kingzでたくさん見つけていけたらいいなと」
生活の中で活きるダンス!全国のママも踊りましょう!
――ちょっと昔は、男の子が踊りを習う場もバレエ教室と限られてたのが、今は子供たちがHIP HOPを習い、学校で踊り、時代は変わってきてますもんね。ダンス界の先陣の尽力は相当なものだと。
shoji「ホントそうだと思います。kazuki、NOPPOは小学生からダンス始めてたし。kazukiなんて、お母さんが踊るチャンスを作ったんだよね」
kazuki「アニキが今ダンサーなんですけど、そのアニキが小学生のときに“ダンスやりたい”って言い出して。けど、田舎だったから、ダンススタジオが近くにはなかったんですよ。なので、公民館を借りて、先生を呼んでサークル開いちゃおう、ダンススクールを作ろう、って、ウチの親が始めたんですよね」
――お母様、すごい!! お母様にもお話詳しくお聞きしたいです。
kazuki「めちゃめちゃ上手にしゃべると思います(笑)」
shoji「結果、息子2人ともダンサーになったもんね」
kazuki「最低5人会員がいないとレギュラーで公民館を借りることができなくて。俺はサークルの年齢制限でまだ参加できなくて、ウチのオカンが入り、アニキが入り、アニキの友達とそのお母さんとか、無理矢理5人集めるところから始めたんですよ。その後、俺も入り、会員はどんどん増えていって大きなサークルになったんですよね」
――踊る場がなければ作ればいい精神、素晴らしい!! そのエピソード、映画にできそう。
kazuki「ホント手作りで、最初はアニキのためにっていう始まりでした」
NOPPO「お母さん、いつもs**t kingzの公演観に来てくれるよね」
kazuki「全部観てるね。ステージママみたいな感じはぜんぜんなく、ただのお母さんなんだけど」
――お母様もきっと踊る男子がお好きだったんでしょうね。
kazuki「そういえば、マイケル・ジャクソン好きでした(笑)。今はどこでダンス踊りたいって思っても、踊る場所があるような時代になりましたよね」
――子供たちだけじゃなく、全国のママたちも踊ってほしいですね。
kazuki「自分で思うのは、踊る身体って、生活導線がラクになってることない?」
NOPPO「え? どういうこと?」
kazuki「例えば、トイレ出て、ドア閉めて電気消すまでの流れが、ひとつの回転の中に収まったりする」
全員「ああ~!」
Oguri「こう動いたら、次こうしてってイメージはできるね(笑)」
kazuki「手がふさがってる時、足を使ってドアの開け閉めするときとか、ダンスやってるからこう動けるんだな、って思うことあるよ」
shoji「いいね(笑)。生活の中で活きるダンス!」
――そんな意識で家事やってたら、ボディラインきれいになりそう。
kazuki「そうです。鍛えられます(笑)」
Oguri「しかも、わざわざスタジオまで行かなくても、家でできる」
kazuki「料理教室的なテンションで(笑)。手には洗濯物がたくさんあります。さて、この導線、どうやって行く?」
NOPPO「楽しそう~!」
――奥様向けワークショップもぜひお願いしたいです。運動神経悪くても大丈夫ですか?
shoji「僕は運動神経悪くて、最初は頭で考えちゃって大変でしたけど、ダンサーになれました(笑)」
kazuki「運動神経とはまた違った指令があるかも」
Oguri「たぶん、音楽、センス、身体、総合力が付くのがダンスだと思う」
shoji「自分の見せ方で、ごまかしたっていいんだよね」
NOPPO「楽しむことがまずはいちばん!」
噂通りトーク力抜群で、スーパーダンサー4人と私、ダンスおたくの座談会、楽しすぎていつまででも話せちゃいそうでした。ただ楽しい方々だっただけでなく皆さん紳士的で対話が丁寧で、そのお人柄が窺える座談会でもありました。「初めまして」と「今日はありがとうございました」のときは、全員が深々と頭を下げてご挨拶してくださる礼儀正しさ。真剣に踊りと向かい合っている方々らしい、どこか体育会系の律した精神も見えてきました。11月2.3日に放送『FNS27時間テレビ』では、グランドフィナーレの演出・振付をs**t kingzが担当。義務教育としてダンスが必修化されて以来、生徒よりもダンスに苦手意識を持つ先生が本気でダンスに挑む!という企画の中で、先生に真っ向から向き合う彼らの本気の姿を見ることができるでしょう。そして、セクシーで魅力的なs**t kingzは『メリーオドリマX’mas』で!! s**t kingzのこれからのさらなる展開に期待しています。
撮影/齊藤晴香
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堀江純子 Junko Horie
ライター
東京生まれ、東京育ち。6歳で宝塚歌劇を、7歳でバレエ初観劇。エンタメを愛し味わう礎は『コーラスライン』のザックの言葉と大浦みずきさん。『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』『エリザベート』『モーツァルト!』観劇は日本初演からのライフワーク。執筆はエンターテイメント全般。音楽、ドラマ、映画、演劇、ミュージカル、歌舞伎などのスタアインタビューは年間100本を優に超える。