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LIFE

津島千佳

10日間、東京の街がアート空間に! 「DESIGNART TOKYO 2019」

  • 津島千佳

2019.10.29

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表参道や渋谷、中目黒、六本木といった都内各エリアをアートで彩る日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO」。2017年から始まった同イベントは、世界中のアートやインテリア、ファッションなどが集結し、街歩きしながら芸術に触れる新しいスタイルのアート鑑賞です。
東京の街を回遊して、様々なアートに触れてほしいとの思いから「DESIGNART TOKYO 2019」より新エリアとして銀座と新宿が仲間入り。残念ながら会期は終了しましたが、銀座エリアで展示された作品をレポートします。

「トリー バーチ 銀座店」の内装に合う掛け軸!?

まずは本誌読者にもおなじみの「トリー バーチ」の銀座店へ。


こちらでは”暮らしとアート”をテーマに活動する抽象画家・吉田花子さんの作品が2点飾られています。吉田さんにとって「トリー バーチ」は学生時代からなじみのあったブランド。初めて銀座店に足を踏み入れた時、家に招かれた感覚になったそう。家に近い感覚のショップに合う作品として、踊り場を床の間に見立てて掛け軸2点を制作。そのテーマは、どちらも「WOMAN」。

2階へ向かう踊り場に飾られている作品。女性が行きていくうえでの悩みや不安が解消していく様子を表現。どこか血のように見える赤の使い方が印象的。

吉田さんのイメージや「トリー バーチ」の2019年秋冬コレクションテーマ「ブラック・マウンテン・カレッジ※」の色合いに合う古布を探し、見つけたのが江戸時代のもの。古色蒼然とした表具が生み出す時間の経過から「ブラック・マウンテン・カレッジ」を卒業したアート界の巨匠と「トリー バーチ」への敬意も表現しています。

3階へ向かう踊り場に飾られている作品。女性の力強さ、愛情深さを鮮やかな色使いで描いています。

ヨーロピアンモダンな店内と日本の伝統文化の一つである掛け軸。相反しながらも、どこか調和している、そのバランス感が絶妙です。

※1933年、アメリカで誕生した芸術学校。進歩的な芸術教育を行ない、文化・芸術活動の発展に寄与した。

「トリー バーチ 銀座店」
住所:東京都中央区銀座4-3-11
電話:03-3538-3538
営業時間:11:00~20:00

「サルヴァトーレ フェラガモ 銀座本店」に春日杉が調和

「サルヴァトーレ フェラガモ 銀座本店」では、建築家・美術家の佐野文彦さんの作品を展示。佐野さんは数寄屋大工だった経験を生かし、様々な木の個性を活かした表現活動をされており、ここでは春日大社で立ち枯れしていた春日杉を用いています。

使用した春日杉は樹齢100年で、4mもあったものだそう。

自然によって育まれた杉の個性を感じ、また最小限加工することで本来見えなかった部分を可視化させる試み。

虫食いなどで穴が空いた部分はワックスで埋めています。

立ち枯れしている=死んだ木という認識でしたが、それは表面だけ。断面に顔を近づけると木の爽やかな香りがする! むしろ枯れてからの方が香りの成分が出てくるそうで、これは間近で作品を感じたからこその発見でした。

「サルヴァトーレ フェラガモ 銀座本店」
住所:東京都中央区銀座7-8-2
電話:03-3572-6600
営業時間:11:00~20:00

「ザ・ギンザ」ではずっと眺めていたくなる繊細なワイヤーの作品が

スキンケアブランド「ザ・ギンザ」の旗艦店は、地下2階がギャラリー。ここでは「CORD/CODE」というエキシビションを開催。CORD=紐、CODE=規則、と同じ音を持つ2つの単語を組み合わせ、天井に約400本のワイヤーをパターンに則って張り巡らせています。

ワイヤーという硬い素材を使いながら、柔らかさも感じさせます。

同行した友人は「この下で横になってワイヤーを数えていたい」と言っていましたが、あまりに繊細な組み合わせのため、1本のワイヤーの端から端まで確認したくなるはず。

「ザ・ギンザ スペース」
住所:東京都中央区銀座5-9-15 銀座清月堂ビルB2F
電話:03-5537-7812
営業時間:11:00〜19:00



「ラリック」×ダミアン・ハーストのラグジュアリーで刺激的なコラボ

最後は「クリスタルガラス界のオートクチュール」とも言われる「ラリック」。そもそも創業者のルネ・ラリックさん自身が芸術家の巨匠であるため「ラリック」のアイテムはどれもアートピースのよう。
「DESIGNART TOKYO 2019」期間中、銀座本店に並べられているのがイギリスの現代美術家であるダミアン・ハーストさんとのコラボレーション作品。生命の循環をテーマにした「エターナルコレクション」は、ダミアンさんらしいセンセーショナルなモチーフがずらり。

クリアのクリスタル表現した牛の心臓から、サテン仕上げの羽が生え、短剣が刺された「エターナル イマキュレート」¥11,745,000(税別)。

クリスタルの十字架に薬品のカプセルを閉じ込めた「エターナル ビリーフ」からは、宗教や科学といったダミアンさんが生涯をかけて取り組んでいるテーマを感じることができます。

「エターナル ビリーフ」¥17,212,000(税別)。

この「エターナル ビリーフ」、ボルドーにある「ラリック」のホテル「シャトー・ラフォリー・ペラゲ」のチャペルにも飾られているそう。
そしてダミアンさんとのコラボアイテムはすべて購入できます。とはいえ、私のような庶民が手を出せるような金額ではありませんので「DESIGNART TOKYO 2019」会期中は、近くでじっくり見るチャンスでもあります。

「ラリック銀座本店」
住所:東京都中央区銀座5-6-13
電話:03-6228-5206
営業時間:11:30 ~ 20:30

東京では美術館やギャラリーに行かないと、間近でアート作品を見ることはなかなか叶いません。でも「DESIGNART TOKYO」であれば、海外のように気軽にアートを楽しめます。 来年も開催予定ですので、その際はぜひ遊びに行ってください。

「DESIGNART TOKYO」公式サイトはこちら!
http://designart.jp/designarttokyo2019/

津島千佳 Tica Tsushima

ライター

1981年香川県生まれ。主にファッションやライフスタイル、インタビュー分野で活動中。夫婦揃って8月1日生まれ。‘15年生まれの息子は空気を読まず8月2日に誕生。

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