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木村文乃さん『ザ・ファブル』は女性が笑いながら楽しめる稀なアクション映画です

2019.06.20

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公開中の『居眠り磐音』では、粋で活発な町娘を好演している木村文乃さんが、またも七変化! 映画『ザ・ファブル』では、伝説の殺し屋ファブルの相棒で、テンションがかなり高いキャラクター・ヨウコに扮している。

女性が笑いながら楽しめる稀なアクション映画です

「役作り的には、シリアスな役と何も変わらないんですよ。そのうえで今回は、原作のイメージにどう寄せていくか、どこまで体現できるかをずっと考えていました」

ファブルが伝説の殺し屋と信じたらしめる、岡田准一さんの鮮やかなアクションがさく裂する冒頭シーンをはじめ、数々のアクションがちりばめられている今作。

「岡田さんのアクションって、みんなを困らせるくらいに速い(笑)。カットを割らず、一連の動きでできるなんて撮影隊も想定外だったらしく、カメラが追いつかなくて。でもスピードをゆるめたら殺し屋の動きではなくなるので、監督とアクションチームと岡田さんで話し合い、緊迫したギリギリのせめぎ合いの中で作られていました」

本気アクションに合の手を入れるかのように、ヨウコがノリノリで人に絡みまくる笑いが、絶妙なリズムをもたらしている。

「苦労したのは、監督がなかなかカットをかけてくれないので、ずっとアドリブで何かをし続けなければならなかったこと。河合(オリエンタルラジオ 藤森慎吾)の鼻の穴にピスタチオを詰めたり、ミサキ(山本美月)の顔を延々といじって変顔にしたり、お二人にはもうゴメンなさい~、と(笑)」

結果、原作以上にヨウコのキャラクターが膨らんだ感がある。

「監督から、原作でヨウコがタラタラしゃべっている“もったり”した甘いしゃべり方をしてほしい、と言われて。人を転がして遊ぶヨウコの、その時々の心の声が原作にあるのを思い出し、音声をオンにしてそれをバ~ッとしゃべってしまおう、と。結果、アドリブシーンが増えていました(笑)」

アクションと脱力系のお笑い、豪華出演陣など、一粒でいろんな味を楽しめるお得感がたっぷり!

「女性がケラケラ笑って観られる本格アクションってなかなかないですが、“男の子ってバカだね”と愛しささえ覚えて楽しめるエンターテインメントになっています」

さて、ヨウコは“退屈だ”と飲んでは酔っ払っているが、木村さんはそんなときどう過ごすのだろう。

「暇や退屈な時間がない。だって家にいると、やることを延々探せますから。“40分ある。洗濯機回そう”とか。家事をしながら考え事をしたり、セリフを覚えたり。この長ゼリフを洗濯中に全部言えたら、自分の中にかなり入ったな、という判断基準もできたりして(笑)」

そんな木村さんが、日々の暮らしで大切にしていることとは――。

「私は果物で幸せ度が上がりますが、やはり“食”は大切。祖母の代から、偏らずなんでも食べなさいと厳しく育てられたのも大きくて。夕飯の後、みんなで談笑しながらの果物タイムは、引き続き現在のわが家でも習慣になっています。最も大切にしているのは、そのときにおいしい旬のものを食べること。ベランダでお野菜を育ててダメにした経験があるので、どれだけ農家の方たちが大切に育てているのかも実感して。絶対に無駄にしないよう、残った食材は翌朝スムージーにして飲んでいます」

Profile
きむら・ふみの●1987年10月19日、東京都生まれ。映画『アダン』(’06年)でデビュー。同年『風のダドゥ』に主演。主な映 画出演作に『追憶』『火花』(ともに’17年)、『伊藤くんAtoE』『羊の木』『体操しようよ』 (すべて’18年)ほか。現在、『居眠り磐音』(’19年)が公開中。

『ザ・ファブル』

裏社会で"伝説"と恐れられる殺し屋ファブル(岡田准一)は、"絶対に誰も殺さない"という条件で、ボス(佐藤浩市)から1年の休業を厳命される。ファブルはアキラという偽名で、相棒のヨウコ(木村文乃)と、生まれて初めて一般人として生活しはじめるが。南勝久の人気コミックを、『めんたいぴりり』の江口カンが映画化。6月21日より全国ロードショー。© 2019「ザ・ファブル」製作委員会


撮影/峠 雄三 ヘア&メイク/ 井村曜子(Éclat) スタイリスト/藤井享子 取材・文/折田千鶴子

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