メンテナンス、耐久年数、選び方……　あなたの知らない枕のイロイロ

津島千佳

2016.11.26

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毎晩使っているのに深く考えたことがない枕。でも枕次第で熟睡感や疲労回復度合いが変わってきます。

そこで枕メーカーのロフテーで製品企画を担当している藤田友里子さんに、知っているようで知らない枕の選び方やメンテナンス法などをうかがいました。

枕を選ぶ時に重視するポイントは？

津島　そもそもどうして枕が必要なのですか？

藤田　起立した時に楽な、身体に一番負担の少ない姿勢のままで寝るのがいいというのがロフテーの考え。この時、顔は約5°傾いていて、この姿勢で壁を背にして立つと生まれる壁と頭のすき間を埋める役割が枕です。

津島　枕は種類が多く、何を基準に選べばいいのかわかりません。

藤田　まずは自分に合った高さを見つけること。次に頸部を支える構造であること。そして自分好みの素材を選ぶのが基本です。合う高さは人それぞれ。購入の際は寝具売り場で計測してください。

ロフテーの枕には様々なこだわりがありますが、寝ている間に中身の素材が片寄らないように5分割のユニット構造にしているのがまず大きなポイント。

枕の内部構造

藤田　そのうえで、こだわりが3つ。1つ目は頭の丸みを考慮して中心部を一番低く、次に横向き寝がしやすいようサイドが一番高くなっています。首を支える中心の上下パーツは、その中間の高さになっているのが3つ目です。これをロフテーでは頸部支持構造と呼んでいます。

津島　素材は何がありますか？

藤田　ロフテーでは、やわらかめとかために分けて計11種あります。やわらかめは6種類。羽根やポリエステルわたに加え、細い繊維をボール状にしたクッションファイバーボール、ゴムのような質感のストローを短く切ったようなエラスティックパイプなどです。

クッションファイバーボール

エラスティックパイプ

藤田　かためはオーソドックスなそばがらに、炭を練り込んである最も硬い剛炭パイプなどで5種類です。

そばがら

剛炭パイプ

枕の耐久年数は意外と短い！

津島　そんなに種類があるんですね！　私は陰干ししていますが、メンテナンスも素材ごとに変わりますよね？

藤田　パイプ素材は洗濯ネットに入れて洗濯機で洗えますし、羽根やポリエステルわたも押し洗いはできます。低反発のウレタンは洗えないので陰干しです。そばがらは日に干して乾燥させてください。

素材によって耐久年数も違うので、その点も気をつけてください。

津島　枕の耐久年数、考えたことがなかったです。

藤田　個人差はありますが、ボーリングの球の重さくらいある頭を毎晩支えているので、適切なタイミングでの交換が望ましいです。かため素材の剛炭パイプなどは4〜5年が交換の目安ですが、やわらかめ素材のポリエステルわたは1〜2年が目安。ヘタると枕の高さが合わなくなるので熟睡感が損なわれるなどのトラブルが起こります。

津島　とはいえ、耐久年数以上に使い続けている人もいると思うんですよね。古くなったものを使い続けるとどうなりますか？

藤田　合わない枕が直接の原因とは言い切れませんが、首や肩に負担がかかる可能性は否定できません。首と腰は背骨でつながっているので、腰痛も腰だけではなくて首からの影響で腰に負荷がかかっている可能性もあります。

津島　加齢などによる体型の変化で合う枕も変わっていきますか？

藤田　そうですね。だから買い替えの際には都度フィッティングをしてほしいです。耐久年数の面もありますので、数年に一度は枕を見直してください。