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LIFE

私ってママ失格なの?

【第2回】私を救った「育児スキルトレーニング」

  • スーザン史子

2016.11.24

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子どもとのコミュニケーションの取り方がよくわからないまま、悩んでいた日々。すがるような気持ちで、あるところに電話をかけた、というのが前回までのお話でした。

「育児スキルトレーニング」 という講座を見つけたのは、「社会福祉法人 子どもの虐待防止センター」のホームページ上でした。(http://www.ccap.or.jp/09/1ccap.html)定員は6名程度、費用は無料。3か月、全7回のプログラムです。

思い切って電話をしたあと、面接後に受講という流れになったのですが、当初は“虐待防止”というショッキングな文言を目にし、不安も抱きましたが、面接の際に、この法人が1991年に設立された、お医者さんをリーダーとした民間の団体であり、トレーナーの方も資格を持った方だ、ということを知り、その不安は解消されていきました。

今回、子育てがうまくできない自分の体験を、なぜこのブログで綴ることにしたのか。それは、面接時に受けた、ある言葉がきっかけとなっています。

 

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私を前向きに変えてくれた魔法の言葉

電話をかけてから数日後、初めて現地を訪れたときのこと。建物の一室に入ると、部屋の中央に60代かなと思われる女性の方が一人座っていました。私は彼女に自分の悩みを打ち明け、家庭環境、家族関係などにも話をしていくと、彼女は共感をもってこう言ったんですね。

「いいお母さんというものはないんですよ。いいお母さんでなくてもいい。〇〇さん、あなたであればいいんです。あなたが、今、お子さんのことを思って悩んでいるということが、親であるということ。息子さんのお母さんは、あなたしかいないんですよ」と。

 

これが、私を一気に前向きに変えてくれた魔法の言葉でした。この言葉を聞いたときに、今まで、自分のなかでピーンと張りつめていた気持ちが、一気にほぐれていくのを感じ、気づいたら涙が止まらなくなっていました。あれっ、今、書いている間にも、涙が……(笑)。

 

これまでずっと、自分のことを、“子育てがうまくできないダメな母親”と自己嫌悪していましたから、この言葉がどんなに救いであったか。本当に目からウロコというか、初めて気づかされたんですよね。

 

私のように子育てで悩んでいるママたちは、もしかしたら、勝手に“いい母親像”を自分のなかにつくりだし、“いい母親でなくてはならない”という縛りを自分に課してしまっているのかもしれません。自分で自分に呪文をかけている、という感じでしょうか。それで、理想と現実とのギャップにさいなまれるわけです。

でも、その理想像の根拠ってどこにあるのでしょう? まず、時代によっても違います。雑誌を見たりして、すてきなママが紹介されていると憧れたりもしますけど、それもカメラを前にした表面的なものにすぎない。その写真は、その人のいくつかの面を切り取ったものでしかないわけです。

 

だとしたら、理想の母なんてもの、そのものがものすごく曖昧な存在に思えてきました。人によってもだいぶ違うし、そんなものを基準に自分が振り回されるのはまっぴらごめん、そう思えたら、すごく気がラクになったんですよ。

「今の自分のままでいい。自分であればいい」。それに気づけたことが、何よりの収穫であったと思うのです。

 

そして、その後7回にわたって受講した「育児スキルトレーニング」では、私の知らなかった世界が広がっていました。

それについては、また次回、お話できたらと思います。

スーザン史子 Fumiko Susan

カージャーナリスト

出版社にて雑誌編集に携わった後、自動車ジャーナリストに転身。女性誌や専門誌、web等で、主に車関係の記事を執筆。10年に息子を出産、ママ目線での車の使いやすさにも注目するかたわら、安全運転講習の講師を務めるなど、クルマ生活に役立つ情報を提供している。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

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