子どもとのコミュニケーションの取り方がよくわからないまま、悩んでいた日々。すがるような気持ちで、あるところに電話をかけた、というのが前回までのお話でした。
「育児スキルトレーニング」 という講座を見つけたのは、「社会福祉法人 子どもの虐待防止センター」のホームページ上でした。(http://www.ccap.or.jp/09/1ccap.html)定員は6名程度、費用は無料。3か月、全7回のプログラムです。
思い切って電話をしたあと、面接後に受講という流れになったのですが、当初は“虐待防止”というショッキングな文言を目にし、不安も抱きましたが、面接の際に、この法人が1991年に設立された、お医者さんをリーダーとした民間の団体であり、トレーナーの方も資格を持った方だ、ということを知り、その不安は解消されていきました。
今回、子育てがうまくできない自分の体験を、なぜこのブログで綴ることにしたのか。それは、面接時に受けた、ある言葉がきっかけとなっています。
私を前向きに変えてくれた魔法の言葉
電話をかけてから数日後、初めて現地を訪れたときのこと。建物の一室に入ると、部屋の中央に60代かなと思われる女性の方が一人座っていました。私は彼女に自分の悩みを打ち明け、家庭環境、家族関係などにも話をしていくと、彼女は共感をもってこう言ったんですね。
「いいお母さんというものはないんですよ。いいお母さんでなくてもいい。〇〇さん、あなたであればいいんです。あなたが、今、お子さんのことを思って悩んでいるということが、親であるということ。息子さんのお母さんは、あなたしかいないんですよ」と。
これが、私を一気に前向きに変えてくれた魔法の言葉でした。この言葉を聞いたときに、今まで、自分のなかでピーンと張りつめていた気持ちが、一気にほぐれていくのを感じ、気づいたら涙が止まらなくなっていました。あれっ、今、書いている間にも、涙が……(笑)。
これまでずっと、自分のことを、“子育てがうまくできないダメな母親”と自己嫌悪していましたから、この言葉がどんなに救いであったか。本当に目からウロコというか、初めて気づかされたんですよね。
私のように子育てで悩んでいるママたちは、もしかしたら、勝手に“いい母親像”を自分のなかにつくりだし、“いい母親でなくてはならない”という縛りを自分に課してしまっているのかもしれません。自分で自分に呪文をかけている、という感じでしょうか。それで、理想と現実とのギャップにさいなまれるわけです。
でも、その理想像の根拠ってどこにあるのでしょう? まず、時代によっても違います。雑誌を見たりして、すてきなママが紹介されていると憧れたりもしますけど、それもカメラを前にした表面的なものにすぎない。その写真は、その人のいくつかの面を切り取ったものでしかないわけです。
だとしたら、理想の母なんてもの、そのものがものすごく曖昧な存在に思えてきました。人によってもだいぶ違うし、そんなものを基準に自分が振り回されるのはまっぴらごめん、そう思えたら、すごく気がラクになったんですよ。
「今の自分のままでいい。自分であればいい」。それに気づけたことが、何よりの収穫であったと思うのです。
そして、その後7回にわたって受講した「育児スキルトレーニング」では、私の知らなかった世界が広がっていました。
それについては、また次回、お話できたらと思います。
この連載コラムの新着記事
-
【神戸】2泊3日の家族旅行へ行ってきました!ネイチャーライブ六甲、神戸須磨シーワールド…おすすめスポットをご紹介【2024年】
2024.11.17
-
【40代ママライターが試して実感】汗冷え・ムレ・におい…冬の汗悩みは、あったかインナー「ファイヤーアセドロン」で解消!
2024.11.08
-
【無印良品】話題の美容液、化粧水…マニアが選ぶ「使ってよかった!」スキンケアアイテム5選【2024年秋冬】
2024.11.01
-
車の香りどうしてる?話題の「TAMBURINS(タンバリンズ)」カーディフューザーを使ってみた!
2024.10.23
-
【ユニクロ×マリメッコ】2024秋冬を40代ライターが試着!ヒートテックやキッズなど注目アイテムが目白押し
2024.10.22
スーザン史子 Fumiko Susan
カージャーナリスト
出版社にて雑誌編集に携わった後、自動車ジャーナリストに転身。女性誌や専門誌、web等で、主に車関係の記事を執筆。10年に息子を出産、ママ目線での車の使いやすさにも注目するかたわら、安全運転講習の講師を務めるなど、クルマ生活に役立つ情報を提供している。日本自動車ジャーナリスト協会会員。