美文字の達人 萩原季実子さんが伝授! 誰でもさっと書ける「好感度文字」レッスン
2018.12.13 更新日:2019.05.21
年末に気の置けない友人にさっと渡すギフトや仕事のお礼状、親せきへの年賀状など、文字を書く機会が増えるシーズン。
今から字を習うなんて無理……と諦めるなかれ! たった3つのルールを守るだけで、たちまち美文字になれる方法を、2千人の文字を直した、ペン字講師 萩原季実子さんが伝授します。
3つのメソッド
漢 字 編
斜め45度に必ず「打ち込み」を入れてタメをつくる
ただまっすぐなだけの線は、単調で子どもっぽい印象に。線の書き出しが重要です。
斜め45度の「打ち込み」で字のイメージが激変!
「パソコンやスマホなどで打つ『デジタル文字』をあまりに見慣れすぎてしまっていると、自分の手で文字を書くときにもヨコ線やタテ線をまっすぐに引いたり、抑揚のない払いをしてしまいがち。でも、書き文字を美しく見せたいならお手本は『毛筆で書いたような字』なんです。そのために一番最初に必要なのが、漢字の線の書き出しにしっかりと斜め45度の『打ち込み』を入れること」
打ち込みナシ
抑揚がなく、幼い雰囲気
打ち込みアリ
知性的で成熟した印象
「1画目の始めに、しっかりと『ため』をつくることで力強い線を引けますし、堂々とした、存在感のある漢字が書けるようになります。この『打ち込み』があるとないでは、文字の印象が激変!」(萩原季実子さん)
「打ち込み」を意識して書いてみよう!
「一、二、三」が書けるようになれば、漢字はさらにうまくなる!
次に学ぶのは「ヨコ線」の引き方。ただまっすぐ横に引く、のではないんです!
次に身につけたいのは"ヨコ線は絶対にまっすぐ引かない"というクセ。
「一」を使った漢字
「一は弓なりに反る、二は1画目は上に向かい2画目は弓なり、というふうに、平行する線が違う方向を向くようにするのが美しい文字への第一歩なんです。このメソッドが重要なのは、汎用性が高いから」
「二」を使った漢字
「例えば『上下』という漢字はどちらの漢字にも『一』が含まれていますよね。このように『一、二、三』を内在する漢字はとても多いので、この3つさえ押さえておけば、どんな漢字を書くときにも自分で『あ、この漢字には三が隠れているな』などと見つけ出して応用をきかせることができます」
「三」を使った漢字
「漢字の数は無数にあって、すべてをレッスンで教えることは不可能。でも自分で法則を見つけられるようになれば、どんなときも安定した字を書けるようになるんですよ」(萩原季実子さん)
「一、二、三」を意識して書いてみよう!
余白を味方につけるには「ヨコ線スキマ」と「しかくの逆台形」
最後の仕上げは、文字の見た目印象を大きく左右する「余白」のつくり方について。
ここで目指すのは"大人っぽい余白のつくり方"です。そのために守りたいのは2つのテクニック。
「ヨコ線スキマ」をつくると……
「まず『目』のように囲みの中にあるヨコ線は、線の端をきっちり囲みに触れさせず、少し離してスキマをつくること」
「しかくの逆台形」をつくると……
「『口』などの四角い漢字は、正方形に書いてしまうと幼く見えるため、逆台形になるように下に向かってすぼめていくのがポイントです」
「ヨコ線スキマ」と「しかくの逆台形」を意識して書いてみよう!
「LEE世代で文字に悩みを持つ方からは『幼い感じがする』『きちんとした印象に見えない』という意見をよく聞くのですが、それは字面にどこか圧迫感があるから。文字にほどよく抜け感を持たせるためには、「ヨコ線スキマ」と「しかくの逆台形」を徹底することが大切です」(萩原季実子さん)
3つのメソッド
ひ ら が な 編
「つながり」を書くことで、あっという間に上達する!
丸みを帯びたひらがなは、苦手意識を持つ人多し。習得の近道は、書き順をしっかり意識すること。
「つながり」はなぞりながら覚えよう
点線部分を書くことでひらがなの形をつかむ
「ひらがなは『お』や『た』のように数画あるものと、『く』や『て』のように一筆書きのものの2種類に分かれますが、まずは数画あるものの書き方から見ていきましょう」
「コツは簡単で、書き順による『つながり』を意識するだけ。一画、一画がどのような順番でつづられているのかを理解し、そのとおりに筆を運べば、線が自然と丸みを帯びて、ひらがな本来の美しさを持つ字が書けるようになりますよ」
「直線的な字、子どもっぽい字になるのは文字の"つながり"を崩してしまうからこそ。まずは点線のつながり部分をなぞることから始めてみましょう」(萩原季実子さん)
一筆書きのひらがなは「丸み」を加えれば完璧
急いでいるとつい「丸み」よりも「鋭角」をつけてしまいがち。とがらせないのがポイントです。
「丸み」が美文字の基礎をつくる!
小さな「丸み」を持つひらがな
「漢字が直線を多用するのに対して、ひらがなは丸みを帯びた線を多く使う文字。『丸み』は、美しいひらがなを書く際の大きな要因のひとつとなります。なかでも、一筆書きのひらがなに関しては『小さな丸み』を持たせるものと『大きな丸み』をつくるものに分かれるため、注意して書き分けましょう」
「例えば『へ』や『く』などは、線の向きが変わる部分を鋭角にとがらせず小さな山を描くように」
ゆっくりとした大きな「丸み」を持つひらがな
「一方で『て』などは、鋭角に折り返した後にゆったりと大きく半円を描きます。場所を間違えず、必要なところに『丸み』をつけられるようになりましょう」(萩原季実子さん)
似た形の多い「よ」「の」「け」をマスターすれば応用がきく!
全部で46あるひらがなのうち、仲間の多い文字がこの3つ。パターン化させることで上達が図れるはず!
「よ」「の」「け」に表れるポイントは
POINT 1. 丸は真下でなく斜め下につくる
「『よ』は小さな丸の書き方をつかむための文字。タテ線の真下ではなく、少し左斜め下にいってから丸をつくるのがきれいな形です。『な、ま』などもこの仲間ですね」
POINT 2. 半円を描くような丸みをつける
「『の』では、ゆったりとしたきれいな半円の描き方をマスターして。直線的だったり角度をつけてしまうとぎこちない印象になってしまいます。『あ、め』などに応用ができます」
POINT 3. 2本の向かい合うタテ線は平行に
「最後の『け』のポイントは、向かい合う2本タテ線の書き方。片方を急に内側に入れたり、外側に傾けたりすることなく、互いに平行に進ませることを意識して。『は、り』なども同様に書くことができますよ」(萩原季実子さん)
“私の提案するメソッドは、文字の特徴を自分で捉えられるようになることに重きを置いています。何より大切なのは、これらのメソッドを応用する力を身につけること。それさえできれば、いつだって自分の力で『気持ちの伝わる文字』を書くことができますよ」(萩原季実子さん)”
【動画】誰でもさっと書ける!"好感度文字"レッスン
詳しい内容は2018年12/7発売LEE1月号に掲載中です。本誌もあわせてお役立てくださいね。
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