消費増税の負担軽減策として、「キャッシュレス決済での5%ポイント還元」という方針を政府が打ち出しています。
キャッシュレス後進国だと政府は言いますが、日本にはすでに様々なキャッシュレスツールが併存しており、どの決済手段までがポイント還元の対象にするのか気になります。クレジットカード、デビットカード、電子マネー、プリペイドカード、QRコード決済など、いわば乱立状態で、逆にそれがキャッシュレス化を進めにくくなっているのではないかとも感じます。種類が多くなればなるほど、店側がそのすべてにレジ対応しきれないからです。
政府は中小企業を対象に端末設置に補助金を出す考えのようですが、端末を使うにもレジ担当者にひと手間が加わります。例えば、クレジットカードの暗証番号を打ち込むための決済端末、電子マネーのためのタッチ決済端末、QRコードを読み取るための決済端末等々、いちいち準備をしなくてはいけません。キャッシュレス決済が進めば人の負担が軽くなると言われますが、先日もドラッグストアで「LINE Payで払います」と告げたところ、逆に慌てさせてしまい、レジ待ちの列が伸びてしまう皮肉な事態に。
さらに、各社が様々なキャンペーンを繰り出し、自社の支払い手段を使ってもらおうとポイント還元の大盤振る舞いをするので、対応する店側の負担がかえって重くなるのでは、と心配になります。さらには、私たち利用者もどのツールを選べばいいのか、悩ましいところです。
決済アプリのポイント還元競争はどこまで続く?
キャッシュレス決済ツールの中でも、シェア争いが最も激しいのはスマホ決済アプリでしょう。
スマホでコードを利用者が提示する、あるいは店側のコードを読み取って支払う、またはアップルペイやグーグルペイのようにクレジットカードを登録し、タッチ決済で支払う方法もあります。
特にコード決済型はポイント還元率を競い合っており、楽天ペイは200円で1ポイントつきますが、代金を楽天カード払いに指定すれば合計で3ポイントに。LINE Payはコード払いに対し3.5%~のポイントを付与しています(2019年7月31日までの期間限定)。Origami Payは加盟店で10%オフになるなどのクーポンを頻繁に配布しています。後発だったソフトバンクとヤフーが共同出資するPayPayは、利用額の20%を還元するキャンペーンを発表。
本日、2018年12月4日~2019年3月31日までの期間限定ですが、還元率としてはこれ以上のものはなかなかないでしょう。ネックはアプリに対応する加盟店がどれだけあるか、そして自分がよく利用する店がそれに含まれるかという点。また、付与されたポイントは、そのアプリでの次の支払い原資に使ってもらうという構造なので、消費喚起のためのサービスであることは意識しておきましょう。
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。