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LIFE

松崎のり子

NISAの非課税期間が今年から終了。手持ちの株は売る?売らない? 

  • 松崎のり子

2018.11.26

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2014年からスタートしたNISA(少額投資非課税制度)。NISA口座を開いたうえで株や投資信託を買うと、それが値上がりして売っても、その利益に税金がかからなくてすむという制度です。

ただし、非課税期間は5年間と決められており、2014年からNISA口座を開いて投資商品を買った人は、今年いっぱいでその期間が終了することになります。何もしないでいると、2019年からは課税口座に払い出される事になるのです。もちろん、今年のうちに売却することはできますが、買った時より値下がりしている銘柄があると悩みますよね。この先まだ値上がり期待があるから売りたくないというなら、2019年のNISA枠に移管する(ロールオーバー)ことも可能です。

もう少し詳しく説明しましょう。NISA口座を開くと毎年120万円まで投資枠が利用できることになっています。2019年分の枠を使い、2014年に買った投資商品をそっちへ移し替えてしまうというのがロールオーバーです。移した商品は、さらにあと5年の非課税期間が利用できるというわけです。大手証券会社は書面などでロールオーバーの案内が、ネット証券でもサイトで手続きの告知をしています。ただし、「今年いっぱいに手続きすればいいんだよね?」とのんびり構えていてはいけません。それぞれ証券会社によって移管申し込みの期限を決めているからです。早いところでは、11月末に締切りを設定しているところも。ぜひ早めの確認を。

つみたてNISAを利用している人は注意!

ロールオーバーには注意点もあります。

まず、2019年の枠を使うということは、その年に新しく投資できる金額が減るということ。NISAが利用できるのは年間120万円までですから、もし100万円を移管すれば、残りは20万円までということに。また、現在つみたてNISAを利用している人は、枠が異なるため今のままではロールオーバーができません。つみたてNISAを一般NISAに変更する手続きが必要になります。せっかく積み立てを始めたのに、なんとも残念なことになりますね。さらに、また来年には2015年に買った商品の移管を考えなくてはいけません。

NISA制度が始まった当時は「実質10年間非課税です」という触れ込みでしたが、こうして実際に5年目を迎えると、何かとややこしい手続きや損得判断を迫られることに。特に、つみたてNISAがスタートしたことでさらに複雑になってしまいました。せっかく投資を後押ししようと設計された私たちに有利な制度だったはずなのに、ちょっと残念な気がします。

松崎のり子 Noriko Matsuzaki

消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。

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