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LIFE

せいかつプラス刊行記念対談

【Emiさん×沼田晶弘さん】子どもの"やる気"を上手に伸ばすには?

  • LEE編集部

2018.11.07

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LEEでの連載も大人気の整理収納アドバイザー・Emiさんと、型破りな指導方法で話題の小学校教諭・沼田晶弘さんが、「満点ゲットシリーズ せいかつプラス」の刊行を記念して初対談!

暮らしと教育というそれぞれの分野で、子どもの個性を尊重して"楽しみながら頑張る仕組み"を作られているお二人の考え方には、育児に迷い悩むLEE読者の参考になるヒントがいっぱい。

子どものやる気を上手に伸ばす方法が、きっと見えてきます!

OURHOME Emiさん×沼田晶弘さん
子どもの"やる気"の育て方【前編】

子どもと一緒に心地よい暮らしを目指す“おかたづけ育”などで支持を集めるEmiさんと、生徒が能動的に学べる授業で注目を浴びている沼田さん。

子どものやる気を育てるエキスパートのお二人には、お互いの意識や工夫に多くの共感ポイントがあったようです。

Emi 先生の著書を拝読して、大勢の生徒さんを指導しながら一人一人のいい引き出しを開けられているのがすごい、と感じました。それは、生徒さんを大切に思いながらも客観的に見ているからこそできることじゃないかな、って。

沼田 僕は、“クラスはチーム”だから総合力を高めればいい、運動会で光る子もいれば学芸会で光る子もいるから一年通して全員が輝ければいい、と考えているんです。だから、視点が俯瞰的なのかも。

Emi 実は私は、家庭でもそれに近い感覚なんです。もちろん子どもたちのことは可愛いんですが、“暮らしという実験”の中で二人をマネージメントしてるような。

沼田 Emiさんの場合、お子さんが双子なのもあるでしょうね。

Emi そうなんですよ! 息子と娘は、同じ日に生まれて同じように育ててきたのに性格も趣味も全然違う。だからこそ、私の接し方がすべてではなく、子どもには持って生まれたものがある、それを見つけて生かしてあげるのが大事、と思うようになった気がします。

子どもの持つ力を引き出し、楽しく頑張る仕組みを作る

--具体的には、どうすれば子どもの力を導き出せるのでしょうか?

沼田 勉強や運動が苦手な子にも、得意なことはあるはず。例えば給食をたくさん食べられる、とかね。そこに気づいて、「完食がかかってるんだけどお代わりできる? 頼りにしてるぜ!」と、肩をポン。些細な特技にもスポットを当てて盛り上げると効果的だと思います。

Emi 自信がつきますもんね。かたづけにおいては、自分の大事なものをどこに置くかを考えることから始めると、成功体験を積みやすい。わが家では、子どもたちの好きなものを知って深めるのに、日常で気づいたことを書き留める“マイノート”が活躍しています。

Emi もともと私が60冊ほど続けていたマイノートですが、自然と隣で子どもたちも書くようになりました。

沼田 僕の考え方の一つに、“「ちゃんと」撲滅運動”っていうのがあるんです(笑)。子どもには、つい「ちゃんとしなさい」と言葉をかけてしまいがち。でも、それは精神論でしかないから、結果につながらないんですよね。何かをできるようになるためには、なぜできないのかを考えて、根本的なシステムを変えなきゃいけない。

Emi そうですね。私も、常々“ちゃんとすること”が正解ではないと思っています。ルールそのものを見直して、別の方法にシフトする力を磨いてほしいなって。

沼田 勉強に関しても、「やりなさい」と言い続けたって子どもの意欲はわかない。そこで、うちのクラスでは、漢字テストを生徒同士で採点させたり、作文で使ってはいけない“NGワード”を設けたりしているんです。

沼田 作文では、クラスメイトの気に入った表現をいただく"ルパンタイム"も実施。すると、どんどん夢中になってくるんですよ。

うまくいかないなら、根本的なシステムを変えて

Emi 仕組みを作るうえでは、ゲーム性も大事ですよね。わが家でも、掃除をするときに「手伝って」ではなく「くじ引きしよう!」と声をかけたりしています。結果、窓ふきが当たる、みたいな。

沼田 僕は、掃除の時間には音楽をかけています。最初は「曲が終わるまでに掃除を終えるぞ」と意識させるために始めたんですが、そのうち、サビでは手を止めて踊るのがお約束に。制限が加わってメリハリがつき、ぐっと効率アップ! 今では“ダンシング掃除”という名物になりました(笑)。

Emi 先生のクラスの取り組みは、名前もおもしろいですよね。

沼田 そういえば、日直のことは“キャプテン”と呼んでいます。「C」マークの腕章を作ったら、みんな嬉々としてつけていますよ。

Emi わが家にも、年2回“大整理大会”という行事があるんです。先にクリーンセンターを予約して、そこに行くために30分間集中してかたづける。つまり不要品の処分なんですが、普通のこともネーミング次第でワクワクするものに変えられるんじゃないかな、って。

Emi 小さな工夫で非日常感を味わえるようにする、そして大人も本気で楽しんでいることを伝えるのも、ポイントかもしれませんね。


Emi(えみ)
整理収納アドバイザー。株式会社千趣会勤務を経て、’12年に独立。以降、コラム執筆やセミナー開催など幅広く活躍中。次号より本誌連載が「わたしの"ちょうどいい"モノ選び」としてリニューアル。
HP:www.ourhome305.com インスタグラム:OURHOME305
沼田晶弘(ぬまた・あきひろ)
小学校教諭。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカ・ボールステイト大学大学院で学び、スポーツ経営学の修士を修了。同大学職員などを経て、’06年に東京学芸大学附属世田谷小学校へ。斬新な授業がさまざまなメディアに取り上げられて話題に。

撮影/鈴木静華 ヘア&メイク/室橋佑紀(ROI) 取材・原文/藤本こずみ

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LEE編集部 LEE Editors

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