「北欧」とひとくくりにしてしまうけれど・・・教えて!デンマーク、スウェーデン、フィンランドのこと
2018.11.03
「北欧、大好き!」と言いながら、実はそれぞれの国については知識がちょっと曖昧?
そこで、デンマーク、スウェーデン、フィンランド出身の方々に、自慢の料理から代表的な文化、あまり知られていない一面などなど、お話を伺ってみました!
もっと知れば、もっと好きになる
デンマーク、スウェーデン、フィンランド Q&A
お話を伺ったのは・・・
国の基本データをチェック!
デンマーク
世界で最も小さな国のひとつ。人口の約1 /4が首都コペンハーゲンに住む。3 年連続で「世界一幸福度の高い国民」に選ばれたことでも話題に。
※フェロー諸島及びグリーンランドを除く。以下同じ。
●人口/約578万人
●首都/コペンハーゲン
●言語/デンマーク語
スウェーデン
毎年12月、ストックホルムにてノーベル賞授賞式を開催。ゴットランド島は、ジブリ映画『魔女の宅急便』の舞台になったと言われています。
●人口/約1012万人
●首都/ストックホルム
●言語/スウェーデン語
フィンランド
国土に18.8万もの湖を持つ、「森と湖の国」。また、ラップランドはサンタクロースの故郷としても知られています。冬の間は、ほぼ毎日オーロラが。
●人口/約550万人
●首都/ヘルシンキ
●言語/フィンランド語 スウェーデン語
※基本データは外務省HPより
Q 自慢の料理、よく食べる食材は?
デンマーク出身
イェンス・イェンセンさん
「スモーブロー」ですね。薄いライ麦パンにサーモンやニシンの酢漬けをのせたオープンサンドで、ナイフとフォークで食べるのがデンマーク流。
あと、デンマークが名前の由来になっている「デニッシュ」は、毎日食べるものではなく、日曜日のちょっぴり贅沢な朝食のときや、コーヒータイムに時々。
スウェーデン出身
ナタリー・カンタクシーノさん
リンゴンベリーのジャム(甘さ控えめ)を添えたミートボール。このジャムは「クロップカーカ」というじゃがいもでひき肉を包んだ料理にも添えます。
あとは、ライ麦のかたいパン「クネッケ」にサーモンなどをのせて。世界一くさいと言われるニシンの缶詰「シュールストレミング」も!
フィンランド出身
ヨハンナ・ノウシアイネンさん
サーモンのクリームスープは日常的な家庭料理です。ライ麦パンとじゃがいも、乳製品もよく食べます。ライ麦パンは、イーストの入っていないもので、薄くて丸い、穴のあいたドーナツのような形の「レイカレイパ」が伝統的。ヨーグルト(100種類以上ある!)やチーズもみんな大好き。
Q 自国を代表するブランドは?
デンマーク出身
イェンス・イェンセンさん
「ロイヤルコペンハーゲン」や、新しいところでは、雑貨の「フライングタイガー」、インテリアなら、ハンス・J・ウェグナーのYチェアでおなじみの「カール・ハンセン&サン」や「レ・クリント」も。
そうそう、子どもたちが大好きな「レゴ」、世界に誇るレストラン「ノーマ」もデンマークです。
スウェーデン出身
ナタリー・カンタクシーノさん
ファストファッションの「H&M」、おなじみ「イケア」もスウェーデン発祥。ファッションブランドなら、「アクネ」などは日本の百貨店にも入ってきているし、リュックでおなじみの「フェールラーベン」、リサ・ラーソンの作品や器で知られる「グスタフスベリ」もありますね。
フィンランド出身
ヨハンナ・ノウシアイネンさん
「アラビア」「イッタラ」のふたつは現地でも普段使いの器の定番。ムーミンマグは大人も大好き。ファブリックの「マリメッコ」も、好きな人はたくさん持っています。
「アルテック」は、少し高級な家具というイメージですが、アルヴァ・アアルトのスツールくらいは持っている人も多いかな。
Q 自国を代表する映画、文学、芸術などのクリエイターは?
デンマーク出身
イェンス・イェンセンさん
『人魚姫』や『マッチ売りの少女』をはじめとするアンデルセン童話のハンス・クリスチャン・アンデルセンはデンマーク人。さらに、問題作を発表し続ける、映画監督のラース・フォン・トリアー。僕が好きなのは女性映画監督のスサンネ・ビア。これからぜひ注目してほしいですね。
スウェーデン出身
ナタリー・カンタクシーノさん
童話の『長靴下のピッピ』の作者、アストリッド・リンドグレーン。音楽界では、元祖スウェディッシュポップのアバに、’90年代を席巻したカーディガンズも!
映画監督のイングマール・ベルイマン、そして化学者だけど、あのノーベル賞で有名な(笑)、アルフレッド・ノーベルも輩出。
フィンランド出身
ヨハンナ・ノウシアイネンさん
映画『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』などの監督、アキ・カウリスマキ。でも、彼の作品で描かれているほど、フィンランド人は暗くないです(笑)。
作曲家のジャン・シベリウス、ムーミンシリーズでおなじみのトーベ・ヤンソンもいます。実はふたりともスウェーデン系だけど……。
Q 代表的な文化、習慣は?
デンマーク出身
イェンス・イェンセンさん
まずはヒュッゲ。そして、コロニヘーヴ。これは、庭を持てない都会のアパート暮らしの人が、車で30分程度のところに小さな庭と小屋を持つシステム。週末ごとに家族で通って、のんびりしたり、野菜を作ったり。この暮らし方、日本でも一般的になればいいのになあ!
スウェーデン出身
ナタリー・カンタクシーノさん
コーヒーを楽しむ=「フィーカ」はスウェーデン語。一般的なのは、ブラックコーヒーと、オートミールを混ぜ込んだチョコレートボールかシナモンロール。
朝、会社でフィーカ、ランチ後、14時半にフィーカ。仕事帰りの夕食前、友達と会って、またフィーカ、がスウェーデン人です。
フィンランド出身
ヨハンナ・ノウシアイネンさん
わが国が世界に誇る文化といえば、サウナ。日本でも、そのまま「サウナ」で通じるほど親しまれていますよね。
夏、暑いサウナで汗をかいた後に、ドボーンと冷たい湖に飛び込むのは最高!フィンランドでは、たとえマンションでも、ちゃんとサウナがついているんですよ。
Q 国民性は?他の2 国の人のイメージは?
デンマーク出身
イェンス・イェンセンさん
僕らは社交的に見えて、実はシャイ。本当に心を開くまで時間がかかるのは日本人と似てる。フィンランド人は、素朴でまじめ。ビジネスが上手。スウェーデン人は、お酒が弱い(笑)。
スウェーデン出身
ナタリー・カンタクシーノさん
私たちは「ポリティカルコレクトネス」を重視する傾向が。デンマーク人はポーカーフェイスでブラックユーモアを飛ばすからドキドキする。フィンランド人はセンスがよくて、お酒が強い。
フィンランド出身
ヨハンナ・ノウシアイネンさん
私たちは通常シャイだけど、突然、はじける(カラオケ好きでカラオケ選手権も開催)。スウェーデン人は美男美女ばかり、デンマークはカフェ文化が発達しているし、グルメな人が多い。
Q 日本であまり知られていない一面は?
デンマーク出身
イェンス・イェンセンさん
デンマークにはいいビーチがあって、サーファーがいる!ドイツからもビーチを目当てに観光客が来るくらい。
山深い国だと思っている人も多いけれど、けっこう平坦。北欧って、松系をはじめとする針葉樹のイメージかもしれないけど、デンマークに多く生えているのは、ブナなどの広葉樹。
スウェーデン出身
ナタリー・カンタクシーノさん
スウェーデンの夏はそれなりに暑い! ずっと冬だと思っている人も多いみたいだけれど、夏は30℃を超える日もあります。
まあ、9 月に入ると早くも秋気分になって、冬は確かにやや長め。冬のスウェーデン人は暖かさを求めて、タイに行きがち。タイではスウェーデン人にたくさん会えます。
フィンランド出身
ヨハンナ・ノウシアイネンさん
フィンランド人はクリスマスが大好き。日本のお正月のように、家族が集まって家で過ごすので、街はガラーン。店も交通機関もお休みだから、旅行のときは注意して。
あと、アイスホッケーが強くて、エアギター選手権とか奥さん運び選手権とか、変わった世界選手権をたくさん開催しています。
Q 北欧は「理想の国」のように語られますが、社会的な問題は?
デンマーク出身
イェンス・イェンセンさん
高い税金に関しては、不満を持っている人はほぼいないんじゃないかな。自分たちが恩恵を受けていると実感できているし。最近は、移民問題が、議論として多く挙がっていますね。
スウェーデン出身
ナタリー・カンタクシーノさん
シングルマザーの保障もあるし、教育費もかからないし、産休を男女とも取れるのも、高い税率のおかげだから、不満はありません。やはり、移民に関する問題は抱えていると思う。
フィンランド出身
ヨハンナ・ノウシアイネンさん
税金に関しては、政治がクリーンなのでなんの不満もありません。少子高齢化と、意外な自殺率の高さが問題でしょうか。狩りのために銃を持つ人が多いのも、原因のひとつかも……。
Q 「北欧」というまとめ方はあり?もし生まれ変わるなら3国のうちどれがいい?
デンマーク出身
イェンス・イェンセンさん
文化の意味ではつながりが強いし、小さい国同士、まとまることでパワーも影響力も出るので、歓迎! でも生まれ変わるなら、デンマーク人。これまでの人生、満足しているからね。
スウェーデン出身
ナタリー・カンタクシーノさん
デンマークはお兄さん、スウェーデンが真ん中、フィンランドは弟、という感じ。私は食いしん坊だから、生まれ変わるなら、カフェやおいしいレストランがたくさんのデンマークもいいな。
フィンランド出身
ヨハンナ・ノウシアイネンさん
お互いに親しみがあるし、行き来もあるので、自然だなと思う。生まれ変わるなら、私はスウェーデン人。スウェーデン人って、おしゃれで社交的で、ちょっと憧れちゃうところがある。
Photograph/Naoko Akechi Coordination/Naoko Akechi Noritake Akechi Original Composition&Text/Taeko Ishii Masami Fukuyama
※詳しくは2018年10/7発売LEE11月号別冊付録をご覧下さい。
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