【イェンス・イェンセンさん】家族の温かさを感じるヒュッゲなインテリア
2018.10.27 更新日:2019.09.05
LEE11月号別冊付録では、北欧の豊かなライフスタイルを大特集!
日本から北欧へと住まいを移した方々のインテリアルポから、一日の時間の使い方、密着取材まで、どこから読んでも楽しめる内容となっています。
そんなもりだくさんのページから、本日お届けするのは、デンマーク出身・日本在住歴16年のイェンス・イェンセンさんインタビュー!
最近よく耳にする「ヒュッゲ(Hygge)」や、イェンセン家のインテリアについてうかがいました。
イェンス・イェンセンさん教えて!
「ヒュッゲ Hygge」って何ですか?
なんとなく「ゆったり過ごす」的な意味だとはわかるけれど……特別に用意するものや、心構えは必要ですか、イェンスさん?
「ヒュッゲっていうのは、なんだろう、日本語に訳すとなかなかピタッとくる言葉がない。簡単に言えば、“居心地いい”とか、安心、安楽。緊張しない状態って感じかな。
シチュエーションで言えば、温度がふわっと温かくて、おなかもちょうどよく満たされて、家族がみんなくつろいでいる。それが、まさに“ヒュッゲだね”っていう状態……うまく伝わる?」
いつも、家をヒュッゲな空気で包んでくれる子どもたちの作品。
「この絵は、僕と息子の合作。親子でひとつのものを作るのも、いい思い出になる」
デンマーク人は、社交的に見えて、実はシャイなところもある、とイェンスさん。彼らが何より大切にするのは、家族との時間。あるいは、ごく親しい、気を使わずに過ごせる人たちとのゆったりしたひととき。
「大勢の人が集まるパーティとか、クラブで盛り上がるとかは、楽しいけれどヒュッゲとは違う。ヒュッゲに“刺激”と“緊張”はいらないからね。
あと頑張るのもダメ。『今日は友達を呼ぶから、おもてなしするぞ!』と、張り切って料理を作り始めたとしたら、それは、その瞬間からヒュッゲじゃない(笑)
家族で食後にダラダラなんてことないおしゃべりを続けていることがあるでしょう?あれが、まさにヒュッゲです」
日本人はヒュッゲするのに向いているはずだ、とイェンスさん。
「だって、日本にはヒュッゲなものがたくさんあるから。例えば、鍋料理なんて、すごくヒュッゲ。おいしいし、温かいし、みんなでひとつの鍋を囲むなんて、すごくいい。
家族以外の人とヒュッゲする場合、その見極めは、“おもてなし”せず、いつもの家のごはんを気軽に出せるかどうか。ホスト側とお客さんの境界がないのが、ヒュッゲな関係だね」
時に、ヒュッゲはひとりでも。心地よく過ごしていれば、それは十分にヒュッゲです。
「家での場合、照明はちょっと薄暗いくらいのほうがいいね。日本の照明は、少し明るすぎるかな。ひとつの強い照明で、上から空間全体を照らすのではなく、小さな明かりを組み合わせて、状況に応じて、点けたり消したり。この方法だと、片付いていないところは、電気を消しておけばいいっていう利点もある(笑)」
「青白い蛍光灯の光より電球色のオレンジの光のほうがくつろげるし、キャンドルの炎なんて最高。寒くなってくるこれからの季節は、温かいブランケットやふわふわのクッションなんかも、すごくヒュッゲなアイテムだし、湯たんぽもいいなあ!」
部屋の照明を落として、ぬくぬく温かいものにくるまって、誰にも気を使わずのんびり過ごす。ヒュッゲは、家での心地いい過ごし方の見本です。
家族の温かさをいつも感じる
イェンセン家のヒュッゲなインテリア
日本の古い家を、イェンスさんと妻のマリコさん自らリノベーション。家族が長く過ごす家だから、妥協なく、でも時間に追われることもなく、楽しみながら仕上げていきました。
ダイニングのランプは、デンマークの「レ・クリント」。椅子もデンマークの「シューメーカーチェア」。
イェンスさん手作りのフロアランプ。ヒュッゲに過ごすなら、明かりはぼんやりしたものでいい。家のいろいろなところにランプを置いて、それを過ごし方によって使い分けて。
料理は、家族とおしゃべりしながら。オープンな食器棚はリビング側に向けて。みんなでテーブルセッティングするには、この向きが便利です。
薪ストーブはオーブン付き。パンを焼いたり、シチューを煮込んだり!
「最近はみんな忙しいから、なかなか自然にヒュッゲするのは難しいかもしれない。
デンマークでも、僕のお母さんの頃は、わざわざ『ヒュッゲする』なんて言わなくてもちゃんとヒュッゲな時間があった。
でも今、デンマーク人も『ヒュッゲしよう』とあえて呼びかけながら、その時間を大切に過ごしている。これからは、日本でも思いきって、『今日はもう、仕事を切り上げて帰ろうよ、家族と過ごそうよ』なんて、あなたから周りに呼びかけてもいいかもしれない。
意識的に、そして気軽にヒュッゲな時間を作ると、日本でも素敵な習慣になるかもしれないね」(イェンス・イェンセンさん)
Photograph/Naoko Akechi Coordination/Naoko Akechi Noritake Akechi Original Composition&Text/Taeko Ishii Masami Fukuyama
※詳しくは2018年10/7発売LEE11月号別冊付録をご覧下さい。
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