息子が3歳になる夏がやってきます。そう、おむつはずしチャンスの時季。我が家の場合、排泄の回数もかなり減って、0〜1歳の頃よりも格段におむつ替えの回数は減っています。でも毎日保湿剤を塗っているのに、微妙にお尻がかぶれています。なぜ？と思っていたところ、「パンパース」が興味深い調査結果を発表していました。

子どもの成長とともに育児の関心事が変わってくる

私もそうですが、2歳後半になってくると子どもへの関心の種類が変わってきます。それまではちゃんと食べれているのか、眠っているのかなど、日常の基本的なことでしたが、今気になっているのはしつけや習いごとなど、社会的な事柄。
それは調査結果にも現れていて、0〜1歳ママの育児の関心は赤ちゃんの食や睡眠、スキンケアといった身体的なことだったのに、子どもが2歳になったくらいから教育・コミュニケーションなどの社会的な方面へとシフトしています。

その結果、それまで機能性重視だったおむつ選びが価格重視へと変わるとのこと。

おむつもサイズが大きくなるにつれ、単価が上がっていくし、リーズナブルなものにしたいというママの気持ちはわかります。

3歳までの肌の健康が、その後の一生の肌質に影響を及ぼすことも

我が家は成長とともに低価格のおむつにこそしませんでしたが、排泄の回数が減っていたのでおむつを替える頻度は減っていました。でも生まれたてならともかく、3歳近くになった今、肌は結構丈夫になっているんじゃないの？
そこで赤ちゃんのスキンケアや小児アレルギーに詳しい一宮西病院小児科部長・杉山 剛先生にお話をうかがいました。

ーー生まれたばかりの赤ちゃんの肌は、とても薄くて繊細ということは知っています。でも3歳になると皮膚もかなりしっかりしているように見えます。
杉山　3歳でも肌は成長途上。大人の表皮の角質より20～30％も薄いです。そのため刺激や摩擦を受けやすく、まだまだ未熟で繊細。表皮には保水機能や汚れや細菌の侵入を防ぐバリア機能があり、アレルギーを予防する働きがあることもわかってきました。

ーー3歳になったとしても肌は大人ほど丈夫ではないんですね。息子の場合、排泄の回数も減って、それに伴っておむつ替えの回数も減っています。それもよくないのでしょうか？
杉山　排泄後もおむつを替えずに放っておくと、おむつかぶれを引き起こす原因になります。年齢が上がると一度のおしっこの量も増えますよね。一度の排泄でも、長時間皮膚が湿った状態にあると皮膚が赤くなったり、ジクジクしたりすることはありませんか？　このような状態では皮膚のバリア機能が低下してしまいます。また便に含まれる刺激物も皮膚にダメージを与えることがあります。

ーー1時間程度の外出なら、おむつ替えの必要もないだろうと、最近はおむつを持ち歩くことが減ってきました。そんな時にうんちをされ、すぐに替えられなかったことが……。
杉山　排泄物や蒸れにより皮膚がダメージを受け、おしりや陰部が赤くなったりジクジクしたりした状態がおむつかぶれです。さらに尿と便が混ざると肌のpHが高くなります。皮膚は元々弱酸性なのでpHが高くなってアルカリ性になると皮膚へのダメージも加速するんですよ。

ーーおしっこしたままのおむつで、うんちをすると肌への負担がかなりかかるんですね……。
杉山　3歳まではアトピー性皮膚炎や食物アレルギーを発症しやすい時期。最近では肌のバリア機能が低下すると、アレルギー疾患を発症しやすくなることがわかってきました。ずっと肌に触れている“第2の皮膚”ともいえるおむつの選び方も大切なスキンケアのひとつ。通気性がよく、肌にやさしいものを選びましょう。おむつを替える際は肌にやさしいおしり拭きで清潔にしたあと、ローションなどできちんと保湿するといいでしょう。3歳までの肌質は将来の肌質に大きく影響する可能性がありあす。3歳肌は一生肌*であることをお母さんは覚えておいてくださいね。

* “幼児期の肌が将来の肌の状態に影響する可能性がある”という意味であり、“3歳の肌の状態がそのまま一生続く”ことを意味していません。

将来の肌状態にも影響を及ぼす可能性がある、3歳までの肌状態。おむつはずしの方にばかり目をむけていましたが、赤ちゃん時代を思い出して1回1回のおむつ替えをこまめにしていきます！

お話をうかがったのは、杉山 剛（すぎやま・たけし）先生

一宮西病院の小児科部長。日本小児科学会 専門医･指導医、日本アレルギー学会 専門医･指導医など。赤ちゃんのスキンケア、子どもの扁桃腺肥大、いびきなどを得意分野とし、子ども達が明るく元気にすごせる診療を心がけている。