LIFE

CULTURE NAVI「今月の人」

福士蒼汰さん「攻め手の強さは、受け手の表現も重要だと知りました」

2018.07.18

この記事をクリップする

作品ごとにたくましく頼もしく、着々と成長し続けている福士蒼汰さん。ここ数年、殺陣たてやアクションが見せ場となる役を担うことも多い。映画『BLEACH』も、そんな一作。少年ジャンプで連載され、世界に熱狂的なファンを持つ、シリーズ累計発行部数約1億2千万部という久保帯人氏による同名コミックの映画化だ。

攻め手の強さは、受け手の表現も重要だと知りました

ふくし・そうた●1993年5月30日生まれ、東京都出身。『仮面ライダーフォーゼ』(’11年)で主演に大抜擢。『あまちゃん』(’13年)でブレイク。『好きっていいなよ。』(’14年)以降、青春映画の顔に。本年度の公開作に『曇天に笑う』『ラプラスの魔女』。『旅猫リポート』が10月26日に公開待機中。

「ハマってしまうのが怖くて漫画をあまり読まないようにしてきた自分は、出演が決まるまで未読でしたが、タイトルはもちろん知っていました。出演が決まると海外の友人からも連絡がきて、その人気の高さを再認識して……。すごい責任とプレッシャーを感じました」

福士さんが演じるのは、ひょんなことから死神を代行することになり、悪霊と闘いを繰り広げる高校生の一護。『無限の住人』『曇天に笑う』に続き、大きな武器を振り回す“殺陣”アクションが肝だ。

「でも今回は強いヒーローではなく、“弱い奴、頑張る”といった感じで(笑)。“誰かを守る”ことをエネルギーに、大きな敵に立ち向かう必死さ、やられても起き上がるがむしゃら感が重要でした。基本的に守りの殺陣で。それが難しかったです。攻め手の強さを表すには、受け手側の表現も重要だとあらためて実感しました」

死神ルキアから特訓を受けたり、押しかけられて同居したりするシーンがコミカルで楽しい。ルキアを演じるは杉咲花さんだ。

「何度か共演させていただいた中で尊敬する女優さんの一人ですが、今回でより強く感じました。杉咲さんが登場すると、映画がすごく生っぽくなるんです。ルキアとしてはすごく重要な要素なんですが、死神なのに一番人間っぽい雰囲気をまとっている。掛け合いはその場で生まれた即興もあり、ちょっと可愛くてほほえましくなっています」

コミックどおり、一護のオレンジ色の髪もインパクト大!

「地毛でやりたいと、色にはこだわりました。脱色とカラーを繰り返し、髪の色が変わっていくのが楽しかったです」

監督は、『図書館戦争』シリーズの佐藤信介さん。かつて現場を共にした監督から、再び声がかかるのは役者冥利に尽きるだろう。

「19歳の頃の自分を知っている監督の現場で、主役が務まるのか、と不安でした。でも監督の大きな懐に入れてもらえた感覚があって。どんな場面でも“福士君ならできるでしょ?”という言葉の端々に信頼を感じてうれしかったです」

吉沢亮さんや早乙女太一さん、MIYAVIさんなど、個性的な俳優勢の顔ぶれも本作の魅力!

「本当に濃い皆さんで。アクションの稽古時、太一君の体の使い方の美しさに驚きました。レベルが全然違う、と。ふとした手の添え方で奥行きや大きさが出る。自分が憧れる方の一人です。舞台『髑髏城の七人 Season月』で再共演した際、ようやくごはんに誘えました。興味もあるし、尊敬もできるし、太一君のことが大好きになってしまって(笑)」

今や役者一筋の福士さん、“バックパッカーとして世界一周巡りたい”とかつて夢を抱いていたそう。

「知らない世界を見たいという興味や好奇心が強いんです。地球に暮らしていて、ほかの国のことを知らないなんてもったいない。今でも仕事にかこつけず、自分でその夢を叶えたいと思っています」

『BLEACH』

©久保帯人/集英社 ©2018映画「BLEACH」製作委員会

霊感の強い高校生の一護(福士)は、ある日突然、悪霊"虚(ホロウ)"に襲われる。死神と名乗る少女ルキア(杉咲花)に間一髪で救われた一護は、重傷を負ったルキアに代わり、死神を代行することに。死神の力を与えられた一護は、家族を守るため悪霊"虚(ホロウ)"と死闘を繰り広げる。監督は『いぬやしき』の佐藤信介。(7月20日より全国公開)

撮影/峠 雄三 ヘア&メイク/古久保英人(otie) スタイリスト/壽村太一 取材・文/折田千鶴子

この記事へのコメント( 0 )

※ コメントにはメンバー登録が必要です。

LEE公式SNSをフォローする

閉じる

閉じる