フリーランスの編集者、ライターとして約6年仕事をしてきた私が、そろそろ会社にしようかなと考え始めたのは昨年のこと。色々調べた結果、自分一人で法人化する際にメリットの多い「合同会社」を作ることに。一般的には会社設立の手続きを司法書士に依頼する方が多いですが、私は少しでも設立時の資金を節約するため、すべて自分でやってみることにしました。
1:社名を決めて定款を作る
まず最初に会社名=商号を決めました。現在は他の会社と同じ会社名でも登記できるそうですが、できるだけ同じ業種ではかぶらない名前のほうがいいと思い、インターネットなどで検索してチェック。
会社名を決めたら、次に定款を作りました。定款とは会社の商号や事業目的、資本金の金額、事業年度など、会社の基本規則をまとめた書類で、登記申請書と一緒に法務局に提出します。作成する際、会社設立のノウハウ本に載っている形式や、インターネットで検索すると見本が出てくるので、これらを参考に作成しました。事業目的については、今後行う可能性がある事業まで見据えて記載する必要があります。後から変更することもできますが、事業目的を変更する際には費用がかかります。
なお、同業他社の事業目的を参考にするのも1つの手です。法務局に行けば、他社の登記事項を閲覧することができます。
定款を作ったら、一度法務局の相談窓口に行って、会社名や定款の内容に不備がないか見てもらいました。私が行ったさいたま地方法務局は、相談の予約もできました。
できあがったらA4でプリントし、ページごとに割印を押し、4万円の収入印紙を貼って、そこにも割印を押します。この原本は、会社で保管し、登記申請書にはこのコピーをつけることになります。
2:会社の印鑑を発注
会社設立時には、会社の実印となる代表社印、銀行口座を作る時に使う銀行印、請求書や領収書など日常的に使う角印が必要になり、3つセットで販売されていることが多いです。価格はかなり幅があるので、いくつかのお店で見積もりを出してもらったり、ホームページなどで調べて、比べてみたほうが良さそう。私は、いくつかのお店で価格を比較した結果、3つセットで3万円ほどの印鑑を作りました。
なお、登記申請の際に、出資者の印鑑証明も一緒に出さなければならず、私は結婚後の名前で印鑑登録をしていなかったので、この時に一緒に作って印鑑登録を行いました。
3:資本金を払い込み、出資金払込証明書を作る
まだ会社名義の口座は作れないので、自分の口座に資本金として決めた金額を入れます。この時に、預け入れではなく、振込しなければならないと書いてあるウェブサイトやノウハウ本もあったのですが、法務局に行った際に聞いてみたところ預け入れでもOKとのことだったので、定期預金の口座から引き出し、別の口座に入れました。そして、通帳の記帳も行い、通帳の表紙と、記帳したページをコピーします。
資本金払込証明書も、本やネットを参考に作成。この3枚をホチキス留めします。
なお、資本金は法律上は1円からOKとされていますが、調べてみたところ、会社名義の銀行口座を開設する際に、あまりに資本金が少ないと口座が開設できないという噂が…。最近は実態の無い会社を作る人もいるため、審査が厳しいということが書いてありました。本当かどうかは定かではありませんが、会社の信用にもかかわってくるので、ある程度まとまった金額のほうが良さそうです。
4:登記申請書を作成して必要書類を揃えたら提出
登記申請書は、法務省のホームページから書類と記入見本をダウンロードすることができます。申請時に必要な書類は、以下の通り。添付する書類についても、法務局のホームページに詳細が載っているので参考にしました。
- 登記申請書(登記すべき事項を別添)
- 定款
- 資本金払込証明書と通帳のコピー
- 出資者の印鑑証明書
- 本店、資本金決定書
- 印鑑届書(法務局でもらうかダウンロード)
登記申請書には6万円分の収入印紙を貼ります。
書類を提出する日にも、法務局の相談窓口に行って、書類一式をチェックしてもらったり、書き方がわからない項目は教えてもらったりしました。こうして書類を提出すると、登記が完了する日程を渡されるので、それまでに何も連絡がなければ登記が完了したことになります。これで晴れて私も社長に(笑)。
ただし、余談ですが、合同会社の場合、代表者は「代表取締役」ではなく「代表社員」という肩書きになります。この代表社員という肩書き、あまり一般的ではないため、名刺に記載するとややこしいと思い、私の名刺には「代表」とだけ入れることにしました。
また、登記が完了した後にも、銀行口座を開設したり、税務署や都道府県の税事務所などにも設立届を提出する必要があるので、これらもお忘れなく。
今回会社を設立してみてわかったのは、手続き上わからないことがあれば、役所の窓口で聞くと何でも親切に教えてくれるということ。法務局も税務署も、窓口の方はみんな親切で、超初歩的な質問にも丁寧に答えてくれました。ただし、細かい点で、人によって言うことが違ったりすることもあるので、よくわからない場合は何度でも聞いた方がいいと思います。
なお、今回この記事にまとめた方法は、あくまで私個人の経験。ひょっとすると自治体や法務局によって、多少の違いがあるかもしれませんので、その点はご了承下さい!
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相馬由子 Yuko Soma
ライター
1976年、埼玉県生まれ。夫と7歳の娘との3人暮らし。編集プロダクション、広告系出版社を経て独立。ウェブ、雑誌、書籍などで編集、執筆を手がける。最近では、子育て、アウトドア、旅、食などのテーマを担当することが多い。合同会社ディライトフル代表。