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LIFE

知っておきたい「子育て支援」

知らなきゃ損! 私が産前産後を乗り切れた3つの地域サポート、活用のススメと利用方法

  • 佐々木はる菜

2018.04.11

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子どもを持つまで、地域の施設は図書館くらいしか利用したことがなかった私。
でも、ふたりの子どもの出産・育児を通し、児童館や子育て支援センターなどにたくさん助けてもらい地域に目を向けるようになりました。

近所の保育園の園庭開放や運動会、児童館のお誕生日会や発表会…地域で開催される子ども向けの様々なイベントにも、たくさんお世話になりました。近くの消防署では、何度も消防車と救急車に乗せていただいています

中でも、ふたり目の産前産後にとてもお世話になったのが、「認可保育園での緊急一時保育」「シルバー人材センターの家事援助サービス」「区の一時預かり事業」。この3つの制度なしには、とても乗り切ることはできませんでした。
一方で、周りにこの話をすると「知らなかった」「私も利用すればよかった」と話すママさんが多く、自分は産後間もない時期から上の子のお世話や家事に追われ大変だったというエピソードを聞くことも…。
地域のサポートは、実は役に立つものがいっぱい!今回は、産前産後の私の経験を通し、意外と知られていないこれらの3つのサポートについて、お伝えしていきたいと思います。

活用しないのはもったいない!地域の様々な支援サービス

これら3つは、詳細は市区町村ごとに違うものの、基本的には多くの地域にある制度。私の住んでいる地域での私個人の利用経験をもとに、まずは簡単に説明したいと思います。

◆緊急一時保育

保護者の死亡、病気、出産等の理由で昼間保育する人がおらず緊急に保育が必要な子どもを、区立保育園で一時的に預かってくれる制度。
私が住んでいる地域では、出産の場合は4週間(産前1週間・産後3週間)利用でき、時間は「午前8時30分から午後5時までの間で必要とする時間」、保育料は1日1400円、給食付きでした。区立保育園全園で受け入れがあり、定員は各保育園で1名(兄弟姉妹の場合は同じ園になれるよう考慮してくださるそう)。出産の場合、予定日の1ヶ月前から保育サービス課へ申込みができ、保育園の状況などを確認し内定すると課の窓口にて手続き。利用開始日前日までに利用する園で子どもと一緒に面接を受け、利用し始めて2日目に出産を迎えることになりました。

◆シルバー人材センターの家事援助サービス

60歳以上で、自らの能力や経験を活かした仕事をしたい方が会員となっている公益社団法人。会員の方は、入会する際に希望する仕事を登録し、センターが引き受けた仕事の中から、ご自分でやりたい仕事を選び会員として就業する仕組みです。家事援助に関しては、「部屋、水周りの掃除」「洗濯」など法人ごとに内容が決まっています。
私の場合は、産後3か月頃まで週に1回、お風呂などを中心にお掃除をお願いしました。出産2か月前にまずはセンターに依頼したい内容や時期を伝え、条件に合う方が近所にいるかを確認。該当する方が見つかると、センターの担当者と会員さんと自宅で面談をし、最終的に決定。定期的な利用は産後からでしたが、掃除用具の場所やお部屋の説明などを兼ねて、産前にも一度来ていただきました。

◆区の一時預かり事業

区が運営する施設にて、通院、リフレッシュ等理由を問わず時間単位で子どもを預かってもらえます。区内に数か所ある中で1か所、我が家から3駅先の通える範囲に施設があり利用しました。年齢は生後5ヶ月から就学前までが対象で、月~土曜日の午前8時30分から午後18時、1時間800~900円程度、お弁当やミルクは持参。定員は10名で、たまに混んでいて入れない時もありましたが、基本的には前日などでの問い合わせでも間に合うことが多かったです。

サービス利用のきっかけは「腕白すぎる長男」。安定期に進めた、産前産後の準備

私がこれらのサービス利用に至ったのは、産前産後の具体的な過ごし方を早めに考え始めたことが大きかったと思います。そのきっかけは、第二子出産時に2歳8か月となる長男の存在でした。

常に靴の替えまで持ち歩いていた、息子2歳代。

赤ちゃんの頃から体がひと学年分ほど大きく力が強く、常に走り回り、公園では池に飛び込んで遊んでしまったり…というような幼児だった長男。体格が良い分、児童館で周りのお子さんに怖がられてしまい行きにくかった時期などもありました。当時、在宅で少しだけ仕事も続けながら、基本的には彼のペースで毎日早い時間から外遊び。そうやってつわり中から無理をしていたせいか、安定期まであと少しという妊娠4か月ごろに体調を崩し、精神的にもいっぱいいっぱいに…。そこで「このままじゃまずい!」と、夫とも話し合いながら生活を見直し、同時に、「このパワフルな長男を、産後ずっと自宅保育するのは本人も私も厳しい」という思いのもと、産前産後を具体的にどのように乗り切るか考え始めました。

問い合わせは簡単?いつからいつまで使ったの?産前産後、私の場合のスケジュール

まずは、仕事以外でも週1くらいで一時保育を利用するようにし、自分のペースで家事をする時間や、体調が悪い時は休むことができる態勢を整えました。また出産前、あまり動きすぎると切迫になると言われた際も同様にお世話になり、本当に助かりました。

そして安定期の間に、産前産後をサポートしてくれる支援についてリサーチ開始!
まず一番の問題だった長男の預け先を調べていく中で、当時携わっていた区のボランティア活動を通して「緊急一時保育」の制度を知りました。改めて確認すると、妊娠届を出した時にもらった区の冊子などにも記載があり「気づかなかった…」と反省。その後は家事支援サービスについて調べ、ネットの他に区役所を訪問して掲示物やチラシを確認したり、ついでに窓口で質問をしたりしながら、「緊急一時保育」と「シルバー人材センター」の利用を決めました。どちらも具体的な申し込み等は1~2か月前からとのことでしたが、一度連絡を入れて自分の状況や出産の時期を伝え、担当の方のお名前は聞いておきました。

方向性が見えたことで安心したことに加え、ありがたいことに体調が落ち着いていた中期。ちょっと調子に乗って、仕事、家族や友人との予定、また残り少ない長男とふたりきりの時間を楽しもうと予定を詰めこんでいました。

大きなお腹で息子と色々な場所へ出かけ、びっくりされることもしばしば…

しかし28週目ごろ、季節の変わり目と相まって家族全員が体調を崩し、その後、さらにお腹が大きくなると思うように動けなくなってきて、そのことへの戸惑いやいらだち、そして息子の相手をするのがしんどくてイライラすることが増え、切迫にならないよう注意も受けたことで、その頃からまた一時保育の利用が多くなりました。
そして緊急一時保育が始まり2日目に無事出産。
当時息子は保育園などには行っていなかったので、毎日私と離れるのは初めての経験。そして家に帰ると新しく生まれた妹が…。大きな変化がたくさんあり寂しい思いや我慢もしたと思いますし、私も母子分離が非常に心配でした。今振り返っても、よくがんばってくれたなと切なくなることもあるくらいです。ただそれでも、日中は保育園のプロの先生方のもと、同世代のお友達と思い切り遊べる環境があったのは、きっと息子にとっては1番良かったと信じています。
私自身も、長男の保育や体力のいる家事をサポートしてもらえたことで、帰ってきた息子とゆっくり話したり遊んだりする余裕を作ることもできました。息子の性格や我が家の状況考えると、サポートを活用した判断はベストだったと思っています。



自分にはどんなサポートが必要?準備は早めがオススメ!

個人的にはなるべく早めに、まずパートナーと「どういう態勢で出産を迎えるのか」について話し合い、体調に無理のない範囲でリサーチや準備を進めておくと良いと感じています。パートナーが育休を取って対応、里帰り出産など、周りでも様々パターンのご家庭があり、まず大切なのは、自分たちは何に困りそうで、どんなサポートが必要かを明確にしておくことだと思います。

また第一子を抱えての出産の場合、上の子の環境を優先して産後も自宅で過ごし、ママ1人や家族のサポートだけで頑張ってしまっている人も多いなと感じています。友人の中には、ある日突然自宅安静を命じられたという人も割と多く、第二子三子出産の場合は上の子のお世話ができず、家族で本当に困ったと話していました。
いつ、何があるかわからないのが妊娠・出産。
問い合わせ、手続き、下見や役所に行くなど手間がかかること、行動を伴うものは安定期のうちに!!ちなみに我が家は1人目の時に苦労したので、お部屋のレイアウトなども早めに考え、ベビーベッドのレンタルなど予約が必要なものは早めに押さえておきました。

ふたり目の時は生後3か月くらいまでしか使えない可動式のベビーベッドをレンタル(長男の背後に写っているもの)。日中はリビングへ、夜は寝室に移動して使いました。動き回る長男が同室にいても、赤ちゃんを中に入れておけば多少安心。

いかがでしたでしょうか。
住むエリアや状況にもよるので、今回お伝えしたのはあくまでも「私の場合」。
ただ、地域のサポートに関しては「調べてみたら、知らなかっただけでこんなサービスがあるんだ!」ということは多く、しかも区が運営するものはどれも比較的リーズナブルなこともありがたかったです。

子どもはかけがえのないものですが、毎日24時間続く子育ては、ひとりだけで抱え込むと大変なことも多いと思います。ここ数年、以前に比べ低額でフレキシブルな利用しやすいシッターサービスなども増えていますし、出産前後に限らず、区や民間のサポートをうまく活用することは、きっとママの負担を減らし、ひいてはそれが子ども自身や家族のためにもなると思います。
子どもと過ごす時間をより楽しくするために、改めて、地域のサービスに目を向けてみてはいかがでしょうか?身近なところに思わぬ助けがあるかもしれません。

佐々木はる菜 Halna Sasaki

ライター

1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。

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