こんにちは!ななおです。
10月23日に日本中を駆け巡った作家・村上龍さんの訃報・・・
これを知ったときに会社にいたななおは、リアルにひえっ!と声が出ました。
まさか・・・いやまだお若いでしょう?と思いましたが、享年74歳とのこと。
そうでしたか、もう70代でいらっしゃいましたか・・・
ななおの思い出
村上龍さんと言えば、高校の現代文の先生を思い出す。
先生は中年だったが、ウォークマン(当時)を聞きながら本を物色しているところを駅前の書店でよく目撃される、根っからの文学中年だった。
文学中年は言った。
「村上春樹という小説家が誕生したとき、文学界にはすでに村上龍と角川春樹という巨頭がいた。そこに二人を掛け合わせたような名前を引っ提げて登場した村上春樹は、最初はたくさんのアンチを生んだ。だが、彼は作品でそのアンチたちを黙らせた。彼らと同じ時代に生きていることは幸運でしかない」
よく村上つながりで、龍派か春樹派かというカテゴリー分けがあるが、ななおは絶対的に龍派だった。
村上龍の作品は大好き!と言うにはちょっとためらわれる部分もあり、人間の暗部が余すことなく描かれていて、でも惹きつけられる、唯一無二の作品だった。
イン ザ・ミソスープ(1998.07.01)

衝撃で言えば、「イン ザ・ミソスープ」の衝撃は忘れられない。
性風俗のアテンドをしている主人公のもとに訪れたアメリカ人観光客フランク。
そのフランクが徐々に異常性を発揮してきて・・・というサイコホラー。
読売新聞夕刊に連載されていたらしいが、よく掲載されてたな!?
この本に出会った頃、ななおはまだ10代の純真な乙女であった。
寝る前に本を読む習慣のあったななおは、夜の幸せホルモンを出すために軽い気持ちでこの小説を読み始め、読み始めたらセロトニンどころじゃねえとなり、読み終わるまで眠れず、何なら読み終わっても眠れなかった。
翌日、この本はすぐさま図書館に返却された。
五分後の世界(1994.01.01)/ヒュウガ・ウイルス 五分後の世界Ⅱ(1996.01.01)

「プライベート・ライアン」という映画がある。1998年公開。二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦で行方不明となったたったひとりの兵士(プライベート・ライアン)の救出に向かう物語だ。
冒頭約20分間のオマハ・ビーチ上陸戦が見所の90%を占めているという珍しい映画である。
当時、カメラ界隈(どんな界隈!?)ではプライベート・ライアンが転換点として語られたと思う。
上陸戦におけるカメラワーク。観客がそこにいるかのような圧倒的な臨場感。
この上陸戦には有能指揮官や英雄がいるわけではなく、個でできた集団が、個でできた集団と泥臭くぶつかっていく。
爆音、硝煙、弾丸、あっけない死、絶望感。
もう、無理なんじゃないの、とカメラの視点を追いながら観客は思う。
どう考えても上陸は無謀だ。
でも、少しずつ、少しずつ個の力を発揮したことが重なって、少しずつ上陸は成功する。
そして最後には圧倒的な犠牲のもとに上陸が完遂される。
これを文章に置き換えたらどうか。
「五分後の世界」も冒頭がいきなり戦争から始まる。
なぜならこの世界は5分ずれた並行世界の日本だからだ。
第二次世界大戦後、人口が激減した日本は地下に「もう一つの日本」を建国し、連合軍と熾烈な戦いを繰り広げていた。
そこに今の世界から転生してしまったのが主人公の小田桐さん。
小田桐さんは箱根でジョギングしていただけなのにいつの間にか来てしまったので、転送の方が正しいか。
小田桐さんは作中でLEE世代であり、まさに異世界転送おじさんなのだが、可哀想なことにチート能力も付与されなかったし、無双系でもなかった。
この普通(とはいえちょっと半グレ気味)のおじさんが経験する初めての戦闘が冒頭だ。
映像でも困難な臨場感と迫力。閉塞感と絶望感。
もう、無理なんじゃないの、と文字を追いながら読者は思う。
この状況では身を守ることで精一杯。打開なんて不可能だ。
そこまで思わせる圧倒的文章力が「五分後の世界」にはあった。
「ヒュウガ・ウイルス 五分後の世界Ⅱ」は、この世界の九州にある超高級リゾート地域「ビッグ・バン」で発生した謎のウイルスを追う物語。
このウイルスに感染すると、考えうる限り最もイヤな方法で死ぬことになるので、何としてでも根絶しなければならない。
最後の方で感染者の少年が登場し、とてもいい子なので「人の心とかないんか?」と思うのだが、その後の展開で「人の心とかあったんか・・・」という村上作品にしては珍しい感想を持つことになる。
前作の小田桐さんは、正直まあまあ絶望で終わったのだが、今作には出て来なかった。人の心とかないんか?
海の向こうで戦争が始まる(1977.06.20)

有名なデビュー作「限りなく透明に近いブルー」に続く第2作。
村上作品は、悪意を書くことにめちゃくちゃ長けていて、その悪意は生々しくて、ぬるぬるしてて、とても熱い。
海の向こうで、というのは、この物語が2つの視点で描かれるからだ。
ビーチで絵を描いている主人公に話しかける水着の女性。のどかで煌めくリゾート地の向こう側にあるのは、巨大なゴミ溜めを持つ街。
そこで始まるのは、盛大で熱狂的なお祭り。
悪意が満ちているお祭り。
「なにもそこまで」というほどの悪意に次ぐ悪意。
お祭り自体が悪いわけではないのだ。
普通のお祭りが、小さな「普通の」悪意や「ちょっとした」不運などによって戦争レベルにまで引き上げられる。
こんな小説、他にあるか?
ということで、村上龍さんの作品の思い出(単なる感想)でした。
他にもたくさんおススメ作品があるかと思います。
ななおもたくさんありますが、もう書き切れませんのでこれくらいで😂
特に同年代は青春を彩ったと言える作品たちなんじゃないでしょうか・・・
村上龍さん、ご冥福をお祈りいたします。
ななおでした。
014 - ななお
派遣社員 / 神奈川県 / LEE100人隊
46歳/夫・息子(12歳)/料理部/家族はアクティブな夫、ゲーマーな息子、すぐ噛んでくる2羽のコールダック。性格はインドアなのに、なぜか旅行・MTB・雪山・空手・筋トレと案外外で動き回る日々。40代も佳境となり、ここからどれだけ健康で心地よく過ごせるかを毎日模索中(筋肉は裏切らない)。LEE100人隊1年目、自分の「好き」にまっすぐ向き合っていきます!旅先やお出かけ先のアレコレ、ファッションのアレコレ、読書や料理のアレコレなどを発信していけたら幸いです!身長160cm。
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