暮らし発見

【08】『東京人、畑始めます。』-念願の冬瓜、惜しいトウモロコシ-

  • 008 つかごん

2026.09.01

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いよいよ長月、処暑の終わりで秋を感じる頃に突入したところだが、夏後半の畑の様子を振り返ろうと思う。子どもの夏休み中はなかなか思うように畑作業が進まなかったものの、夕方涼しくなった頃に水やりに行くことは休まず、手入れと収穫も最小限にして季節の機微を感じる時間を確保していた。

正しい育て方とは決して言えなかったような感じだったけれど、本を開きながら見よう見まねで育てたミニ冬瓜。苗を植えて敷き藁を敷き6月頃から面倒を見てきた。花は咲くものの、一向に実が膨らまない。ツルはどんどん伸び、葉は生い茂るが特に冬瓜っぽい膨らみはなく、とにかく黙って水をあげ続けていた。雄花雌花の区別もつかないど素人の私は虫たちのせっせと働く姿を静かに応援しながら受粉の成功に期待していた。東京の狭い地で冬瓜なんぞできるのか?という気持ちもありながら待ち続けているうちに小さい冬瓜が葉の隙間から2こ3ことのぞき始めあれよあれよと大きく育ち念願の収穫を迎えたのが8月。なんと立派な!と嬉しくて、ミニとはつくが食卓の肥やしになる十分なサイズ。テンションあがり何枚も写真を撮る。特に映える訳でもない冬瓜の写真は私の一夏の大成果となって写真フォルダにしっかり収まった。

冬瓜を白だしでじっくり煮たもの。あたたかくても冷やしても美味しい。

ふさふさ部分が茶色くなったのでトウモロコシも収穫。息子と一緒にトウモロコシの皮を剥き、さて一体どうなっている?と姿を現したのはとても美しいとは言えない形。それでも息子は「トウモロコシでてきた!」とはしゃぐ。あーうまいこといかなかったー。と落胆しながら、いや、味はわからないぞと早速茹でてみると、まあ美味しくない!甘くない、ぱさぱさぽそぽそ、どうしようもない。もちろん夫も息子も食べず、意地で一本食べ切るわたし。一筋縄ではいかない野菜作り。SNSで嘆いていると友人が「アートみたいだね」と言ってくれた。そうだった、わたしはこの手間暇かけて作った味も形さまざまな野菜たちが好きだった。その姿に美しさを感じたりインスピレーションを受けたりしていた紛れも無い事実があったことをすっかり忘れていた。不味くても、へんちくりんな形でも初めて育てたこのトウモロコシはきっと私の人生の中で唯一無二のものだ。

この夏の食卓の5.6割は自給の野菜が並んだ。全て自給の物という日っもあった。目にも鮮やかな夏野菜が絶えず採れる毎日想像以上に幸福度が高かったし、なにより鮮度抜群でとてもとてもとても美味しかった。大きな声では言えないがその辺で外食すると家で当たり前に口にするようになった採れたて野菜の美味しさが身に染みて思い出された。きゅうりなんかは飽きるほどに採れたけれど、熱る体の熱冷ましにちょうどよかったし、食欲がない日は冷えたミニトマトをおやつのようにちびちび食べてビタミンC、カリウム、食物繊維を補給していた。名残惜しいが気を取り直し、また土を耕し秋植えの作業に挑む。2歳の息子も春よりだいぶ背が伸びた。

008 - つかごん

主婦兼イラストレーター / 東京都 / LEE100人隊

33歳/夫・息子(2歳)・ミニチュアダックス/手づくり部・料理部・美容部/描いたり、つくったり、伝えたりのお仕事をしています。ゆるっと子育てをしながら暮らしと表現のあいだを探る日々を送っています。自分の感覚を大切に「LOVE!」と思った物事を気張らずに綴ってゆければと思っています。つくり手やデザイナーさんの想いがこもっている物や作品が好きです。身長160cm。

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