あらすじ
主人公は、かつて大学病院でエリートコースを歩んでいた内科医の「マチ先生」こと雄町哲郎。ある事情からキャリアを捨て、現在は京都の地域病院で高齢患者さんたちの日常や、避けられない「死」に向き合い、寄り添う姿、彼なりの哲学について書かれています。著者はの夏川さんは現役のお医者さんです。
医療だけでは人は救えない
作中には「医療だけでは人は救えない」という、一見シビアで本質的な前提が流れています。どれだけ医学が進歩しても、人間に訪れる「死」をゼロにすることはできません。
だからこそ物語は、単に「病気を治してハッピーエンド」という単純な展開には進まず、「治らない病気を抱えた人はどこへ行くのか」「限られた時間しか残されていない人に、周囲は何ができるのか」 著者の現役医師としてのリアルな葛藤と経験があるからこそ、どのエピソードにもリアリティがあります。
名言集を作りたいくらい、素敵な言葉たちに出会える
マチ先生の哲学はもちろんとっても素敵なのですが、他の登場人物なども温かく、心に留めておきたい名言ばかりです。
幸福と快楽とはとても似ている部分があるが、実際は異なるものだ。快楽の多くは、お金さえあればすぐに手に入れることができる。でも手に入ったとたん、また次が欲しくなる。そして人間は果てしなく快楽を追い求めて走り続けることになる。こいつは幸福とは随分かけ離れた状態だと私は思うんだ。
幸福と快楽との違いにハッとさせられました。
私はね、龍之介。お前には、たとえ結果が自分の利益にならないとわかっている時でも、動くべきときに動ける大人になってほしいんだ。だいたい結果がすべてだと言うのなら、治療法のない終末期の患者に、我々医師ができることは何もなくなってしまうじゃないか。そんな考え方はやっぱり不自然だよ
結果ではなく、その過程でやれるべきことを行動することの大切さが心に響く・・・!
人にはね、いろんな役割があるの。私みたいに社会に出て必死で働くっていう役割もあれば、その人の帰ってくる場所をつくったり、子どもを見守ったりする役割もある。本当は両方とも同じくらい大事なのに、一方が『活躍すること』で、もう一方が『活躍できないこと』っていう考え方そのものが、古い男社会の価値観だって話よ。女が男のように振る舞えば、男女平等になるわけじゃない。大事なことは、それぞれの役割に敬意を払うってこと。
男女平等に対して、モヤモヤする気持ちがすっと軽くなりました。平等ではなく、それぞれの役割があって、敬意を払う。ジーンときます・・・!
こんな人におすすめ
自分や家族の病気、看取りに向き合った経験がある方。
「損得勘定」や「タイパ」ばかりを気にする毎日に、少し疲れてしまった方。
「誠実に仕事をする」とはどういうことか、改めて見つめ直したい方。
私も亡くなった父のことを思い出しました。
TB - あお
会社員 / 埼玉県 / LEE100人隊トップブロガー
40歳/夫・息子(14歳・9歳)/フルタイムの会社員、ワーママ歴は13年目に突入。39歳でリモートワーク中心の会社に転職しました。平日はとにかく質素に疲れないように過ごし、土日は子ども達の試合を見に行ったり、カフェに行ったりアクティブに過ごしてます。趣味は読書、料理、インテリア。特技は家計管理。日々、自分の心と身体を整えるために、ジャーナリング、読書、ヨガ、ウォーキングや筋トレに勤しんでいます。骨格ストレート、イエベ秋。身長153cm。
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