気になっていた大作を図書館でかりました。
あらすじ
読売文学賞を受賞し、各方面で高い評価を得ている本作。600ページ近い大作ですが、物語の推進力に圧倒され、一気に読み進めてしまいました。
舞台は1990年代。15歳の少女・花(はな)は、スナックで働く母親との不安定な暮らしの中で、身寄りのない女性黄美子(きみこ)さんと出会います。
二人は、家庭に居場所のない少女たちを招き入れ、東京・立川にある「黄色い家」で、血のつながらない「疑似家族」としての共同生活を始めます。
選ぶことを知らない人生
主人公の家庭環境は決して恵まれていないのですが、虐待や性的暴力などの描写はありません。しかし、よく母の職場のスナックで働く同僚(女性)が家にくる環境や、片親で母親がスナックで生計をたてており、普通とはいいがたい家庭環境です。
主人公はかしこい子だと思いますが、どうしたらお金を稼げるか、という知識やなにが幸せなのかということを知る機会がなく、リスクのある仕事をするようになってしまいます。
この物語は1990年代が舞台なので、色々なことを調べたり、行動する術がなかったのかもしれないと思いました。親ガチャという言葉はあまり好きではありませんが、家庭環境というものはその後の人生に多いに影響するし、抜け出すということすらも知らない、そして選ぶことができないという残酷さを感じました。
疑似家族
母の元同僚の黄美子さん、居場所がない同年代の2人の女性と生活を始めますが、「生きていく」ということの難しさを考えさせられました。
お金があればいいのか、
支え合う人なのか、
家族という血のつながりなのか、
生きていくためには、なにが糧になり生きることができるのか、読んだあとに考えさせられます。
自立と依存
花は一生懸命自立しようと働きます。
裏の社会の仕事に手を染めてしまうのですが、彼女が必死に「経済的自立」を考えて働く様子や、そこいいてくれるだけでいい存在がどんどん変わっていく「精神的な居場所」という2つのバランスを調和するのは健全な社会基盤との繋がりなのだと、物語の結末を読みながら強く再認識させられました。
私たちが無意識に目を背けている「格差」や、形を変えて今も存在する「居場所のなさ」を、真っ正面から突きつけてくる一冊です。
読み終えた後、ふと自分の周りを見渡すと、当たり前だと思っていた「家」や「仕事」、そして「人間関係」が、どれほど多くの選択と偶然の上に成り立っているかに気づかされます。
文庫本もあるので、ぜひ読んで見てください!
TB - あお
会社員 / 埼玉県 / LEE100人隊トップブロガー
39歳/夫・息子(14歳・8歳)/フルタイムの会社員、ワーママ歴は13年目に突入。39歳でリモートワーク中心の会社に転職しました。平日はとにかく質素に疲れないように過ごし、土日は子ども達の試合を見に行ったり、カフェに行ったりアクティブに過ごしてます。趣味は読書、料理、インテリア。特技は家計管理。日々、自分の心と身体を整えるために、ジャーナリング、読書、ヨガ、ウォーキングや筋トレに勤しんでいます。骨格ストレート、イエベ秋。身長153cm。
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