わたしの“とっておき“の器とはどれだろう。と考えを巡らせた時、ふわっと浮かんできたのが数年前に制作したこのマグカップだった。
学生の頃からずっと土をこねてみたくて、社会人になってからしばらくして3年間ほど工房で器制作をしていた事があった。一度、小さな花器とペインティングの個展もささやかながら開催した。子供が産まれてからはなかなか制作に手をまわせていないが、陶芸は必ず再開したいことのひとつだ。
全く出番のない使い勝手のよろしくないマグカップ
見ての通り、ぎりぎりマグカップだと言えるぐにゃっとした形をしていて非常に使いにくい。重さもあるし、カップの大きさに比べ容量も少ない。なんとかテーブルにのりはするものの、気を配らなければ中身はすぐに溢れてしまいそうになる。ゆえに、出番がほとんどない。いやしかし、アートピースとしたら自分らしくて格好いい気がする。そんなわけで大事に食器棚に佇んではいるがなかなか実用に及ぶことのない、まさに“とっておき“のマグカップだ。

見飽きることのない表情。穴窯ならではの肌感。
穴窯とは山の斜面を利用した日本古来の構造を持つ窯で、数日間かけてじっくり薪を燃やし続ける焼成方法だ。わたしの通っていた工房では年に2度、穴窯で焼成できる機会があった。普段使用していた電子釜とは違い、薪の灰が作付着して溶ける「自然釉」や窯に詰める場所、火の当たり方によって現れ方の変わる「緋色」の自然任せの美しさが魅力的で力強い風合いに仕上がる。技術の高い作家であればある程度のコントロールはできるのだと思うが、技量に自信がある訳でないわたしにはその予測不可能な釉薬の流れ、艶、輝きが小さな抽象絵画のようで完成を目にする度に引き込まれた。

つくってみるって、やっぱり大切
自分で作ってみると、発見がたくさんある。元々、作家物の器を見たり、購入したり、使ったりすることが好きだった。陶器市にもギャラリーにもよく足を運んだ。そうしているうちに自分でも作ってみたくなって制作を始めると釉薬の種類、土の違い、手触りの良さ、好みがよくよくわかってきてより器が好きになった。有名な作家さんの作品の質の高さにも敏感に気づくことができるようになった。だからまだまだ制作を通して知識やおもしろさを増やし探って器とともにわくわくしたいと思う。まずは工房探しから。
008 - つかごん
主婦兼イラストレーター / 東京都 / LEE100人隊
33歳/夫・息子(1歳)・ミニチュアダックス/手づくり部・料理部・美容部/描いたり、つくったり、伝えたりのお仕事をしています。ゆるっと子育てをしながら暮らしと表現のあいだを探る日々を送っています。自分の感覚を大切に「LOVE!」と思った物事を気張らずに綴ってゆければと思っています。つくり手やデザイナーさんの想いがこもっている物や作品が好きです。身長160cm。
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