暮らし発見

【カナダで入院17日間①】プロローグ|まさか自分がICU(集中治療室)に入るなんて

  • 016 Umi

2025.12.23

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11月17日にブログを更新したきり、すっかりご無沙汰してしまいました。

12月最初のLEE100人隊の入れ替え…卒業されるメンバーの方やTBになった皆さん、
そして、新しい隊員さんの小窓を覗きにいくのを、
実はとても楽しみにしていたのですが。

娘のインフルエンザが珍しく私にうつり、
「ちょっと体調を崩しちゃったかな」くらいの気持ちで病院へ行きました。

2時間ほどで診てもらって、
そのまま自宅に帰ってくるつもりだったのです。

……ところが。

そこから待っていたのは、過酷な治療で三途の川を2回ほど眺めることになる、
17日間の入院生活でした。

カナダは、出産でも1日、帝王切開でも3日ほどで退院する国。
基本的に「できるだけ入院させない」医療スタイルです。
そんな場所で17日間も入院するということが、
その深刻さを、あとになって静かに物語っていました。

といっても、
今は無事生還し、退院して自宅療養中。

実は振り返ってみるとかなりシビアで深刻な入院生活だったのですが、

尊敬する人:樹木希林さんの教え通り、どこか他人事のように受け止めて、
面白がって、愉快に、そして呑気に笑って過ごせたことが
結果的にはよかったのかもしれません。

そんなカナダでの入院生活を、
少しずつ、振り返って書いてみようと思います。

大病はもうしないと思っていた

正直に言うと、
私は「もう大病はしないだろう」と、
どこかで思っていたところがありました。

病気自慢をしたいわけではないのですが、
振り返ってみると、これまでの人生、
わりと病院にはお世話になってきた方で、おかげで注射針も喜んで腕を差し出すタイプ。←え?

小学生の頃には虫垂炎を拗らせて腹膜炎を患い4回の手術、半年の入院。
大人になってからは婦人科系(チョコレート嚢腫・子宮外妊娠)の日帰り手術を2回。
不妊治療に、妊娠中の大出血での入院。大きなバスタオルが5枚でも足りないほどの大出血
出産も帝王切開で3日間入院。
出産後は重い貧血が続き、完治までに1年ほどかかったこともありました。

そうした経験を重ねるうちに、
体調の変化にも、病院という場所にも、
どこか「慣れている自分」がいたのだと思います。

だからこそ、
人一倍、健康には気をつけてきたつもりでした。
おかげでここ数年風邪知らず。
運動もして、体力もつけて、「これだけやっていれば、私は絶対大丈夫」と。

今思えば、
それは健康への意識というより、健康への過信だったのかもしれません。

そろそろ治る、と思ったそのときに

娘がインフルエンザAにかかり、いつもだったらオットが続けて熱を出すのが我が家の定番コース。

ところが、今回は珍しく私にうつりました。

数年ぶりの関節痛と高熱。
「インフルだな、つらいな」と思いながらも、
数日たって熱が下がり始め、
「そろそろ良くなるかな」と思った、5日目。

そこからでした。

再び上がる高熱。
止まらない嘔吐。
そして、今まで経験したことのない背中の激痛。

病院へ向かう車でも、オットの手を借りないと助手席に乗れないほど。

そして到着した病院で血圧を測ってもらった瞬間、空気が一変しました。

上が 66。

ナースの方たちの表情が変わり、私はすぐに車椅子で猛ダッシュで処置室へ。

IV、酸素吸入、血液検査。猛スピードで次々と処置が行われていきました。

そして告げられたのは「肺炎」という診断。

「大きな病院に移りますね」

そう言われて救急車で搬送されることになったのですが、
このときの私は、まだどこか呑気でした。

ピースする余裕すらある自分

「わお、カナダの救急車に乗るなんて初めて〜♪ 写真撮ってもいい?」

写真撮影の許可をいただいています。

ひたすら陽気な運転手さんや、友人が日本へ行ったばかりだから今度は私が行きたいという救命士さんと、日本の話を楽しくしながら、
不思議なくらい冷静な自分がいたのを覚えています。

「ここから一気に落ちるよ」と言われて

大病院に到着してから、隔離個室に移り。
状況は一気に変わりました。

次々と人が集まり、
ドクターや研修医がどんどん来て、私の顔を見てこう言いました。

「今、結構しんどいと思っているかもしれないけれど
ここから一気に、奈落の底まで落ちる。
でも、必ず頑張って這い上がってくるんだよ。」

——え?
今が一番つらいんじゃないの?

そう思っている間もなく、

「これから、とても辛い治療になるから眠ってもらいますね。
ご家族の方は、もうここから見ない方がいいので
今日は帰ってください。」

そう告げられ、
私はそのまま、突如深い眠りに入りました。

このときはまだ、
これが 17日間に及ぶ入院生活の始まりになるとは、そして自分の誕生日を病院で過ごすことになるなんて…
想像もしていませんでした。

続きます。

016 - Umi

教育系 / カナダ / LEE100人隊

48歳/夫(ポーランド人)・娘(12歳)/手づくり部・料理部・美容部/気づけば、カナダ暮らしも20年。3年目のLEEラストイヤーは、心豊かに、彩りゆたかに。旅やネイル、ワークアウト、発酵生活やおいしいものを通して、海外にいても心の余白を大切に。「丁寧に」、そして「笑顔で」。少しの冒険心とユーモアを添えて、多面的に進化していけたらと思います。読む人の心に、ぽっと灯りがともるような瞬間を届けられますように。パーソナルカラー:イエベ秋 顔タイプ:エレガント 骨格:ナチュラル。

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