ロブ・ライナー監督作品『恋人たちの予感』について語らせてください！

ロブ・ライナー監督ご夫妻の突然の悲報に接し、驚きと悲しみでいっぱいです。

代表作の『恋人たちの予感』は私の1番好きな映画なんです。ニュースを聞いていてもたってもいられず、久しぶりに『恋人たちの予感』を見たら、やはり最高におもしろく、心温まる素晴らしい作品でした。

名作映画を語るなんておこがましいのは重々承知しているのですが、『恋人たちの予感』は35年近く前の作品なので見たことがない方もいらっしゃると思いますし、これからのホリデーシーズンにぴったりの映画なので、ぜひ語らせてください！

テーマは『男と女の友情は成立するのか』です

最悪の初対面を果たした20代の男女が、５年後に気まずい再会。さらに５年の空白期間を経て、30代になった２人はようやく友情で結ばれます。

そこから友情関係を深めたり、深め過ぎてこじらせたり、絶交したり。最後に２人の関係がどう変化するのか……　というロマンティックコメディとなっております♡

主演はメグ・ライアンとビリー・クリスタル。この頃のメグ・ライアンは超絶可愛いので、１時間半メグ・ライアンを眺めるだけでも見る価値アリです。

LEE世代にはもちろん、もう少し下の世代にも刺さります

映画の中では、２人の出会いから12年後まで描かれます。

自信満々の20代の頃には互いに相容れない２人ですが、30代になり、別れや寂しさや焦りや人恋しさなどいろんな現実に向き合う中で、自分自身も、他者との関係も、少ーしずつ変化していきます。

安らぎと幸せを求めもがく姿がとてもリアルで、共感せずにはいられません。

ウィットとユーモアにあふれた珠玉の脚本です

とにかく会話がおもしろくてオシャレです。男目線と女目線がコントみたいに絡みあっていて、１時間半ずっと釘付けです（第62回アカデミー脚本賞ノミネート作品）。

どの場面にもユーモアが散りばめられているので、辛いはずのシーンもなぜかちょっと笑えます。

ラストシーンで、相手の欠点をあげつらいながら愛の告白をしたり（悪口に聞こえるけれど最高の褒め言葉になっているという不思議）、「イエス」の気持ちを「大っ嫌い！」というセリフで伝えちゃう場面が好きです。

誰かに気持ちを伝えるときに、好きとか愛してるとか言わなくてもいいんだなー、常套句ってオリジナルを越えないんだなーと気づく場面です。

ちなみに、私が初めて『恋人たちの予感』を見たのは21歳のときです。

どハマりしてしまい、どうしてもこの作品の脚本が欲しくって、ハリウッドにある映画関係者御用達の本屋まで脚本を買いに行ったほどです。（22年前のことです。今ならアマゾンでポチっと買えるのに。）

それから20年以上経って、本はヨレヨレですが、作品は40代の今見てもまったく色褪せないです。むしろ今のほうが沁みる……。

ロブ・ライナー監督の代表作といえば『スタンド・バイ・ミー』ですが……

ほかにも、キャシー・ベイツがアカデミー主演女優賞を受賞したホラー作品『ミザリー』もあるし、トム・クルーズとジャック・ニコルソンの法廷シーンがしびれる『ア・フュー・グッドメン』もおすすめです。

１人の監督がまったく違うジャンルの映画を次々と作り上げ、そのいずれも大ヒットさせてしまうのだから、本当にすごい監督だったのだなあと改めて思います。

素晴らしい作品をたくさん残してくださったので、これからも何度でも見続けたいです。

『恋人たちの予感』は本当におもしろい映画ですし、クリスマスやニューイヤーの場面が描かれていてホリデーシーズンにぴったりだと思うので、ぜひチェックしてみてください。

”好き”が強すぎて、作品の魅力を上手くお伝えできず申し訳ありません。長い文章を最後までお読みくださりありがとうございました。

ナタリー