暮らし発見

キッチン収納で感じた壁から考えた、使いやすさと暮らしやすさ【リノベのその後】

  • 070 おーたむ

2025.12.20

  • 4

この記事をクリップする

自宅で一番好きな場所は?と聞かれたら、答えるのはやっぱりキッチン。

家にいるときほぼここにいます。

ごはん作ったり本を読んだりぼーっとしたり。ブログを書くのも大体ここで。

リノベーションして作った自宅。中でもキッチンは特に力を入れました。暮らしの中で大事にしたい時間がここにあると思ったので。

キッチンづくりで大切にしたこと

それは特に次の3つのことでした。

①壁づけで広さを確保

キッチンは置く場所や向きによって様々なスタイルがありますが、我が家は壁づけに。限られた空間を広く使いたかったことと、夫や子供たちと一緒に料理をすることもあるので、作業するスペースをできるだけ確保したいというのが理由でした。

②キッチン設備を主役にする

この空間の主役はなんだろうなと考えた時に思ったのは、やはりキッチン。一目惚れした木製のキッチンを中心にしたいと、デザイン性の高いキッチン設備を取り入れることに。そこからタイルの色やバランスを考えながら空間を考えていきました。

③つくりすぎず最低限のもので始める

リノベーションをした段階では食器棚などの家具は設けず、置いていたのは最低限のキッチン設備とダイニングテーブル(+チェア)のみ。何が必要になるのかが分からなかったことと、物が多いと自分の手に負えなくなることがわかっていたので、まずは必要なものだけを揃えて生活を始めることにしました。

完成したばかりの時

何はともあれ動線とオープン収納

私は今の家をつくるまでに7回の引っ越しをしたのですが、その中でいろいろなタイプのキッチンを使っては感じていたことがありました。

それはキッチンはとにかく動線が大事だということ。料理中にあれこれ動き回るのが嫌だったのと、食事中に必要なものを取りにテーブルやキッチンや冷蔵庫を何度も往復するのがストレスでした。なのでできるだけ動線が短く、かつキッチンとテーブルも近くにしておきたかった。

また、収納もできる限りオープンに。1日に何度も行う物を取り出したり片づけたりすること。それをスムーズに行うために扉は設けず、オープンな収納がいいなとずっと感じていたのです。

ぶつかった収納の壁

そうして自分の希望を詰め込んだリノベーションが無事に終了し、お気に入りの空間(キッチン)で始まった新しい暮らし。ただ実際に住み始めてから、大きな壁を感じ始めます。

それは収納の問題でした。スムーズに物が取り出せるように扉のないオープンな収納を選んだのは良かったのですが、実はこれほどまでにオープンな収納にしたのは初めてだったのです。

オープンって難しい。。

それ故に空間をどう使えばいいのかが全く分からず、結構戸惑いました。(分かっていたならシミュレーションしとけよって話なんですけどね。。)



さて、どうする?

まずはとりあえず置いてみようと、自分なりに置いてみるところからスタート。

でもとりあえず置いたものはとりあえずでしかなく。変ではないけれども、とりあえず感が半端ない。雑多すぎる感じ。何が良くないのかは分からないけれども、なんだか違う。そして使いづらい。

オープンな収納がいいというイメージ、そして気持ちばかりが先走っていたけれど、物を上手に納める技も見せる技術も全くもって持ち合わせてなかったのです。見た目は悪いし使いづらいし、置き場所が定まらない。

「あれはどこ?」「ここ!え、違ったっけ?」「どこだったかな…」と、料理する度にストレス発生。自分はもちろん家族も使いづらい。そしてみんなの積もるイライラ。

こんな状況で美味しいものなんてできるはずがない。。

理想とリアルの間にあったもの

正直、混乱していました。ストレスが無いように扉のない収納に決めたのに、実際にキッチンが出来上がって知らない間に違う方向に向かっていたのです。

それは雑誌のようなきれいなキッチンにしたい。整った収納にしたい。と見た目にこだわっている自分。

昔からインテリアが大好きな故にいろんな物を見ていたのは良かったのですが、この時ばかりはそれが良くない所にでてしまっていました。願望やイメージばかりが頭の中にあって、全くもって現実や自分の暮らしに何をどこにおけば良いのかが落とし込めていなかった。思い描く空間と暮らしとが繋がっていなかったのです。

使いやすくしたいけれど見た目にもこだわりたい。でもその方法が分からない。中途半端であいまいで。結局どうしたいの?と突っ込みどころ満載の、ただ物が置かれたような状態だったと思います。

家族みんなが使いやすい、が何より大事

そして自分も家族もイライラがピークに達し、これではいけないと考え直すことに。

でも、どうすればいいのだろう…。

考えに考えて至った結論は、はじめにあった思いでした。それは、スムーズに料理ができること。そして動きやすいこと。自分や家族が使いやすく、過ごしやすい場所にしたいという気持ちでした。

なら見た目にこだわるのはやめにしよう。家族みんなが使いやすいことが何より大事なのだから。

それから置き場所や置き方を見直しながら不都合を感じたら修正して。それを繰り返して今の状態に落ち着きました。

吊るすことで置き場をつくる

まずやったのが、とにかくいろんな物を吊るすことでした。

収納アイテムや家具は増やしたくなかったし、作業スペースも減らしたくない。なので吊るすしか方法がなかったというのもあるのですが…。

お玉やトング、フライ返しなどの調理道具。ワイングラスなどの食器類にフライパンや蓋も、とにかく吊るす。

特にマグネットタイプのフックはたくさん使い、料理中に手を伸ばせばすぐに取れるように配置しました。

強力マグネットが大活躍

マグネットの他には包丁ラックやフックなども物を使って、収納できる場所(そして邪魔にならない所)を確保。

物は使う場所かつ見える所に置く

また物は使う場所に置くのが基本だと学び、コンロの周りにはステンレス性の棚を置いて、そこで使うお鍋やバット、やかんなどを近くに置きました。

またラップや軽量カップや調味料など使う頻度の高いものも、調理中すぐ手に取れる場所に。

上に下に前に横に、いろいろ置いています

そうすることで料理中ほぼ移動することなく、すごくスムーズに。何がどこにあるのかも分かりやすく、とても作業がしやすくなりました。

また何がどこにあるのか見えるようにしたのは私以外の家族にも良かったことでした。それからは特に家族の意見や動きを見ながら物の場所を決めるように。

使うものを見える場所に。そして子供が手が届く場所に置くものも。

綺麗に美しく物を置くことは確かに大事。ただ、物や場所に合わせて動くのはストレスに感じる。なので基本は自分に合わせて物を置く。どんなふうに動くのかを考えながらここに何が必要なのか、何があれば快適になるのかを諦めずに考える。そして置いてみる。良ければそのままでで、違っていればまた変えて、その繰り返し。

とは言いながらすぐにはできなかったのと、収納はあまり今まで真剣に取り組んだことがなかったので結構時間がかかりましたが…。ただこればかりは誰かに決めてもらう訳にいかなかったのだと思います。

不要なものを処分する

また物の置く場所を考えると同時に行ったのは、今使っていないものを処分すること。普通は物を見直してから物を場所に納めるのかもしれないのですが、私は使う物をどこに置くのかを考えながら、使っていないなと感じたり収まっていないものは、必要のないものと判断して手放すことにしています。

暮らしは常に変化しているので、前に使っていたものが知らない間に使わなくなっていたり、逆に新たに必要になるものもあったり。放っておけば物が増える方向に進んでしまいますが、できるだけ収納場所は増やさずに今ある空間にどう納めるかを考えるようにしています。

見える収納でストレスをなくす

そうやって試行錯誤しながら我が家のキッチンが行き着いたのは、見せる収納ではなく、見える収納。いかに見える状態にするのかを考えて物を置くようにしています。

そうすることで以前と比べてどうなったのかと言えば、使いやすくなったというのはもちろんあるのですが、それ以上にストレスがなくなったと感じています。

リノベーションを終えて、せっかくこの空間ができたのだから細部までこだわりたい。そういう気持ちが強かったのだけれど、結局それで行き詰まった私。今も良くしたいという気持ちはもちろんあるけれど、それよりもストレスがない状態を保つことのほうが大事なのかなと。

リノベーション後も張り切っていたけれど、結局どうしたいのか何が大事なのかよく分からなくなって家が機能しなくなった。そんな現実を見て思ったのは、自分がいいと思える空間(ハコ)ができたのだからそれでもう十分ではないかということでした。

それからは、こうしたい、ああしたい!と考えるよりも嫌なことを無くすことに注力するようにして。理想を追いかけるよりも、自分も家族もみんなが笑って過ごせるにはどうしたらいいかなと考えるようになったと思います。

答えは暮らしの中に

ただ収納の問題は果てしないというか、終わりがないというか。これ!と思っていても生活や感じ方も変わっていくのでその都度見直していく必要がありますが、結局は自分の動きや今感じていることに合わせていくことが大事なのかなと思っています。

私の場合はリノベーションで空間と設備は整えたものの、それだけでは満足いく暮らしにはならず細かいことは生活しながら考えていきました。想像とリアルは違っていたし、ストレスだなと感じることは実際に動いたり物を置いてみなければ分からなかった。

けれどストレスだなと感じることや、家族が困っているサインをスルーしないでひとつひとつ修正して解決していくことで暮らしやすい空間ができていく。その過程はとても面白かったし、これが自分達の暮らしを作っていくことなのだと思えるように。

そしてしんどくても面倒だと思っても諦めずに何とかしたいと力を注ぐことができたのは、リノベーションをして大切だと思える場所ができたからなのかもしれないなと。

だったら、これからも手を加えながらこの場所を育てていきたいし、とことん自分達らしく生活と空間が馴染んだ場所にしていきたい。今はそう思っています。

リノベーションから時間が経って今思うことをまとめてみようと思ったら、なんだか思わぬ方向&長文になってしまったのですが。。

ここまでお付き合いいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。どうもありがとうございました☺︎

【070.おーたむ】

070 - おーたむ

自営業 / 徳島県 / LEE100人隊

43歳/夫・娘(11歳)・息子(9歳)/料理部・手づくり部・美容部/趣味は読書と散歩。素朴で美味しいもの、自然の中で過ごす時間が大好きです。自宅は古いビルのワンフロアをリノベーション。身近にあるわくわくを見つけながら地方暮らしを楽しんでいます。視野を広げつつ自分に正直に、あそびを大切に。心が動いたことをシェアしながらLEE100人隊3年目も歩んでいきます。

この記事へのコメント( 4 )

※ コメントにはメンバー登録が必要です。

Category

  • 今日のお買い物
  • 今日なに着てる?
  • 美容部
  • 手づくり部
  • 料理部
  • おでかけ部
  • 暮らし発見
  • 今月のお題
  • まとめNEWS

LEE100人隊の広告に関するお問い合わせはこちら

お問い合わせ

LEE公式SNSをフォローする

閉じる

閉じる